― Carbon dioxide Capture and Storage ― 苫小牧ＣＣＳ促進協議会通信

苫小牧ＣＣＳ促進協議会

2011/03

Vol.1

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【ＣＣＳとは】二酸化炭素（ＣＯ２）の回収・貯留を意味する、

Carbon dioxide Capture and Storage（ＣＣＳ）とは大規模発生源から排出ガス中のＣＯ２を、分離・回収し、それを地中もしくは海洋の深くに長期間にわたり貯留・隔離することにより、大気中へのＣＯ２

放出を抑制し、地球温暖化を防止する技術です。

【苫小牧ＣＣＳ促進協議会について】目　的：ＣＣＳ実証試験誘致を図り、地球環境問題の解決と地域産業活性化との両立可能な低炭素社会構築に向　　　　けて先導的役割を地域一体となって推進する。構　成：会　長 苫小牧市長　　　　副会長 苫小牧商工会議所会頭、石油資源開発㈱北海道鉱業所長　　　　会　員 アイシン北海道㈱ いすゞエンジン製造北海道㈱　　　（20団体・個人） 出光興産㈱北海道製油所 エア・ウォーター㈱ 王子製紙㈱苫小牧工場 ＪＸ日鉱日石エネルギー㈱ 清水鋼鐵㈱苫小牧製鋼所 石油資源開発㈱北海道鉱業所 苫小牧漁業協同組合 苫小牧港開発㈱ 苫小牧港管理組合 苫小牧市（総合政策部、環境衛生部、産業経済部） 苫小牧商工会議所 ㈱苫東 トヨタ自動車北海道㈱ 日本製紙㈱北海道工場勇払事業所 ＮＰＯ法人北海道水環境を考える会 池田　隆司（北海道大学大学院理学研究院自然史科学部門教授） 川島　和浩（苫小牧駒澤大学国際文化学部教授） 中村　　努（苫小牧工業高等専門学校環境都市工学科准教授）　　　　オブザーバー 厚真町 日本ＣＣＳ調査㈱　　　　（6団体） ㈱日本製鋼所室蘭製作所 ㈱日本政策投資銀行 北海道（経済部産業立地・エネルギー局、胆振総合振興局産業振興部） 北海道経済連合会 （敬称略）

ＣＣＳ概念図

ＣＣＳは、地球温暖化対策の有力な手法のひとつとして世界各国

でその取組が進められており、我が国でもＣＣＳ大規模実証試験の実施に向けて、苫小牧地域などで実

証試験候補地の調査が行われています。苫小牧地域では官民を挙げて「苫小牧ＣＣＳ促進

協議会」を設立し、ＣＣＳ実証試験の誘致などの活動を進めており、その活動の一環としてＣＣＳの理解を深めるとともに、当協議会の活動などを紹介する「協議会通信」を発行することといたしました。この地域がＣＣＳの技術開発を進める先進地とな

るよう、今後も協議会活動に取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

会長あいさつ

　苫小牧ＣＣＳ促進協議会会長

苫小牧市長　岩 倉 博 文

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今、私が仕事の合間に繰り返し読んでいる本は世界的なベストセラーで政治哲学者マイケルサンデルハーバード大教授の「これからの正義のはなしをしよう」です。同教授の公開授業「白熱教室」（12回）がＮＨＫ教育テレビで放映されたので、ご承知の方も多いと思います。そこで、「ＣＣＳの実施に正義はあるか」自問自答を繰り返していますが、私は信念を持って、そこに「正義」があると言い切ります。このことについての議論は沢山することが大事で、その議論が新たな「ＣＣＳの正義」を生んでいくものと思っております。さて、そうしたことを頭の隅に置きながら、地球温暖化と苫小牧のＣＣＳについて述べて行きたいと思います。地球に異変が起きている、温暖化が起きている、その原因はどうも人間の活動らしいということが次第に分かってきて、それをほぼ決定付けたのが気候変動問題の国際機関ＩＰＣＣが取り纏めた評価報告書です。温暖化は確実に地球規模で生じ、地球全体では僅かな変化が地域的に大きな影響を及ぼします。温暖化の主要因は化石燃料利用に伴うＣＯ２の排

出です。しかしながら、化石燃料抜きに経済活動は成り立ちません。今、世界中で、いろいろな人が、いろいろな立場で、議論を重ね、問題解決が図られています。しかしながら、これをやれば問題が解決するという方法はなく、できることを早く、効率的にやっていくことが重要になります。温暖化対策はいろいろな対策が世界に駆け足で広がらなくてはなりません。ＣＣＳが重要な鍵のひとつであることは、世界中のエネルギーや環境の専門家が認めています。メキシコのカンクンで開催された気候変動の国際会議ＣＯＰ16では長年、懸案だったＣＣＳのＣＤＭ化が承

認され、大きな促進策が取られました。国内でも、政府のエネルギー政策や、環境政策でも引き続き重要な位置づけがなされています。苫小牧は世界に繋がる交通・産業の要所であり、

ＣＣＳ加速のきっかけとなった洞爺湖サミットが開催された北海道にあり、地球温暖化に取り組んでき

た企業が集まり、市や市民の環境意識も高く、日本有数のガス田があり（＝ＣＣＳに重要な地下の知見があり）、ＣＣＳを促進するには最適なところと言えます。苫小牧市では「苫小牧

