コロンビアにおける クリーン開発メカニズ …...Oportunidades en Rellenos...

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コロンビアにおける クリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクト参入の手引き 2005年2月 JETRO ボゴタ事務所 - 1 -

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コロンビアにおける

クリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクト参入の手引き

2005年2月

JETRO ボゴタ事務所

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はじめに

この資料は、日本企業がコロンビアにおいて CDM プロジェクトに参入する際役立てることができる手引き

として、JETROボゴタ事務所が基本的な事項をとりまとめたものである。

コロンビアでの CDM プロジェクトは、ようやく2件が立ち上がったばかりで、これから発展する余地が大

いに残されている。CDM の制度自体が現在も国際協議で決められて行く途上にあり、また吸収量の計算など

理論的、技術的な面でも未だ発展の余地を残していることから、CDM を取り巻く状況は常に変化している。

この資料は、2005 年 2 月現在の情報を基に作られたものであり、内容は逐次更新して行かなくてはならな

い。それを待てない場合は、直接情報源に当たって最新情報を得る必要があるが、この資料はできるだけ

具体的な情報源を明記し、直接取材に役立てられるよう配慮した。

CDM がなかなか馴染みにくい理由の一つは、制度が流動的で新しい事項が次々に出て来る上に、聞き慣れな

い外来用語が多いことである。しかも、コロンビアにいる場合は、スペイン語が必要であり、日本の解説

書ではスペイン語用語が取り上げられていない。これらのことを考慮し、この資料の中では日本語用語に

加えてできるだけ括弧書きでスペイン語用語を添えることとした。ただし、日本の資料には英語の用語が

多いことから、その理解のために最終章の用語解説では3カ国語を掲げることとした。なお、日本語用語

で訳語が定着していないものは、各種資料を比較して主流になっている訳語を選択するよう心がけた。ま

た、コロンビアの国家指定機関(DNA)は環境・住宅・地域開発省で、その CDM 担当部署は気候変動緩和対

策室であるが、簡略のために DNA を「環境省」、担当部署は「対策室」とし、環境省と経済開発省の合併前

の場合は、環境省(当時)と記すことにした。

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目 次

はじめに 2

目次 3

1 コロンビア政府の取り組み 4

1.1コロンビア政府のこれまでの取り組み経緯 4

1.2 コロンビアの CDM 6

1.3 DNAの組織構成、分野別担当者 7

1.4 DNAと他組織との関連 8

1.5 DNA承認ガイドライン 9

1.6 DNA承認の申請手続き 11

1.7意見書・異議なし見解書の申請手続き 16

2 コロンビアにおける他国、他機関の取り組み 19

3 コロンビアにおける GEI排出状況 19

4 コロンビアにおける CDM事業の可能性 22

5 DNAで検討されている CDMプロジェクト案件 24

6 CDM関連資料、情報収集源、問合せ先 29

7 CDM、気候変動問題に関する用語解説 33

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1.コロンビア政府の取り組み

1.1 コロンビア政府のこれまでの取り組み経緯

クリーン開発メカニズム(MDL = Mecanismo de Desarrollo Limpio = Clean Development Mechanism = CDM)

は、1992 年 5 月の世界環境会議で採決された気候変動枠組条約に基づき、1997 年 12 月の第3回締結国協

議で採択された京都議定書の中で決められた各国の温室化ガス排出削減の数値目標を達成するための補足

的な仕組みで、市場原理を活用するいわゆる京都メカニズムの一つである。

コロンビアは、気候変動枠組条約を 1994 年 10 月に批准し、1995 年 6 月から締約国の一つ(非附属書 I国)

となり、京都議定書は、2000 年 12 月に批准し、2002 年 5 月から同議定書の承認国(附属書 B 国)になっ

ている。環境省(当時)は、2002 年 5 月にコロンビアの指定国家機関(AND = Autoridad Nacional Designada

= Designated National Authority = DNA)になり、現在は環境・住宅・地域開発省の気候変動緩和対策室

(GMCC = Grupo de Mitigación del Cambio Climático)が担当部局となっている。

国家開発計画での位置づけ:

前パストラーナ(Pastrana)政権の4ヵ年国家開発計画では、「環境総合施策(Proyecto Colectivo

Ambiental)」として掲げられた「森林(Bosques)」、「生産プロセスの環境持続性(Sostenibilidad de los

Procesos Productivos)」、「都市生活の質(Calidad de Vida Urbana)」、「よりクリーンな生産(Producción Más

Limpia)」、「グリーン市場(Mercados Verdes)」の 5 つのテーマの中で、環境省(当時)と農業・農村開発

省、経済開発省、鉱業・エネルギー省の連携により、温室効果ガス(GEI = Gases de Efecto Invernadero)

対策が行われてきた。

2003 年 5 月に国会承認されたウリベ(Uribe)政権の新しい国家開発計画(Ley 812 de 2003)では、「環境財・

サービスの保護と持続的利用 (Conservación de Uso Sostenible de Bienes y Servicios Ambientales)」、

「水の総合的資源管理 (Manejo Integral del Agua)」、「グリーン分野の雇用と収益の産出 (Generación

de Ingresos y ”Empleo Verde”)」、「国内生産の環境持続性 (Sostenibilidad Ambiental de la Producción

Nacional)」、「環境保全に効果的な計画と行政 (Planificación y Administración Eficiente del Medio

Ambiente)」の 5点が重点施策として掲げられている。これらのうちGEI対策は、「生産の環境持続性」の中

で進められており、CDMなどのメカニズムを活用しつつ、エネルギー・プロジェクトで 100 万トン、大量交

通プロジェクトで 80 万トン、ゴミ処理場のメタン・プロジェクトで 1万トンなど、合計 200 万トンのCO 2-eq

を削減し、800 万USドルのRCE獲得を目指すものとしている。

国別調査の実施:

UNFCCC に関連する国別調査は、環境省(当時)の専門機関である水文・気象・環境調査庁(IDEAM)が、国

連開発計画(UNDP)の支援の下に、2001 年 12 月に COP への第1回報告書(Primera Comunicación Nacional

ante la Convención Marco de las Naciones Unidas spbre el Cambio Climático)を作成し、温室効果ガ

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スの排出・吸収目録などを明らかにしている。

これに先立ち、2000 年 4 月に、同省は、世銀の協力により CDM 推進のための国家戦略調査(EES - Estudio

de Estratégia Nacional para la Implementación del MDL en Colombia))を実施し、事業の進め方、産

業部門別のポテンシャルなどが検討され、森林案件を中心に 11 件のプロジェクト案から成るポートフォリ

オを掲げている。

コロンビア政府のこれまでの主な取り組み経緯は、次のとおりである。

コロンビア政府のこれまでの取り組み経緯

年 月 事 項

1993 12 環境省及び全国環境行政システムが発足(全国環境行政システム法、Ley 99 de 1993)。

1994 10 気候変動に関する国際連合枠組条約を批准(Ley 164 de 1994)。

1995 6 気候変動に関する国際連合枠組条約の締約国となる。

2000 4 CDM 推進のための国家戦略調査(Estudio de Estratégia Nacional para la Implementación del MDL

en Colombia)の実施。

2000 12 気候変動に関する国際連合枠組条約京都議定書を批准(Ley 629 de 2000)。

2001 10 エネルギー利用合理化法(Ley 697 de 2001)

2001 12 国別調査(Primera Comunicación Nacional ante la Convención Marco de las Naciones Unidas sobre

el Cambio Climático)の実施。

2002 2 カナダと協力協定(Memorándum de Entendimiento)締結。

2002 5 京都議定書締約国となる。

2002 CDM 促進インセンティブとして付加価値税(IVA)免除が決められる(Ley 788 de 2002)。

2002 4 オランダと協力協定(Memorándum de Entendimiento para la Cooperación)締結。

2002 5 環境省(当時、Ministerio del Medio Ambiente)が DNA となる(DM/VAM/CAA 19335 del Ministerio

de Relaciones Exteriores)。

2002 6 環境省内に気候変動緩和推進班発足。

2002 8 DNA の窓口部署 OCMCC (Oficina Colombiano para la Mitigación del Cambio Climático)が発足。

2002 11 Jepirachi 風力発電プロジェクトで、プロトタイプ炭素基金と排出権売買契約を締結。

2002 12 Jepirachi 風力発電プロジェクト、DNA 承認。コロンビアで第 1号の認定事業となる。

2002 12 環境省不定期のメイル・マガジン EMISION を創刊。

2003 2 環境省が合併し(Decreto 216 de 2003)、環境・住宅・地域開発省(Ministerio de Ambiente, Vivienda

y Desarrollo Territorial)となる。

2003 3 セミナー(Proyectos de Recuperación de Metano para el Mecanismo de Desarrollo Limpio:

Oportunidades en Rellenos Sanitarios y Sistemas de Tratamiento de Aguas Residuales )開

催(環境省、CAF、World Bank Research)。

2003 4 国家開発計画 2002-2006 成立(国会承認、Ley 812 de 2003)。

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2003 5 フランスと協力協定(Acuerdo Bilateral de Cooperación)締結。

2003 5 CDM セミナー(El Mecanismo de Desarrollo Limpio del Protocolo de Kioto, Una Oportunidad de

Inversión en Colombia y América Latina)開催(環境省、フランス大使館、COLMAGDALENA、Oficina

Nacional de Bosques de Francia、Universidad Externado de Colombia)。

2003 7 国家環境審議会(Consejo Nacional Ambiental)に提出予定の案 Criterios y Prodcedemiento para la

Aprobación Nacional de Proyectos de Reducción de Emisiones de GEI Elegibles al Mecanismo

de Deasarrollo Limbio

2003 8 気候変動緩和環境業務にかかる行政戦略(CONPES 文書第 3242 号)が CONPES で承認される。

2003 8 第 20 回国家環境審議会にて、CDM プロジェクト認定にかかる基準・手続き要領案及び気候変動緩和

にかかる業種横断技術委員会の設置案が承認される。

2004 2 DNA 窓口部局が Grupo de Mitigación de Cambio Climático に名称変更。

2004 4 CDM プロジェクト認定にかかる基準・手続き要領(Resolución 0453 de Abril de 2004)を策定。

2004 4 気候変動緩和にかかる業種横断技術委員会設置要領(Resolución 0454 de Abril de 2004)を策定。

2004 11 ゴミ埋立地生物ガス回収 CDM プロジェクト推進国際ワークショップ(Taller Internacional para la

Promoción de Proyectos MDL mediente Aprovechamiento del Biogas en Rellenos Sanitarios)

開催。

1.2 コロンビアの CDM

コロンビアの指定国家機関(DNA)は、2002 年 5 月に環境省(当時)と決められた。同省は、2002 年 8 月

に発足したウリベ政権による行政改革の一環で、2003 年 2 月に経済開発省と合併し、環境・住宅・地域開

発省(MAVDT = Ministerio de Ambiente, Vivienda y Desarrollo Territorial)となった(Decreto 216 de 2003)。

背景には、深刻な財政問題があり、マイナス成長となった 1999 年以降支援を受けている IMF からスタンバ

イ取り決めによる財政管理がある。合併は、単に2つの省が横に合わさっただけではなく、関連部門が有

機的に再編成されている。例えば、旧経済開発省の飲料水整備部門が、環境部門に組み入れられ、また、

地域開発部門が同じ省に入ることは地域整合計画(POT = Plan de Ordenamiento Territorial)の立案に

欠かせない環境要素の検討で連携を深められるなどの利点があるとされている。

CDM の担当部署は、「気候変動緩和対策室(GMCC = Grupo de Mitigación de Cambio Climático)」で、2002

年 8 月に発足した「気候変動緩和のためのコロンビア事務局(OCMCC = Oficina Colombiana para la

Mitigación del Cambio Climático)」が、2004 年 2 月に現在のように名称変更している。スタッフは、室

長以下、エネルギー案件、森林案件、産業・行政企画調整、総務・国際企画調整の担当が各1名で、計5人

の構成である。小世帯であるが、同対策室は合併による人員削減を受けず、体制は維持されている。同対

策室は、環境担当副大臣に直結した4つの専任班の1つである「経済分析・研究調査専任班(Grupo Análisis

Económico e Investigación)」に属し、CDM 業務を担当している。専任班は、省内横断的な調整が必要な重

要案件に対し担当者をタテ・ヨコにクロスさせて対処する仕組みになっている。

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気候変動緩和対策室の任務は、1)温室効果ガス問題対処のための方法、手段、能力の開発、2)プロジ

ェクト案件のポートフォリオの推進、3)プロジェクトの市場戦略の構築などとなっている。

1.3 DNA の組織構成、分野別担当者

環境・住宅・地域開発省気候変動緩和対策室の所在地、連絡先は次のとおり。

Grupo de Mitigación de Cambio Climático

Ministerio de Ambiente, Vivienda y Desarrollo Territorial

Calle 37, No.8-40, Piso 4, Bogotá, COLOMBIA

TEL: (+57-1) 332-3400, 338-3900

FAX: (+57-1) 288-9540

www.minambiente.gov.co/cambioclimatico

大臣、環境担当副大臣以下、気候変動緩和にかかる担当職員の職務、連絡先は次のとおり。

大臣、環境担当副大臣等の連絡先

氏 名 職 務 連絡先

Sandra Suárez Pérez

環境・住宅・地域開発省大臣 msuarez@minambiente.gov.co

(+57-1) 332-3400, 338-3900,

ext.100

Carmen Helena Arevalo 環境担当副大臣 carevalo@minambiente.gov.co

(+57-1) 332-3400, 338-3900,

ext.110

Francisco Manjarres 経済分析・研究調査専任班長、班

[email protected]

(+57-1) 332-3400, 338-3900,

ext.122

気候変動緩和対策室職員の職務、連絡先

氏 名 職 務 連絡先

Matha Patricia Castillo 対策室調整官(室長) [email protected]

(+57-1) 332-3400, 338-3900,

ext.107; Fax (+57-1) 288 -9540

Calorina Villafañe 対策室職員、総務・国際企画調整担

[email protected]

(+57-1) 332-3400, 338-3900,

ext.173

Angela Duque 対策室職員、森林案件担当 [email protected]

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(+57-1) 332-3400, 338-3900,

ext.173

Francisco Arango 対策室職員、産業・行政企画調整

担当

[email protected]

(+57-1) 332-3400, 338-3900,

ext.216

Camilo Augusto Rojas 対策室職員、エネルギー案件担当 [email protected]

(+57-1) 332-3400, 338-3900,

ext.216

1.4 DNA と他組織との関連

省庁間の横断的取り組み:

CDM 事業案件については分野別に調査検討が行われているが、重要度が高く他省庁との調整が必要な分野に

ついては、2001 年 8 月より省間協定(Agenda Conjunto de Trabajo)により農業・農村開発省、運輸省、鉱業・

エネルギー省、国家計画庁との行政横断的検討チームが設けられている。検討中のプロジェクトには次の

ものがある。

1) 農業・農村開発省案件:

農業・農村開発省(Ministerio de Agricultura y Desarrollo Rural) との間では森林経営、農地管理、放

牧地管理の分野で、環境に配慮した適正な商業林の経営やアグロ・フォーレストリー、森林と組み合わせ

た持続的な耕作や牧畜などの推進について検討が行なわれている。

CDM プロジェクト・ポートフォリオに掲げられているものに、「チンチナ(Chinchiná)川流域森林」、「サン・

ニコラス(San Nicolás)地方森林システム」、「スリア(Zulia)川下流地域アグロ・フォーレストリー」、「生態

的脆弱地域森林復旧」の 4件がある。

2) 運輸省案件:

運輸省(Ministerio de Transporte)との間では、都市大量交通、都市間交通、河川交通、鉄道交通、海洋

交通、航空交通について、GEI の排出状況、CDM プロジェクトの適合性が調査検討されている。運輸案件に

ついては、国家企画庁(DNP - Departamento Nacional de Planeación)、鉱業・エネルギー省鉱業・エネル

ギー計画局も調査検討に参画している。

プロジェクト案件としては、サンティアゴ・デ・カリ(Santiago de Cali)市、バランキージャ(Barranquilla)

市、ブカラマンガ(Bucaramanga)市、ペレイラ(Pereira)市などの都市大量交通システム、ラ・リニア(La

Linea)トンネル、ボゴタ(Bogotá)都市近郊鉄道が検討され、これらの中でパイロット・プロジェクトとさ

れた「カリ市都市大量交通システム」は、CDM ポートフォリオに掲げられている。

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3) 鉱業・エネルギー省案件:

鉱業・エネルギー省(MME - Ministerio de Minas y Energía)との間では、同省の鉱業・エネルギー計画局

(UPME - Unidad de Planeación Minero Energética)を通じ、次の 4つの検討部門が掲げられている:

a) 全国電力接続網(SIN - Sistema Interconectado Nacional)でのエネルギー生産(火力発電の削減、エ

ネルギー効率の向上、失電の削減、再生可能エネルギーの推進)

b) 全国電力網未整備地域(ZNI - Zonas No Interconectadas)地域でのエネルギー供給(技術改善による

GEI 排出削減、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの推進)

c) エネルギーの合理的・効果的利用、工業・農工業・サービス業界でのコジェネレーション(繊維業、製

糖業、ホテル業など主な産業分野での技術改善、燃料の転換、質の標準化及びエネルギー・サービスの提

供による GEI の排出削減)

d) 交通運輸(インフラ整備の可能性、代替技術、燃料の転換、効率的な交通モード)

以上の検討事項には、工業界でのエネルギー効率使用、製糖業でのコジェネレーション、クリーン・エネル

ギー国家戦略、一般家庭でのエネルギー効率化、クリーン燃料技術などがある。また、これらのうち NSS

作成時から検討されているものに、発電、セメント生産、パネラ糖(粗糖)生産における GEI 排出削減プ

ロジェクトがある。

一方、同省のエネルギー問題解決計画・促進事業団(IPSE = Instituto de Planificación y Promoción de

Soluciones Energéticas)とでは、電力網未整備地域対策プロジェクトが検討されている。

1.5 DNA 承認ガイドライン

CDM プロジェクトの案件は、指定運営組織により有効化され CDM 理事会に登録されて初めて国際的に認証さ

れるが、その前の第一歩としてホスト国であるコロンビアの DNA によりまず承認される必要がある。

現在、2,005 年 2 月現在コロンビアで承認されているプロジェクトは 7件ある。

DNA による承認は、プロジェクト活動が持続可能な開発の達成に貢献するか否かが主に審査される。

コロンビアの案件認定ガイドラインは、2004 年 4 月に発布された省令第 453 号(Resolución 0453 de 2004)

「CDM プロジェクトの認定にかかる原則、要件、基準及び手順」の付属書1「CDM プロジェクトの認定にか

かる原則、要件及び基準」に示されている。

「原則、要件及び基準」では、排出削減プロジェクトと吸収プロジェクトの別に次の点が審査される。

1.5.1 排出削減プロジェクトの満たすべき事項

1) 事業が諸法令を遵守していること。

・ 事業分野の法令枠組みに遵守していること。

・ 事業により生じることが予想される環境インパクトにかかる環境ライセンス、許可、コンセッ

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ション、許諾を取得し、その他の環境法令に合致していること。

・事業の実施に当たって必要な自然資源の利用、廃棄物の排出、または自然要素に影響を与える

権利を合法的に取得していること。

・事業が民族グループや地域伝統共同体のある地域で実施される場合は、共同体構成員のみなら

ず、一般人、環境当局者も共同体の権利を尊重し、憲法や関連法令に基づき然るべき取り扱い

がなされること。

・事業の実施に当たり地域のステイク・ホルダーの意見が聴取されていること。

2) 事業が国の政策に貢献し、国や県、市等の計画やプログラム、プロジェクトに整合するものであること。

3) 事業が地域コミュニティーや社会一般の福祉や経済の進歩に長期的に貢献するものであること。

4) クリーン生産システムの実施であること。

1.5.2 吸収プロジェクトの満たすべき事項

1) 事業が諸法令を遵守していること。

・事業で実施する森林活動が、国の法的指定に整合し、それと関連付けられていること。

・事業が、地域を管轄する地方自治公社(Corporación Autónoma Regional)や持続的開発公社

(Corporación de Desarrollo Sostenible)に登録され、その森林活動が育林・森林管理計画

(Plan de Establecimiento y Manejo Forestal)に含まれていること。

2) 事業が、国、県、市の開発にかかる政策、プログラム、計画またはプロジェクトと整合するものである

こと。

・事業が、それぞれの地域関係者の参加により推進され、またそれが実施される市の(Municipal)