ＣＣＳ促進協議会」が昨年４月に発足し、実証試験誘致に向けて活動が行なわれています。また、実証試験に向けた地下構造を把握するための調査事業も国の委託を受けた日本ＣＣＳ調査㈱によって鋭意進められています。ＣＣＳは地球温暖化対策だけでなく、工夫次第でさまざまな経済効果をもたらすことが専門機関より報告されています。スマートグリッド・スマートコミュニティーと一体化させることも可能です。さあ、あなたもＣＣＳに、直接間接様々な形で参

加して、「正義」を実感してみませんか。

「苫小牧ＣＣＳに寄せて」

【寄稿者紹介】　1974年石油資源開発㈱入社。1977年エネルギー総合推進委員会へ出向。1979年石油資源開発㈱復帰。（中国、オマーンに駐在後、企画室、環境担当等を歴任）2008年日本ＣＣＳ調査㈱を立ち上げ後、業務企画部長を兼任。（経済産業省ＣＣＳ研究会委員、上智大非常勤講師を歴任）2009年日本ＣＣＳ調査㈱社長付を兼任。2010年石油資源開発㈱環境・新技術事業推進本部長付を専任。

Topics

石油資源開発株式会社環境・新技術事業推進本部長付　関 根 和 夫

人が集まる効果

事業実施による間接的効果事業投資の直接的効果

経済波及効果（経済活動増・雇用増）

産業育成効果

施策誘導

地域イメージアップ効果（環境貢献）

意識高揚効果

カンクンのCOP16会場（COP16公式サイトより）

【苫小牧におけるＣＣＳ実証事業により期待できる効果について】

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苫小牧ＣＣＳ促進協議会通信 Vol．12011年3月発行

■作 成：苫小牧ＣＣＳ促進協議会（事務局：苫小牧市産業経済部）

■問合せ先： 苫小牧市産業経済部企業立地推進室企業立地課 〒053−8722 苫小牧市旭町４丁目５番６号 ☎（0144）32−6438　FAX（0144）34−7110 http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kigyo/index2−1.htm E−mail：kigyo@city.tomakomai.hokkaido.jp

【苫小牧地域における調査】【調査内容】○調査委託元：経済産業省、調査受託先：日本ＣＣＳ調査㈱

1Ｈ21.10〜11：三次元弾性波探査による調査　・目的：地質構造の詳細な把握　・地域：苫小牧港約２㎞沖合の2.7㎞×３㎞の港湾区域

2Ｈ22.7〜9：追加三次元弾性波探査による調査　・目的：地質構造の詳細な把握　・地域：苫小牧港約2㎞沖合の5㎞×6㎞の海域

3Ｈ22.10〜Ｈ23.３：ＣＣＳ調査井の掘削による調査　・目的：貯留層、遮蔽層の詳細な地質データの取得　・位置：苫小牧市汐見町地先西港区土砂処分場内

→

→

2㎞

苫小牧港港湾区域↓

【平成22年】　４月 ・苫小牧ＣＣＳ促進協議会設立（平成22年度第

１回総会開催）　５月 ・要望活動（苫小牧ＣＣＳ促進協議会） ・要望活動（民主党北海道第９区総支部地域政

策連携会議） ・要望活動（自由民主党北海道第９選挙区支部

移動政調会） ・日中韓三カ国環境大臣会合でＣＣＳ関連パネ

ル展示 ・苫小牧ＣＣＳ促進協議会理事会（平成22年度

第１回開催）　６月 ・苫小牧ＣＣＳ促進協議会総会（平成22年度第

２回開催）　７月 ・苫小牧商工会議所地域振興委員会でＣＣＳ事

業紹介（日本ＣＣＳ調査㈱） ・要望活動（苫小牧ＣＣＳ促進協議会） ・苫小牧市ホームページにＣＣＳ関連情報掲載 ・苫小牧商工会議所製造業部会でＣＣＳ事業紹

介（日本ＣＣＳ調査㈱） ・要望活動（苫小牧東部開発連絡協議会） ・要望活動（苫小牧地方総合開発期成会）　８月 ・追加三次元弾性波探査作業視察会（苫小牧Ｃ

ＣＳ促進協議会）　９月 ・苫小牧東部地域企業誘致推進協議会でＣＣＳ

事業紹介（日本ＣＣＳ調査㈱） ・苫小牧臨海企業懇話会でＣＣＳ事業紹介（日

本ＣＣＳ調査㈱）　10月 ・市民向け広報紙にＣＣＳ特集記事掲載（広報

とまこまい10月号） ・北海道政策研究会でＣＣＳ事業紹介（日本Ｃ

ＣＳ調査㈱） ・苫東推進担当者会議幹事会でＣＣＳ事業紹介

（日本ＣＣＳ調査㈱）　11月 ・要望活動（苫小牧市議会総合開発特別委員会） ・苫小牧地区協同組合等連絡協議会でＣＣＳ事

業紹介（日本ＣＣＳ調査㈱）　12月 ・ＣＣＳ調査井掘削作業視察会（苫小牧ＣＣＳ

促進協議会） ・苫小牧ＣＣＳ促進協議会理事会（平成22年度

第２回開催） ・中山義活経済産業大臣政務官が苫小牧市長と

面談及びＣＣＳ調査井視察

【平成23年】　１月 ・ＮＨＫ「ネットワークニュース北海道」で

苫小牧地域のＣＣＳに関する特集を放映　３月 ・機関紙「苫小牧ＣＣＳ促進協議会通信」を発行

【苫小牧地域の主な活動等】

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