地域整合計画(POT = Plan de Ordenamiento Territorial)で決められた事項に基づいて実施さ

れること。

・事業が原住民族共同体や民族グループ共同体のある地域で実施される場合で、原住民族共同体

の生活計画や黒人共同体土地管理計画がある場合は、それらと整合するものであること。

3) 土地の使用権(derecho de dominio de la tierra)が明確に定義され、合法的に確立されていること。

・事業責任者が、事業に必要な期間の合法的な土地の使用権を有していること。

・事業が民族グループや地域伝統共同体のある地域で実施される場合は、共同体構成員のみなら

ず、一般人、環境当局者も共同体の権利を尊重し、憲法や関連法令に基づき然るべき取り扱い

がなされること。

4) 植林地が持続的な方法で利用され、多面的機能が維持されること。

5) 事業が地域コミュニティーや社会一般の社会福祉や経済の進歩に長期的に貢献するものであること。

6) 環境が保証され、環境インパクトが最小化されること。

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1.6 DNA 承認の申請手続き

1.6.1 申請に必要な書類

案件の承認を申請しようとする者は、公的、私的を問わず、また法人、私人を問わず、次の情報または文

書を環境省に提出しなくてはならない(省令第 453 号第 5条)。

・申請様式(削減プロジェクトの場合は省令付属書 2A、吸収プロジェクトの場合は省令付属書 2B)に則っ

て記述したプロジェクト内容。

・コロンビアで登記されている法人の場合は、申請日より 3 か月以内に発行された商工会(Cámara de

Comercio)の法人存在・法的代表者登記証書(Certificado de Existencia y Representación Legal)。外国

法人の場合は、その存在、法的代表者を証明するスペイン語の文書でコロンビア領事が認証したもの。

・代理人により申請する場合は、代理人への委任書。

1.6.2 承認プロセス

案件承認のプロセスは、省令第 453 号の第 6条によると次のとおりである。

1.申請者は、必要な申請書類一式を環境省文書書簡係(Grupo de Archivo y Correspondencia)に提出

する。

2.申請書類は、対策室に回されて受理登録され、申請書類一式が申請要件を満たしているかどうか、予

備的チェックがなされる。

3.申請書類が不十分な場合は、対策室は受理した日から 5 日以内に不足する情報を申請者に文書で通知

する。

4.申請書類一式が完備していることを確認した後申請の評価にかかるが、必要と判断される場合は、追

加情報の提出を求めることがある。

5.完備した申請書類を受理して後 20 日の間に、対策室は、省令第 453 号で定められた「原則、要件、基

準及び手順」に従って申請の評価、審査を行い、その結果を技術見解書(Concepto Técnico)にまとめ

る。

6.対策室は、技術見解書を気候変動技術委員会(CTI)委員に送付し、委員は 20 日間以内に異論

(Comentarios)が有るかどうか検討する。この期間のうちに委員の一人からも異論が出されない場合は、

技術見解書は環境省の見解として採択される。

7.対策室は、DNA としての権限の下に環境・住宅・地域開発省が環境担当副大臣の名で事業承認の是非を

通知する伝達書(Comunicación Escrita)を作成する。この伝達書は、発行日から 5 日以内に申請者に

手渡しまたは送付される。

8.承認が否定される場合は、必ずその決定理由が説明される。

なお、申請した事項内容、文書、情報に補足が必要な場合で、追加を求められても 2 ヵ月以内に書面

で回答が無い場合は、行政訴訟法(Código Contencioso Administrativo)第 13 条の規定により、申請

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者は申請を放棄したものとみなされる。

以上は省令によるものであるが、対策室としては、事業をできるだけ育てて行くことを建前としており、

申請で不足している事項についてはむやみに申請を差し戻すことはせずに、できるだけ申請者の相談を受

け付け指導して行きたいとしている。なお、申請には料金徴収規程は無く、無料である。

1.6.3 気候変動技術委員会(CTIMCC)

気候変動技術委員会の正式名称は、国家環境審議会気候変動緩和セクター横断技術委員会(Comité Técnico

Intersectorial de Mitigación del Cambio Climático del Consejo Nsacional Ambiental = CTIMCC)で、

案件承認の手続きを定めた省令と同時に発布された省令第 454 号(Resolución 0454 de 2004)で設置が決め

られている。

国家環境審議会(Consejo Nacional Ambiental)は、1993 年法律第 99 号により設立され、各省の大臣がメン

バーである環境行政の最高機関である。CTIMC は、審議会の下に設けられる技術委員会の一つで、環境省の

諮問機関(CONPES 第 3242 号文書)である。CTIMCC の業務は、気候変動緩和にかかる国家政策についての

提案、CDM 事業の国家承認にかかる意見提示、国内における CDM 事業実施のフォローアップ、気候変動緩和

プロジェクトやプログラムにかかる資源利用コンセッションのための戦略提案、CDM についての特定事項の

研究や分析調査の推進などとなっている。

委員会のメンバーは、常任委員(Miembros Permanentes)と専門委員(Miembros Temáticos)があり、委員会

での発言権、採決参加権を持つ。常任委員は、気候変動対策室室長、国家企画庁(DNP)都市開発・環境政策

局長、コロンビア科学院(COLCIENCIA)院長の3人である。審議テーマにより必要な場合は、委員会技術主

幹(Sectretaría Técnica)は常任委員に専門委員の候補を示し、常任委員は技術局長に専門委員の参加を求

めることができる。常任委員、専門委員の他に、委員会は、発言権だけを持つ参加者として当該テーマを

専門とする機関や同業者組合、団体、非政府組織を招くことができる。技術主幹は、気候変動緩和対策室

職員が担当する。

定例委員会は、3カ月に1回開かれ、定例委員会や臨時委員会には、常任委員が参加しなくてはならない。

以上は省令によるものであるが、実際の委員会は、委員が一堂に会することができない場合は、電子メー

ルの交換やパソコンでのチャットにより委員会の会議が開催されている。

1.6.4 排出削減事業承認の申請事項

事業の認定申請には、世銀プロトタイプ炭素基金のいわゆるプロジェクト・デザイン・ドキュメント

(DP-CDM あるいは CDM-PDD)に沿って様式が作られている。主な項目は、次のとおりである。

I. 事業の概要書

II. 事業設計書

付属書 1: 事業活動参加者の名称、所在地等

付属書 2: 公的資金にかかる情報

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付属書 3: ベースラインのための新しい方法論

付属書 4: モニタリングのための新しい方法論

付属書 5: ベースライン・データ一覧表

III. 持続的開発への貢献にかかる事項

この中で重要なのは、事業設計書のベースライン算定の方法論と付属書 3、付属書 5に関するものと思われ

る。ベースライン算定の方法論として既存の CDM プロジェクトに該当するものがなければ、新しい方法論

を開発し、それを付属書 3 に記載する必要がある。もし、プロジェクトがなかったと仮定した場合の排出

を妥当な前提条件、理論によって計算し、同様にプロジェクトを実施したと仮定した場合の削減もしくは

吸収がどのように計算されるかを合理的に説明できなくてはならない。DNA の承認は、国内レベルの承認で

あるが、しかる後の CDM 理事会への登録のためにはより明確な方法論とその裏づけが必要で、更に指定運

営機関により激しくチェックされることになる。

承認申請様式は、排出削減事業は 2004 年省令第 453 号の付属書 2A、吸収事業は同じく付属書 2B に示され

ている。その主な記述事項は、それぞれ次のとおりである。

排出削減事業の承認申請の主な記述項目

I. 事業の概要書

事業名、事業分野、事業目的、事業の概要説明、GEI 削減量、想定総事業費、想定事業収入、事業者、

事業の進捗状況、実施場所、活動開始予定、クレジット開始予定、クレジット終了予定

II. 事業設計書

A. 事業活動の概要

A.1.事業活動のタイトル、A.2.事業活動の説明、A.3.事業参加者、A.4.事業活動の技術的説明

B. ベースライン算定の方法論

B.1.事業活動に適用する方法論、B.2.方法論を適用する正当性とその理由、B.3.事業活動への適用方

法、B.4.事業不実施の場合と比べて GEI 排出はどのように減少するか、B.5.事業の大枠を規定する方

法論の基となるベースライン(Base de Referencia、作業者注:事業が有りの場合と無しの場合の排

出を比較するための基準値)と事業への適用方法、B.6. ベースラインの設定についての詳細

C. 事業活動期間、クレジット生成期間

C.1. 事業活動期間、C.2. クレジット生成期間と関連情報

D. モニタリングの方法論と計画

D.1.認定適用方法論の名称、D.2.方法論選択の理由と正当性、D.3.排出のモニタリングに必要なデー

タとの記録方法、D.4.事業に影響する排出源で事業の範囲に含まれないもの、その特定方法、排出の

記録方法、D5.事業範囲内の排出源にかかる排出のベースラインを規定する関連データ、その特定方

法、記録方法、D.6.モニタリングデータの品質管理と品質保証の方法、D.7 モニタリング方法論担当

の機関、担当者名

E. 各排出源からの温室効果ガスの排出量計算

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E.1.事業範囲内で発生する GEI の排出量を算定する方法、E.2. 事業による GEI の排出で、事業範囲

の外に漏出した排出量を算定する方法、E.3.事業活動による合計排出量(E.1 + E.2)、E.4. ベースラ

インとしての GEI 排出量を算定する方法、E.5.事業による GEI 削減量(E.3 - E.4)、E.6.以上の方法

により算定された排出量をまとめた比較表

F. 環境への影響

F.1.環境影響分析に関する説明、F.2. 事業実施者、ホスト国当事者が環境影響はかなりあると考慮

する場合: 環境影響評価に関する全ての資料とその結論

G. ステイク・ホルダーの意見

G.1.地元のステイク・ホルダーの意見聴取プロセスに関する説明、G.2.意見の概要、G.3.聴取した意

見の取り扱い

付属書 1: 事業活動参加者の名称、所在地等

付属書 2: 公的資金にかかる情報

付属書 3: ベースラインのための新しい方法論

1.方法論の名称、2.方法論の説明、3.パラメーター、データの根拠、4.事業範囲の決定とベースライ

ンのための方法論、5.不確実性要素の評価、6.ベースラインの方法論としての排出量の算定方法と事

業の追加性の見定め、7.ベースラインの方法論としての漏出量の算定方法、8.ベースラインの方法論

に適用する基準と方法論を確立した方法、9.方法論の利点と欠点、10.国家政策、業界の状況等に関

して考慮する事項

付属書 4: モニタリングのための新しい方法論

モニタリングのための新しい方法論の提案

1.新しい方法論の概要、2.事業活動による排出のモニタリングに適用すべきデータ及びその記録方

法、3.事業活動に影響を及ぼしうる排出源で事業の範囲内にないもの、及びその特定方法と記録方法、

4.新しい方法論の立脚する前提条件、5.モニタリングにかかる品質管理と品質保証の方法、6. 方法

論の利点と欠点、7.他の事例への適用例

付属書 5: ベースライン・データ一覧表

III. 持続的開発への貢献

認定要件、認定基準にかかる事項:

1.諸法令の遵守、2.国の政策への貢献、国や県、市等の計画やプログラム、プロジェクトとの整合性、

3.地域コミュニティーや社会一般の福祉や経済の進歩への貢献、4.クリーン生産システムの実施

吸収事業の認定申請の主な記述項目

I. 事業の概要書

事業名、事業分野、事業目的、事業の概要説明、GEI 削減量、想定総事業費、想定事業収入、事業者、

事業の進捗状況、実施場所、活動開始予定、クレジット開始予定、クレジット終了予定

II. 事業設計書

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A. 事業活動の概要

A.1.事業活動のタイトル、A.2.事業活動の説明、A.3.事業参加者、A.4.事業活動の技術的説明

B. ベースライン算定の方法論

B.1.事業活動に適用する方法論、B.2.方法論を適用する正当性とその理由、B.3.事業活動への適用方

法、B.4.事業不実施の場合と比べて GEI 排出はどのように減少するか、B.5.ベースラインの設定につ

いての詳細

C. 事業活動期間とクレジット生成期間

C.1. 事業活動期間、C.2. クレジット生成期間と関連情報、C.3.クレジット生成期間設定の選択

D. モニタリングの方法論と計画

D.1.認定適用方法論の名称、D.2.方法論選択の理由と正当性、D.3.吸収のモニタリングに必要なデー

タとの記録方法、D.4.事業に影響する吸収で事業の範囲に含まれないもの、その特定方法、吸収の記

録方法、D5.事業範囲内の吸収に関するベースラインを規定する関連データ、その特定方法、記録方

法、D.6.モニタリングデータの品質管理と品質保証の方法、D.7 モニタリング方法論担当の機関、担

当者名

E. 温室効果ガスの吸収量計算

E.1.事業範囲内での GEI の吸収量を算定する方法、E.2.事業による GEI の吸収で、事業範囲の外に漏

出した吸収量を算定する方法、E.3.事業活動による合計吸収量(E.1 + E.2)、E.4. ベースラインとし

ての GEI 吸収量を算定する方法、E.5.事業による GEI 吸収量(E.4 - E.3)、E.6.以上の方法により算

定された吸収量をまとめた比較表

F. 環境への影響

F.1.環境影響分析に関する説明(生物的多様性や自然生態系への影響、事業活動の範囲外への影響、

水文条件、土壌条件、火災の危険、病虫害についての記述を含む)、F.2. 事業実施者、ホスト国当事

者が環境へのネガティブな影響が重大であると考慮する場合:事業実施者がホスト国で定められた手

続きに従って実施した環境影響評価にかかる断定書、結論と全ての関係資料を含む。

G. 社会経済的影響

G.1. 事業範囲外も含めた社会経済的影響分析に関する説明(地域共同体、インディヘナ集落、土地

所有、地域雇用、食糧生産、文化地点、宗教地点、薪採取入会地、その他の森林生産利用などの情報

を含む)、G.2. 事業実施者、ホスト国当事者が社会経済へのネガティブな影響が重大であると考慮す

る場合:事業実施者がホスト国で定められた手続きに従って実施した社会経済影響評価にかかる断定

書、結論と全ての関係資料を含む。

H. ステイク・ホルダーの意見

H.1.地元のステイク・ホルダーの意見聴取プロセスに関する説明、H.2.意見の概要、H.3.聴取した意

見の取り扱い。

付属書 1: 事業活動参加者の名称、所在地等

付属書 2: 公的資金にかかる情報

付属書 3: ベースラインのための新しい方法論

1.方法論の名称、2.方法論の説明、3.パラメーター、データの根拠、4.事業範囲の決定とベースライ

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ンのための方法論、5.不確実性要素の評価、6.ベースラインの方法論としての排出量の算定方法と事

業の追加性の見定め、7.ベースラインの方法論としての漏出量の算定方法、8.ベースラインの方法論

に適用する基準と方法論を確立した方法、9.方法論の利点と欠点、10.国家政策、業界の状況等に関

して考慮する事項

付属書 4: モニタリングのための新しい方法論

モニタリングのための新しい方法論の提案

1.新しい方法論の概要、2.事業活動による排出のモニタリングに適用すべきデータ及びその記録方

法、3.事業活動に影響を及ぼしうる排出源で事業の範囲内にないもの、及びその特定方法と記録方法、

4.新しい方法論の立脚する前提条件、5.モニタリングにかかる品質管理と品質保証の方法、6. 方法

論の利点と欠点、7.他の事例への適用例

付属書 5: ベースライン・データ一覧表

III. 持続的開発への貢献

認定要件、認定基準にかかる事項:

1.諸法令の遵守、2.国の政策への貢献、国や県、市等の計画やプログラム、プロジェクトとの整合性、

3.地域コミュニティーや社会一般の福祉や経済の進歩への貢献、4.クリーン生産システムの実施

1.7 意見書・異議なし見解書の申請手続き

環境省は、未成熟案件を技術的、制度的にバックアップする手続きとして、案件についての「意見書

(Comentarios)」または「異議なし見解書(Carta de No-Objeción)」を交付するサービスを実施している。

プロトタイプ炭素基金(PCF)による計画進捗段階ではプロジェクト・アイデア・ノート(PIN)に当たる

ものが対象で、それが CDM 事業として形成するに当たり何らかの問題点がある場合は意見書によってそれ

が指摘され、CDM 事業として推進するに当たり当面の問題が見当たらない場合は異議なし見解書が交付され

る。

環境省は、この制度の利用により案件が初期段階から方向性を誤ることなく推進されて行くよう見守って

行きたいとしている。この制度は、DNA 承認の手続きとは全く別途のいわば非公式な審査制度で、この結果

は DNA 承認になんら影響することはない(省令第 453 号第 9条但し書)。なお、申請には料金徴収規程は無

く、無料である。

1.7.1 申請に必要な書類

申請には、政令の付属書3に示す様式に則った申請書類が必要である。

1.7.2 審査プロセス

案件審査のプロセスは、省令第 453 号の第 9条によると次のとおりである。

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1.申請者は、政令の付属書3に示す様式に則った必要な申請書類一式を提出する。

2.申請書類は、対策室が受理し、5日間以内に申請書類一式が申請要件を満たしているかどうか、予備的

チェック

がなされる。

3.申請書類が不十分な場合は、対策室は不足する文書または情報を申請者に文書で通知する。

4.申請書類一式が完備していることを確認した後申請の評価にかかるが、必要と判断される場合は、追

加情報の提出を求めることがある。

5.完備した申請書類を受理してから 5 日の間に、対策室は申請内容の審査、評価を行い、その結果は環

境・住宅・地域開発省環境担当副大臣の名で意見書または異議なし見解書と交付される。

6.意見書または異議なし見解書の文書原本は、申請者に郵送される。

1.7.3 申請事項

意見書または異議なし見解書の交付申請には、世銀プロトタイプ炭素基金(PCF)のいわゆるプロジェクト・

アイデア・ノート (PIN)に準じた様式が作られている。主な項目は、次のとおりである。

A. 事業概要、事業タイプ、実施場所、事業予定

B. 期待される環境的利益

C. 資金情報

申請様式は、2004 年省令第 453 号の付属書3に示されており、その主な記述事項は次のとおりである。

意見書または異議なし見解書の交付申請の主な記述項目

A. 事業概要、事業タイプ、実施場所、事業予定

事業名

提出年月日

事業目的

事業概要及び事業活動に関する記述(技術的説明を含む)

適用する技術

事業開発者

事業開発者名、事業体のタイプ、事業体の他の機能、事業開発者の経験、所在地、事業開発担当責任

者名、連絡先

事業資金協力者

事業資金協力者名、事業体のタイプ、所在地、主たる活動、資金概要

事業タイプ

削減する GEI の種類、削減・吸収の別、事業分野

1.削減:a.エネルギー供給、b.エネルギー需要、c.交通運輸、d.廃棄物処理

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2.吸収:a.森林、b.森林再生

事業実施場所

地域、国、市、実施場所についての簡単な記述

事業予定

機能開始年、機能開始までに必要な年月、RCE 生成開始年、事業寿命年数、事業の進捗状況、ホスト

国の認定状況、

ホスト国での京都議定書承認状況

B. 期待される環境利益

削減事業による GEI 削減量

吸収事業による GEI 削減量

ベースラインの概要

特定の環境利益

適用機関、地域的利益、地球的利益

社会経済的側面

事業はどのような社会経済的効果を生むか、事業が無い場合と比べてどうか、適用機関、直接的効果

は何か、その他にはどのような効果があるか

ホスト国の環境戦略、優先事項

C. 資金情報

総事業費

開発費、設置費、その他の事業費、総事業費

事業費の出所

自己資金、長期借り入れ、短期借り入れ、出所未定資金、CDM 想定収入

RCE基準価格(US$/tonCO2eq)

排出削減プロジェクトの削減買い取り協定額

2008 年~2012 年の第1約束期間、20年間、30 年間、40 年間、60 年間

吸収プロジェクトの削減買い取り協定額

2008 年~2012 年の第1約束期間、12年間、7年間、14 年間、21 年間

適用ドル換算レート

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2.コロンビアにおける他国、他機関の取り組み

コロンビアは、2002 年 2 月にカナダ(Memorándum de Entendimiento)と、2002 年 4 月にオランダ(Memorándum

de Entendimiento para la Cooperación)と、2003 年 5 月にフランス(Acuerdo Bilateral de Cooperación)

と CDM 促進に関する協力協定を締結しており、またスペインの炭素基金とも協力関係にある。近くオース

トリアや日本の機関(JBIC)とも協力協定が結ばれる模様である。

2002 年 2 月には、フランス政府の協力により CDM セミナー(El Mecanismo de Desarrollo Limpio del

Protocolo de Kioto, Una Oportunidad de Inversión en Colombia y América Latina)が開催され、また

ラテン・アメリカ炭素プログラム(Programa Latinoamericano del Carbono = PLAC)を推進しているアンデ

ス開発公社(CAF = Corporación Andina de Fomento)の協力により、2003 年 3 月にはメタン回収に関する

セミナー(Proyectos de Recuperación de Metano para el MDL)が開かれた。

世銀のプロトタイプ炭素基金(PCF)は、CDM の事業化前に RCE の買い取り協定を締結することにより、コ

ロンビアでの 2件の発電プロジェクトを実現化させた。

1つ目のヘピラチ風力発電プロジェクトでは、14 年間で 800,000 トンのCO2-eqをトン当たり 4.00 USドル、

総額 320 万 USドルで買い取ることで既に事業が着手されており、アモジャ川発電プロジェクトでも

5,000,000 トンのCO2-eqをトン当たり3.60ユーロ、総額1,800万ユーロが買い取られることになっている。

3.コロンビアにおける GEI 排出状況

コロンビアの GEI 排出の世界に占める割合は、0.2%~0.3%である。

コロンビアが世界人口に占める割合は、0.6%なので、一人当たりでは世界平均のおよそ2分の1を排出し

ていることになる。

コロンビアにおける GEI 排出のインベントリーは、1990 年現在のものと 1994 年現在のものが、COP への第

1回報告書(Primera Comunicación Nacional ante la Convención Marco de las Naciones Unidas sobre el

Cambio Climático:IDEM、2001 年 12 月)の中で計算されている。それ以後の計算は IDEAM で非公式に作業

が行われているようであるが、他国の調査発表との足並みがそろわず(COP10 で議論されたが合意に至って

ない)、未だ発表されていない。

一方、コロンビアでは鉱業・エネルギー省(UPME)により国家エネルギー計画(Plan Energético Nacional )

が2年毎に策定されており、GEI 排出インベントリーの公表値ではないものの、同分野の GEI 排出レベルを

知るのに参考となる。

1994 年現在の GEI 排出状況は、次表のとおりである。

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地球温暖化ガス排出国家目録 (単位:千トン(Gg))

温室効果ガス その他のガス エアロゾル

先駆物質

分 類

CO2

CH4

N2O

CO

NOx

CH4以外の

揮発性有機

化合物

SO2

1. エネルギー 55,351.7 284.4 1.5 2,874.5 289.5 423.6 162.5

A. 化石燃料の燃焼

エネルギー変換産業 13,250.3 0.3 0.1 3.7 38.7 1.0 24.9

火力発電所 6,536.5 17.0

その他のエネルギー事業所 6,713.8 7.9

製造業 14,709.6 1.2 0.2 15.0 43.9 2.3 70.5

商業、事業所 1,043.4 0.1 0.0 0.3 1.4 0.1 1.9

家 庭 2,952.6 2.3 0.0 14.2 3.7 1.5 4.1

農牧業・鉱業 1,185.1 0.2 0.0 0.3 1.6 0.1 2.6

建 設 234.5 0.0 0.0 0.7 0.6

その他(上記に含まれないもの) 2,623.8 1.0

航空輸送 1,293.7 1.8 5.5 0.9 1.4

自動車交通(概略計算) 16,620.8 4.1 0.1 1,574.6 153.0 295.7 14.2

自動車交通(詳細計算) 16,974.1 6.9 0.3 1,472.6 93.6 245.1

鉄道輸送 42.8 0.0 0.0 0.5 0.6 0.1 0.1

水上輸送 671.0 0.0 0.0 9.3 14.0 1.9 1.1

B. バイオマス

エネルギー変換産業

製造業 2.1 0.3 266.9 6.7 3.4 10.2

商業、事業所

家 庭 42.2 0.6 712.6 14.2 83.7 20.3

農牧業・鉱業 16.5 0.2 275.2 5.5 33.0 8.3

その他(上記に含まれないもの 1.3

C. 漏 出

鉱 業 94.9

石 油 3.4

天然ガス 82.4

揮発、消失 724.1 34.6

2. 工業プロセス 5,213.3 0.4 0.3 2.9 1.1 29.8 7.8

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A. 鉱業生産 3,918.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.7 2.5

B. 化学工業 0.4 0.4 0.3 0.4 0.6 2.2 1.9

C. 金属生産 1,293.5 0.0 0.0 0.7 0.0 0.1 1.1

D. 食品・飲料の生産 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 25.5 0.0

E. その他の工業 0.0 0.0 0.0 1.8 0.5 1.2 2.2

3. 農 業 1,634.3 87.5 2,178.8 43.8

A. 畜 産 1,403.6 0.1

B. 灌漑稲作 145.1

C. 草地の焼き払い 72.9 0.9 1,912.8 32.6

D. 農業廃棄物の焼き払い 12.6 0.3 265.2 11.2

E. 農業土壌 86.2

4. 土地利用の改変及び林業 15,516.1 4.2 0.0 37.0 1.0

A. 森林及び木性バイオマスの改変 13,314.0

B. 森林・草地の改変 3,225.6 4.2 0.0 37.0 1.0

C. 耕作地の放棄 - 1,023.9

D. 土壌によるCO2の排出、移動 0.4

5. 廃棄物 193.4 2.0

A. 固形廃棄物の埋め立て 182.6

B. 家庭排水の処理 5.9

C. 工業排水の処理 4.9

D. 汚水処理 0.0 2.0

総ネット排出量 76,080.0 2,297.6 91.3 5,092.3 335.4 453.3 170.2

参考項目:排出量合計に含まれないもの

国際運輸 1,002.7 0.019 0.0247 3.76 7.38 1.10 1.58

航空運輸 811.1 0.006 0.0231 1.16 3.47 0.58 0.88

海 運 191.6 0.013 0.0016 2.61 3.91 0.52 0.70

バイオマス 20,177.6

出典:IDEAM、Primera Comunicación Nacional ante la Convención Marco de las Naciones Unidas sobre el Cambio Climático

備考:概略計算のため、合計数字が合致しないものがある。自動車交通(概略計算)の CO2 排出量は、レフアレンスアプローチによる値のみ

を含む。発表された訂正数値は修正済みである。

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4.コロンビアにおける CDM 事業の可能性

CDM プロジェクト・ポートフォリオ:

コロンビアでは、「ヘピラチ風力発電」、「アモジャ(Amoyá)川水力発電」など7件が既に DNA 承認を受けて

おり、これらを含めて 18 件のプロジェクト案件が、環境省のプロジェクト・ポートフォリオに掲げられて

いる。

18 件の内訳は、排出削減プロジェクトが 11 件、吸収プロジェクトが 7件である。

それぞれのカテゴリーは、排出削減プロジェクトは、再生可能エネルギーが「ヘピラチ風力発電」、「アモ

ジャ(Amoyá)川水力発電」、「アグア・フレスカ(Agua Fresca)川発電」、「ボゴタ川水力発電」の 4 件、運輸

交通が「カリ(Cali)市都市大量交通システム」と「ボゴタ市トランスミレニオ」の 2件、廃棄物処理・処分

が「バランキージャ(Barranquilla)市ゴミ埋立地」、「リオ・フリオ(Río Frio)下水処理場」の 2 件、燃料

転換が「クンディナマルカ・ボジャカ(Cundinamarca、Boyacá)地方燃料転換」、「INCAUCA 社パネラ粗糖生産

系転換」の 2件となっている。

吸収プロジェクトは、「CDM 国家森林プロジェクト」、「サン・ニコラス(San Nicolás)地方森林システム」、

「アトラート(Atrato)川中流域森林再生」、「スリア(Zulia)川下流地域アグロ・フォーレストリー」、「チン

チナ(Chinchiná)川流域森林」、「マグダレナ川下流域・ディケ運河生産林」、「プラセ及びクエバ・ロス・グ

アチョロス国立公園周縁地域森林再生」の 7件となっている。

プロジェクトのポートフォリオは、世銀の協力で 2000 年 4 月にまとめられた国家戦略調査(NSS)以後、

数回にわたり書き換えられ、これまでに 40 件を超えるプロジェクト構想が検討されてきた。

この国で必要度が高く、実施が求められているのは森林案件であり、NSS でのポートフォリオでは掲げられ

ている 11 件のうち 10 件までが森林活動による吸収量増大プロジェクトであった。しかし、現在のポート

フォリオでは、7件に集約されている。

森林活動プロジェクトは、この国での必要性、環境的な意義の高さとは裏腹に、植林技術や GEI 吸収量の

算定方法など理論的、技術的に未開発の部分があること、事業費が高いこと、事業に長い年月がかかるこ

と、ゲリラ問題などで長期に渡る実施主体を確立しにくいことなどの困難が予想されている。

CDM の制度は、GEI 吸収量増大プロジェクトの場合、第1約束期間については新規植林、再植林プロジェク

トに限定されていた(Decision 17)が、今後は森林経営、農地管理、放牧地管理、植生回復も検討される必

要がある。

プロジェクトの見通し:

プロジェクト・ポートフォリオにある 18 件を、仮に A(事業化の見通しがある)、B(状況によれば見通し

が出て来る)、C(事業化の見通しが低い)としてみると、環境省係官の見方によると、Aが一足先行してい

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る「ヘピラチ風力発電」、「アモジャ川水力発電」以外に、「リオ・フリオ浄水場」、「クンディナマルカ・ボ

ジャカ地方燃料転換」、「アグア・フレスカ川発電」、「クンディナマルカ・ボジャカ地方燃料転換」、「INCAUCA

社パネラ粗糖生産系転換」の 7件、Bが、「バランキージャ市ゴミ埋め立て地」、「カリ市大量交通システム」、

「ボゴタ市トランスミレニオ」、「ボゴタ川水力発電」、「サン・ニコラス地方森林システム」の 5 件、C が、

いずれも吸収案件で、「CDM 国家森林プロジェクト」、「アトラート川中流域森林再生」、「スリア川下流地域

アグロ・フォーレストリー」、「チンチナ川流域森林」、「マグダレナ川下流域・ディケ運河生産林」、「プラセ

及びクエバ・ロス・グアチョロス国立公園周縁地域森林再生」の 6件となっている。

同じく、産業分野別の大まかな見通しでは、Aが発電、燃料転換、ガス、製鉄、アルミ、銅、運輸、ゴミ埋

め立て、浄水、Bが農産廃棄物、製紙、セメント、電機、電力供給、ガス供給、Cが植林・森林再生と見ら

れている。

現在ポートフォリオから落ちているいくつかのプロジェクト案件も、検討が中止されたわけではなく、状

況によっては浮上する可能性もあり、CDM としてはポテンシャル、適合性が定かでなくても、この国で必要

度の高いプロジェクトは、他の事業方式を含め今後とも実現化の検討が続けられる。

ポートフォリオの推進:

コロンビアのプロジェクト・ポートフォリオは、国家戦略調査(NSS)以来何度も書き換えられており、既

に DNA 認定された 7件を含めて 18 の案件が掲げられている。このポートフォリオをもとに、引き続き事業

化の推進がなされることになるが、環境省では DNA によるプロジェクト承認を通して事業者へ技術的、手

続き的支援をして行きたいとしている。また、これまでに検討されたことのない新しい案件、方法論の発

掘について、引き続き内外の企業、業界との接触を深めて行く方針で、非公式な審査制度である「異議な

し見解書」の申請受け付などにより未成熟案件の技術的、制度的バックアップ、インキュベーションに努

める考えである。しかし、特に吸収案件は、森林再生技術や GEI 吸収量の算定方法など理論的、技術的に

未開発の部分が残されており、しばらく時間がかかるものと思われる。

Page 24: コロンビアにおける クリーン開発メカニズ …...Oportunidades en Rellenos Sanitarios y Sistemas de Tratamiento de Aguas Residuales )開 催(環境省、CAF、World

5.DNA(コロンビア環境・住宅・地域開発省)で検討されている CDM プロジェクト案件

GEI 排出削減プロジェクト

プロジェクト名 場 所 部 門 分 類 事業概要、実施主体 CO2の推定削減量

投資額

(100

万 USド

ル)

進捗状況 備 考

1 ヘピラチ

(Jepirachi)風力

発電炭素オフ・セ

ット・プロジェク

ラ・グアヒラ(La Guajira)

県ウリビア(Uribia)市

エネルギ

ー産業

再生可能

エネルギ

19.5 MW の風力発電。

1.3 MW の風力発電機

を 15 基設置。

21 年間で

1,168,000 トン削

減。

プロトタイプ炭素

基金(PCF)が 14

年間で800,000 トン

をトン当たり

4.00 US ドルで買

い取る。

20.6 2002年12月:DNA

承認。

2003 年 5 月:着

工。

2003 年 10 月:完

成。2004 年 2 月:

商業運転開始。

PCF の買い取り

協定 2002 年 11

月: 14年間で320

万 US ドル。

技術イノベーシ

ョン・プロジェク

ト認定減税:850

万 US ドル。

2 アモジャ川発電

環境業務プロジ

ェクト

トリマ(Tolima)県チャパ

ラル(Chaparral)市のアモ

ジャ(Amoyá)川

エネルギ

ー産業

再生可能

エネルギ

貯水ダムではなく導

水トンネルによる水

力発電(80 MW)。

発電量 568GWh/年。

水源は、アンデス中

央山脈のエルモーサ

ス・パラモ地帯

(Páramo de Las

Hermosas)。

出資者:ISAGEN、CVC、

Cemex 建設社、

Hidroger 社(事業主

体)。

CAF の出資交渉中。

14 年間で

5,800,000 トン

プロトタイプ炭素

基金(PCF)が 14

年間で 5,000,000

トンをトン当たり

3.60ユーロで買い

取る。

98 DNA 承認済み。

2006 年完成目

標。

PCF の買い取り

協定 2003 年 5

月:14 年間で総

額 1,800 万 ユー

ロ。

3 パネラ粗糖の生

産系の転換によ

る GEI 排出削減

及びクリーン技

術の転換、Mieles

Furatena 社

グアリバ(Gualivá)地方、

バジェ・デル・カウカ

(Valle del Cauca)県ウテ

ィカ(Útica)市

エネルギ

ー効率化

パネラ粗糖生産にお

けるエネルギー効率

の向上とクリーン技

術の推進。

Mieles Furatena 社。

未確定 未確定 プロジェクト・コ

ンセプト・ノート

(PIN)策定中。

4

ボゴタ市大量交

通・トランスミレ

ニオ

ボゴタ市 運 輸 大型バス専用レーン

の設置による大量旅

客交通総合システム

未公表 未公表 プロジェクト・デ

ザイン・ドキュメ

ント策定中。

- 24 -

Page 25: コロンビアにおける クリーン開発メカニズ …...Oportunidades en Rellenos Sanitarios y Sistemas de Tratamiento de Aguas Residuales )開 催(環境省、CAF、World

を創設し、旧型車両、

乗用車利用、不必要

交通を削減する。

5 アグア・フレスカ

川発電プロジェ

クトと環境整備

業務

アンティオキア

(Antioquia)県のヘリコ

(Jericó)市のアグア・フレ

スカ(Agua Fresca)川流域

ネルギー

産業

再生可能

エネルギ

既存の水力発電施設

から導水して新しい

発電施設を増設す

る。

776,000 トン

認定期間 14 年:

241,425 トン

2008-2012 年:

86,225 トン

9.9 プロジェクト・デ

ザイン・ドキュメ

ント策定。

DNA 認定済み。

小規模 CDM。

6 バランキージャ

市トリプル A公

共サービス会社

エル・エネケン

(El Henequen)ゴ

ミ埋立地の発生

ガスの利用

アトランティコ

(Atlántico)県のバランキ

ージャ(Barranquilla)市

廃棄物処

理・処分

固体廃棄

物、メタ

ンの回

収、排出

削減

ゴミ埋立地の発生ガ

スの回収、利用。

7,615,000 トン

14 年: 3,638,000

トン

2008-2012 年:

1,523,000 トン

12.2

プロジェクト・ア

イデア・ノート策

定。

7 サンタンデール

県フロリダ・ブラ

ンカ市リオ・フリ

オ(Río Frío)下

水処理場の生物

ガスの回収と大

気への排出削減

サンタンデール県のフロ

リダ・ブランカ(Florida

Blanca)市

廃棄物処

理・処分

液体廃棄

物、メタ

ンの回

収、排出

削減、コ

ジェネレ

ーション

下水処理場の生物ガ

スの回収と大気への

排出削減。

1,452,900 トン

14 年: 968,600 トン

2008-2012 年:

362,900 トン

9.0 プロジェクト・デ

ザイン・ドキュメ

ント策定。

世銀と売買契約

交渉中。

8 クンディナマル

カ・ボジャカ地方

における燃料転

換による一連の

排出削減プロジ

ェクト

クンディナマル

(Cundinamarca)県、ボジャ

カ(Boyacá)県

エネルギ

燃料転換 農村地域の工場など

の使用燃料を環境イ

ンパクトの大きい重

油から比較的少ない

天然ガスへ転換す

る。

300,000 トン

10 年: 300,000 トン

2008-2012 年:

150,000 トン

0.75 プロジェクト・デ

ザイン・ドキュメ

ント策定。

DNA 承認済み。

CDM 理事会承認

済みの方法論適

用。

9 サンティアゴ・

デ・カリ市大量旅

客交通総合シス

テム

バジェ・デル・カウカ

(Valle del Cauca)県のサ

ンティアゴ・デ・カリ

(Santiago de Cali)市

運 輸 大型バス専用レイン

の設置による大量旅

客交通総合システム

を創設し、旧型車両、

乗用車利用、不必要

交通を削減する。

全体:2,000,000 ト

10 年: 800,000 トン

2008-2012 年:

400,000 トン

495.0 プロジェクト・ア

イデア・ノート策

定。

10 ボゴタ川におけ

る一連の水力発

電による GEI 排

出削減

クンディナマルカ

(Cundinamarca)県

エネルギ

ー産業

再生可能

エネルギ

水力発電。

EMGESA。

未確定 未確定 プロジェクト・コ

ンセプト・ノート

策定中。

11 INCAUCA 社によ

るコジェネレー

ションと石炭代

バジェ・デル・カウカ

(Valle del Cauca)県

エネルギ

燃料転

換、コジ

ェネレー

製糖過程でサトウキ

ビ廃棄物の燃料化に

よるコジェネレーシ

未公表 未公表 DNA 承認済み。

- 25 -

Page 26: コロンビアにおける クリーン開発メカニズ …...Oportunidades en Rellenos Sanitarios y Sistemas de Tratamiento de Aguas Residuales )開 催(環境省、CAF、World

替プロジェクト ション ョンと石炭利用代

替。

INCAUCA 社

GEI 吸収プロジェクト

プロジェクト名 場 所 部 門 分 類 事業概要、実施主体 CO2の推定削減量

投資額

(百万

US ド

ル)

進捗状況 備 考

1 CDM 国家森林プ

ロジェクト

チョコ(Chocó)県キブド

(Quibdó)市、ビチャーダ

(Vichada)県プエルト・カ

レーニョ(Puerto

Carreño)市、グァビアレ

(Guaviare)県カラマール

(Calamar)市、ウイラ

(Huila)県ネイバ(Neiva)

市、ボリーバル(Bolívar)

県サンブラーノ

(Zambrano)市、アンティオ

キア(Antioquia)県アパル

タド(Apartadó)市

森林活動 COP7 に

基づく森

林整備、

利用、生

物燃料

アグロ・フォーレス

トリーの導入による

疲弊した熱帯林の再

生。同時に、雇用の

創出、代替作物の導

入による違法栽培の

撲滅を目指す。

7,694,817 トン

10 年: 1,961,214

トン

2008-2012 年:

1,418,217 トン

25.0 プロジェクト・コ

ンセプト・ノート

(PIN)策定。

2 サン・ニコラス地

方の持続的・参加

的管理計画によ

る森林システム

の整備

アンティオキア

(Antioquia)県サン・ニコ

ラス(San Nicolás)地方の

グァルネ(Guarne)市、リ

オネグロ(Rionegro)市、マ

リニージャ(Marinilla)

市、ラ・セハ(La Ceja)市、

エル・レティーロ(El

Retiro)市、エル・カルメ

ン・デ・ビボラル(El

Carmen de Viboral)市、

ラ・ウニオン(La Unión)

市、サン・ビセンテ(San

Vicente)市、エル・サント

ゥアリオ(El Santuario)

森林活動 COP7 に

基づく森

林整備、

利用

コロンビアの電力の

35%を供給する当該

水系の牧草地を森林

化し、二次林を成熟

させる。

植林:6,912 ha、ア

グロ・フォーレスト

リー:3,157 ha、牧

草地植林:1,426 ha。

CORNARE、国際熱帯木

材機関、EMPA(スイ

ス)

8,900,000 トン

10 年: 1,780,000

トン

2008-2012 年:

890,000 トン

15.5 プロジェクト・デ

ザイン・ドキュメ

ント準備中。

3 コロンビア太平

洋岸地方アトラ

コロンビア太平洋岸地方

アトラート川中流域、チョ

森林活動 森林再生 総計 95,000 ha の森

林の保護と再生

事業期間 25 年

60,000 ha の森林

プロジェクト・コ

ンセプト・ノート

- 26 -

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ート川中流域森

林再生

コ(Chicó)県 森林の適正保護管

理:60,000 ha

持続的森林利用:

20,000 ha

劣化土壌地の森林再

生とアグロ・フォー

レスタリー:10,000

ha

バイオ・ディーゼル

燃料を生産する森林

再生:3,500 ha

保護と 20,000 ha

の森林管理、8000

家族の薪利用停止

により12,937,000

トンの排出削減。

13,500 ha の植林

により 3,662,000

トンの吸収。

化石燃料をバイ

オ・ディーゼルに

転換することで

194,000 トンの排出

削減。

準備中。

4 スリア(Zulia)川

下流地域アグロ・

フォーレストリ

ー生産の推進と

持続的総合管理

北サンタンデール(Norte

de Santander)県のパルミ

ート(Palmito)市バンコ・

デ・アレーナ(Banco de

Arena)地区

森林活動 COP7 に

基づく森

林整備、

利用、ア

グロ・フ

ォーレス

トリー

地方政府、民間セク

ター、農村コミュニ

ティーの協力による

アグロ・フォーレス

トリーの促進。同時

に、雇用の創出、農

村組織の育成を目指

す。

生産林の植林:4,000

ha、持続的生産シス

テムの確立、樹木・

潅木・草本を組み合

わせた牧畜、アグロ・

フォーレストリー。

286,436 トン

10 年: 286,436 トン

2008-2012 年:

198,520 トン

7.2 プロジェクト・コ

ンセプト・ノート

準備中。

5 地域のための生

産・環境代替チン

チナ川流域森林

プロジェクト

PROCUENCA チン

チナ川流域森林

プロジェクト -

地方・都市の環境

選択

カルダス(Caldas)県のマ

ニサレス(Manizales)市、

ビジャマリア

(Villamaría)市、ネイラ

(Neira)市、パレスティー

ナ(Palestina)市、チンチ

ナ(Chinchiná)市

森林活動 COP7 に

基づく森

林整備、

利用

長期的視野での森林

整備。同時に、水資

源の確保、アグロ・

フォーレストリー、

エコ・ツーリズムの

振興を目指す。

1,586,100 トン

10 年: 584,925 トン

2008-2012 年:

372,225 トン

23.0 プロジェクト・コ

ンセプト・ノート

準備中。

6 CORMAGDALENA に

よるマグダレナ

川下流乾燥地

域・ディケ運河の

生産林プロジェ

ボリーバル(Bolivar)県 森林活動 森林再生 プロジェクト・コ

ンセプト・ノート

準備中。

- 27 -

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クトの立ち上

げ・資金戦略

7 プラセ国立公園

及びクエバ・ロ

ス・グアチョロス

国立公園の周縁

生態影響地域に

おける保護的・生

産的森林再生及

び小規模農業へ

のアグロ・フォー

レストリーの実

ウイラ(Huila)県南部のプ

ラセ(Puracé)国立公園及

びクエバ・ロス・グアチョ

ロス(Cueva de los

Guácharos)国立公園、サ

ン・アグスティン(San

Agustín)市、パレスティー

ナ(Palestina)市、アセベ

ド(Acevedo)市

森林活動 森林再生

及びアグ

ロ・フォ

ーレスト

リー

国立公園の周縁生態

影響地域: 84,500 ha

(事業影響地域:

299,000 ha)

現在の非持続的森林

利用を転換し、森林、

土壌、水源、生物多

様性の保全を図り、

炭素ガスを固定す

る。

植林、森林再生、ア

グロ・フォーレスト

リーを促進し、同時

に麻薬用ケシの栽培

を抑止する。

事業主体:CAM

( Corporación

Autónoma Regional

del Alto Magdalena、

Asociación ALTO

YUMA)

事業期間 30 年。

26,000 ha の植林

とアグロ・フォー

レストリーによる

吸収 6,554,000 ト

ン。

6,600 ha の森林管

理と 51,800 ha の

自然林保護による

排出削減

17,977,000 トン。

未定 プロジェクト・コ

ンセプト・ノート

準備中。

(注)プロジェクト・アイデア・ノート、プロジェクト・コンセプト・ノート、プロジェクト・デザイン・ドキュメントは、世銀のプロトタイプ炭素基金による事業計

画策定レベルであるが、ここでは事業計画の成熟状況を示すため、それらと同等レベルのものとして記述した。

(出所)環境・住宅・地方開発省が作成した資料(Colombian Portfolio of Projects of the Reduction DNA Capture of GHG Emissions)や Web Site で公表している資

料を基に作成。

- 28 -

Page 29: コロンビアにおける クリーン開発メカニズ …...Oportunidades en Rellenos Sanitarios y Sistemas de Tratamiento de Aguas Residuales )開 催(環境省、CAF、World

- 29 -

6.コロンビアにおける CDM 関連資料、情報収集源、問い合わせ先

6.1. コロンビアの CDM に関する資料

CDM 推進のためのコロンビア国家戦略調査(Estudio de Estratégia Nacional para la Implementación del

MDL en Colombia)

(環境省:http://www.minambiente.gov.co/plantilla1.asp?pub_id=328&cat_id=717&pag_id=1373)

気候変動に関する国際連合枠組条約国別調査コロンビア(Primera Comunicación Nacional ante la

Convención Marco de las Naciones Unidas sobre el Cambio Climático)

(IDEAM:http://www.ideam.gov.co/)

2003 年 8 月 CONPES 文書第 3242 号

(環境省:http://www.minambiente.gov.co/plantilla1.asp?pub_id=328&cat_id=717&pag_id=1373)

CDM プロジェクト承認にかかる基準・手続き要領(Resolución 0453 de Abril de 2004)

(環境省:http://www.minambiente.gov.co/plantilla1.asp?pub_id=328&cat_id=717&pag_id=1373)

気候変動緩和にかかる業種横断技術委員会設置要領(Resolución 0454 de Abril de 2004)

(環境省:http://www.minambiente.gov.co/plantilla1.asp?pub_id=328&cat_id=717&pag_id=1373)

環境省及び全国環境行政システム設置法(Ley 99 de 1993)

(上院事務局:http://www.secretariasenado.gov.co/leyes/L0099_93.HTM)

気候変動に関する国際連合枠組条約の批准(Ley 164 de 1994)

(環境省:http://www.minambiente.gov.co/plantilla1.asp?pub_id=328&cat_id=717&pag_id=1373)

気候変動に関する国際連合枠組条約京都議定書の批准(Ley 629 de 2000)

(環境省:http://www.minambiente.gov.co/plantilla1.asp?pub_id=328&cat_id=717&pag_id=1373)

エネルギー利用合理化法(Ley 697 de 2001)

(上院事務局:http://www.secretariasenado.gov.co/leyes/L0697001.HTM)

CDM 促進インセンティブとして付加価値税(IVA)の免除(Ley 788 de 2002)

(上院事務局:http://www.secretariasenado.gov.co/leyes/L0788002.HTM)

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- 30 -

カナダとの協力協定(Memorándum de Entendimiento)

(環境省:http://www.minambiente.gov.co/plantilla1.asp?pub_id=328&cat_id=717&pag_id=1373)

オランダとの協力協定(Memorándum de Entendimiento para la Cooperación)

(環境省:http://www.minambiente.gov.co/plantilla1.asp?pub_id=328&cat_id=717&pag_id=1373)

フランスと協力協定(Acuerdo Bilateral de Cooperación)

(環境省:http://www.minambiente.gov.co/plantilla1.asp?pub_id=328&cat_id=717&pag_id=1373)

6.2. CDM に関する一般資料

京都メカニズム利用ガイド 第 5版 経済産業省

京都メカニズム専門家人材育成事業CDM/JI標準教材Version 1.0 経済産業省 平成 16年 3月

図説・京都メカニズム 第 2版 環境省地球環境局地球温暖化対策課

CDM/JI事業調査実施マニュアル(財)地球環境センター平成 16年 8月

CDM方法論ガイドブック 環境省、(財)地球環境センター、Climate Experts Ltd.

温暖化対策にむけたガイドラインに関する調査研究 (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構)

気候変動に関する国際連合枠組条約(和訳)(環境省)

気候変動に関する国際連合枠組条約京都議定書(公定訳) (全国地球温暖化防止活動推進センター

京都議定書における吸収源プロジェクトに関する国際的動向 (独)国立環境研究所

京都議定書目標達成計画 平成 17年 4月

6.3. CDM に関連する Web Site

官公庁・独立行政法人等 首相官邸 地球温暖化対策推進本部

経済産業省 地球環境対策

環境省 地球環境局

外務省 地球環境

農林水産省 循環型社会構築・地球温暖化対策推進本部

国際協力銀行(JBIC)

(独)日本貿易振興機構(JETRO)

(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

(独)国際協力機構(JICA)

(独)地球産業文化研究所(GISPRI)

(独)国立環境研究所

地球環境研究センター(SGER)

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- 31 -

(財)日本品質保証機構(JQA)

(財)日本環境協会(JEA)

全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)

京都メカニズム情報プラットフォーム

(財)地球環境戦略研究機関(IGES)

(財)地球環境センター(GEC)

(財)地球環境産業技術研究機構(RITE)

(財)日本エネルギー経済研究所(IEE JAPAN)

民間団体等 (社) 海外林業コンサルタント協会

(社) 日本産業機械工業会(JSIM)

GHGソリューションズ

みずほ情報総研

パシフィックコンサルタンツ

ポイントカーボン日本代理店

ナットソース・ジャパン

eco-webnwt.com

電源開発(J-Power)

MGM Intenational

Oak Ridge National Laboratory

Ecosecurities

Standard Bank Carbon Facility

2E Carbon Access

Moving towards Emissions Neutral Development (MEND)

Imperial College Centre for Energy Policy and Technology (ICCEPT)

CDMCapacity.org

International Institute for Environment and Development (IIED)

CDM watch

国際機関

United Nations Framework Convention on Climate Change (UNFCCC)

Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC)

United Nations Development Programme (UNDP)

World Bank

United Nations Environment Programme (UNEP)

Fondo Prototipo del Carbono (PCF)

Page 32: コロンビアにおける クリーン開発メカニズ …...Oportunidades en Rellenos Sanitarios y Sistemas de Tratamiento de Aguas Residuales )開 催(環境省、CAF、World

- 32 -

Community Development Carbon Fund (CDCF)

Bio Carbon Fund

Programa Latinoamericano del Carbono (PLAC)

Global Environment Facility (GEF)

IFC-Netherlands Carbon Facility

CERUPT

World Meteorlogical Organization (WMO)

World Wide Fund for Nature (WWF)

Pew Center on Global Climate Change

Asia Pacific Energy Reserch Center (APERC)

Global Energy Network Institute (GENI)

Interamerican Investment Corporation (IIC)

Interamerican Development Bank (IDB)

Centro Andino para la Economía en el Medio Ambiente (CAEMA)

排出権取引市場 International Emissions Trading Association (IETA)

European Energy Exchange (EEX)

UNCTAD – Carbon Market Programme

GHG Market Info

Emissions Marketing Association (EMA)

Point Carbon

Tenders Electronic Daily (TED)

Greenhouse Gas Emission Reduction Trading Pilot (GERT)

Global Carbon Trading Initiative

PrimaKlima

Page 33: コロンビアにおける クリーン開発メカニズ …...Oportunidades en Rellenos Sanitarios y Sistemas de Tratamiento de Aguas Residuales )開 催(環境省、CAF、World

- 33 -

7.コロンビアの CDM、気候変動問題に関する用語解説

【A】 Acuerdo de Bonn ボン合意

再開会合(ボン)において、COP4で採択されたブエノスアイレス行動計画に基づき、京都議定書を実施していくために必要な京都メカニズムや遵守制度など中核的要素に関する基本合意が採択された。

Acuerdo de Marrakesh マラケシュ・アコード 京都メカニズムを含む京都議定書運用ルールが規定された文書。COP7(2001年 11月)において採択された。

Adicionalidad Additionality 追加性 京都議定書におけるプロジェクト認証原則の一つ。排出源 CDMの場合では、プロジェクトがない場合に比べて排出量が減少しているかということ。シンク CDMの場合では、プロジェクトがない場合に比べて吸収量が増加しているかということを指す。

Agenda 21 Agenda 21 アジェンダ 21

21 世紀に向け持続可能な開発を実現するために各国及び各国際機関が実行すべき行動計画を具体的に規定するものとして 1992年 6月の地球サミットで採択。大気、水、廃棄物などの具体的な問題についてのプログラムとともに、この行動を実践する主要グループの役割強化、財源などの実施手段のあり

方が規定されている。 Actividades de Implementación Conjunta (AIC) AIJ (Activities Implemented Jointly) 共同実施活動 途上国を含めた世界全体の温室効果ガス排出量をできるだけ費用効果的に抑制していくために、各国

が有する技術、ノウハウ、資金等を適切に組み合わせて具体的な対策プロジェクトを進めていく手法。

結果として得られる排出削減量は、プロジェクト参加先進国の削減量にカウントしない。COP1 で、1990年代末までをパイロットフェーズ(試行的段階)とすることが決まっている。

Acuerdo de Compra de Reducción de Emisión Emission Reduction Purchase Agreement 温室効果ガス排出削減量購入協定 プロジェクトなどにより削減される温室効果ガスの購入に関する協定。

Ambito del Proyecto Project Boundary プロジェクト境界 プロジェクト実施事業者の管理が及ぶ地理的境界。

AND (Autoridad Nacional Designada) Designated National Authority (DNA) 指定国家機関

CDMプロジェクトに参加する締約国が、窓口として国家に作成する機関。 Año Base Base Year 基準年 温室効果ガスの削減数値目標に関して基準とする年のこと。京都議定書では基準年を原則的に 1990年としている。ただし、HFC類、PFC類、SF6については 1995年を基準年とすることができるとしている。

Aprobación Nacional 国家認定

CDMプロジェクトの DNA認定

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Autoridad Nacional Designada (AND) Designated National Authority (DNA) = 指定国家機関 CDM プロジェクトにおける担当政府機関。プロジェクトの承認などの役割を持つ。ペルーは、国家環境審議会(CONAM)がこれに当たる。

【B】 Bagazo Bagasse バガス

サトウキビの絞り粕(バガス)。これを燃料としてコジェネレーションを行う。 Biomasa Biomass バイオマス

エネルギー源として活用が可能な木製品廃材やし尿などの有機物のこと。再生可能エネルギーの一つ。

発酵させ発生するメタンガスを燃料として利用することもある。 Bunker C (Combustible Bunker) Bunker Fuel Oil バンカーオイル(バンカー重油) 国際航空及び外航海運のための燃料のことで、一般的には各種の重油を指す。バンカーオイルの燃焼

に伴う CO2排出量は、世界全体の温室効果ガス排出量の約 4%を占めるとの試算もある。しかし各国への割り当てが困難などの理由もあり、現時点では温室効果ガス削減の対象から除外されている。

【C】 CAF (Corporación Andino de Fomento) Cambio Climático Global Global Climate Change 地球気候変動 大気中の温室効果ガス(GEI = GHG = Greenhouse Gas)の濃度の増加によって引き起こされる地球の気候の変化。人間活動の全てが GHGの主要排出源と考えられている。

Cambio de Combustible Fuel Switch 燃料転換

二酸化炭素の排出量を削減するために、炭素分の少ない燃料に転換すること。一般的には、石炭、石

油から天然ガス、及び自然エネルギーなどの再生可能エネルギーなどに換えることを指す。例えば、

同一熱量を得るのに石炭を使用した際に発生する二酸化炭素の量を一単位と仮定すると、石油では 0.8、天然ガスでは 0.6の発生量となる。

Captura Sinks 吸収源(シンク) 大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスを吸収し、比較的長期間にわたり固定することのできる森林

や海洋などのこと。京都議定書では、先進締約国が温室効果ガス削減目標を達成する手段として、新

規植林、再植林、土地利用変化などの活動を考慮することが規定されている。 Carta de Comformidad Letter of Approval (LoA) 承認書 Certificación Certification 認証 指定運営機関が検証報告書を踏まえ、一定期間内に CDM事業が達成した排出削減量の発行を書面で要請すること。

CERUPT Certified Emission Reduction Unit Procurement Tender セラプト オランダ政府が 2001 年に開始した CDM 事業による RCE 獲得のためのスキームで、基本的な考え方は ERUPTと同じ。ERUPTは経済省が所管しているけれども、CERUPTは住宅・空間整備・環境省が担当している。

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CFC (Clorofluorocarbonos) Chlorofluorocarbons (CFCs) クロロフルオロカーボン 成層圏オゾン層破壊ガスであると共に GHG。モントリオール議定書(Montreal Protocol)制定以来、急速に HFCs(GWP=3,800以上)にとって代わられつつある。溶剤、冷媒剤、エアゾールスプレー用高圧ガス、発泡包装材などに用いられる。モントリオール議定書の規制対象物質であるため、気候変

動枠組条約・京都議定書では対象とはしていない。 CH4 (Metano) Methane メタン 水田稲作、家畜、有機物分解過程(埋立地など)、化石燃料の生産などから発生する温室効果ガス。

メタンの地球温暖化係数(GWP)は 21である。 CO2 (Dióxido de Carbono) Carbon Dioxide 二酸化炭素 最も主要な温室効果ガスであり、化石燃料の燃焼、森林減少や土地利用の変化、セメントの製造等か

ら排出される。 Cogeneración Cogeneration コジェネレーション 発電に際し、電力に併せ同時に得られる熱も有効利用する方式。コジェネレーションにより、熱効率

が改善し、二酸化炭素の排出削減につながる。 Combustibles Fósiles fossil fuel 化石燃料 昔の動植物が長い年月の間に化学変化して燃料になった石炭、石油、天然ガスなどのエネルギー源。

燃焼により二酸化炭素を発生し、地球温暖化の主要な原因物質。 Comercio de los Derechos de Emisión Emissions Trading (ET) 排出権取引 京都議定書の第 17条に基づく柔軟措置の一つ。議定書第 3条の削減約束を達成するに当たり、先進国(附属書Ⅰ国)間で温室効果ガスの排出枠の一部を取得・移転できる制度。取得・移転できるクレジ

ットには初期割当量(AAU)や JI、CDMを通じて獲得した ERU、CER、tCER、lCERがある。 Comisión Nacional de Cambio Climático (CNCC) 国家気候変動委員会 Conferencia de las Partes (CP) Conference of the Parties (COP) 締約国会議

UNFCCC締約国の最高議決機関。1995年より年に 1回開催される。 Conferencia de las Naciones Unidas sobre Medio Ambiente y Desarrollo UNCED (United Nations Conference on Environment and Development) 環境と開発に関する国連会議(地球サミット) 環境保全と持続可能な開発をテーマに、1992 年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連の会議。リオ宣言、アジェンダ 21などが採択された。地球サミットとも呼ばれる。

Convención Marco de Naciones Unidos sobre Cambio Climático United Nations Framework Convention on Climate Change (UNFCCC) 気候変動に関する国際連合枠組条約(気候変動枠組条約)

http://unfccc.int大気中の温室効果ガスの濃度の安定化を究極的な目的とし、地球温暖化がもたらすさまざまな悪影響を

防止するための国際的な枠組みを定めた条約。1994年 3月発効。温室効果ガスの排出・吸収の目録、温暖化対策の国別計画の策定等を締約国の義務とし、さらに先進締約国には、温室効果ガスの排出量を

2000 年に 1990 年レベルに戻すことを目的として政策措置をとることなどの追加的な義務を課している。

Corporación Andino de Fomento (CAF) アンデス開発公社

http://www.caf.com/アンデス地域の統合促進と域内各国の合理的な分業化及び投資の公正な配分を目的として、1970 年 6月開業。カラカス(ベネズエラ)に本部を置き、開発銀行、投資銀行、商業銀行、及び経済・金融振

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興機関の役割を担う。 Corporación Financiera Internacional International Finance Corporation (IFC) 国際金融公社

http://www.ifc.org/ 世界銀行グループの一機関として 1956年 7月に設立。途上国の民間セクターの活動を支援することにより、途上国の経済開発を促進することを目的としている。IFCは民間セクターの事業を支援の対象とし(政府による保証も必要としない)、現在では途上国の民間のセクター・プロジェクトへの最大の資

金供給機関となっている。 Compuestos Orgánicos Volátiles (COV) Volatile Organic Compounds (VOCs) 揮発性有機化合物

WHO(世界保健機関)が室内空気汚染源となる可能性のある有機化合物について沸点別に行った分類によれば、沸点範囲が 50-100~240-260℃の有機化合物。トルエンやキシレン、ベンゼン、スチレンなどの炭化水素などである。常温では液体であるが揮発しやすく、呼吸によって肺から取り込まれ血

液中に吸収されやすいため、高濃度の場合、頭痛、眩暈、嘔吐などの健康影響が現れる場合がある。 Crédito Credit クレジット 排出削減プロジェクトに対し管理機関から与えられる追加単位で、排出量削減が行われていない排出

源に排出量削減投資を行うことによって得られる。クレジットの量は一般的に、その投資が無かった

場合にその排出源から発生していたと思われるベースライン(Baseline)の推定排出量に照らした排出削減量である。京都議定書では JIの ERUsと CDMの CERsなどがこれに当たる。

【D】 Deforestación Deforestation 森林減少

現在森林である土地を他の用途に転用すること。IPCCの現在のガイドラインでは、森林を劣化させたり伐採する場合でも、他の用途に転用しなければ森林減少とは見なされない。

Desarrollo Sostenible Sustainable Development 持続可能な開発

1987年に国連の「環境と開発に関する世界委員会」のブルントラント委員長が報告書の中で用いたことから有名になった概念。開発とは「将来において彼等自身のニーズを充たすための能力を損なう事

無く、現在のニーズを充たすような開発」を意味する。使用者によって意図するものが微妙に違う場

合があるが、意味を曖昧にしておくことで、より多くの意味をこの表現の中に含めることが可能。 Documento Diseño de Proyecto Project Design Documents (PDD) プロジェクト設計書

プロジェクト申請者が作成する、プロジェクトの概要をまとめた申請様式。ベースライン・モニタリ

ング方法論、環境影響分析評価などの記載が求められる。 【E】 Efecto Invernadero Greenhouse Effect 温室効果 地球をとりまく大気が太陽から受ける熱を保持し、一定の温度を保つ仕組みのこと。二酸化炭素などの

大気中の気体(温室効果ガス)が温室効果をもたらす。 Entidad Operacional Designada (EOD) Designated Operation Entity (DOE) 指定運営機関

CDM 理事会からの信任に基づき、COP/MOP の指定を受け、CDM プロジェクトが議定書12条や関連ガイドラインの要件を満たしているかの内容をチェックし、当該プロジェクトに伴う追加的排出削

減量の認証作業を行う法人ないし国際機関。

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ERUPT (Emission Reduction Unit Procurement Tender) エラプト オランダ政府が 2000年に開始した共同実施(JI)による排出削減クレジットの獲得スキーム。政府はJI実施国との事業実施に関する覚書を交わすと共に、世界中の企業による入札によって最も安価な(或いは適当な)プロジェクトを選択、応札価格を企業に支払って当該事業より発生する ERUを獲得すると言うもの。ERUPTは経済省が所管しており、CERUPTは住宅・空間整備・環境省が担当している。

Evaluación de Impacto Ambiental Environment Impact Assesment 環境影響評価 道路やダム事業など、環境に著しい影響を及ぼす恐れのある行為について、事前に環境への影響を十分

調査、予測、評価して、その結果を公表することで、地域住民等の関係者の意見を取り入れながら、環

境配慮を行う手続を総称して環境アセスメントまたは環境影響評価と呼ぶ。 【F】 Fenómeno de El Niño エル・ニーニョ現象

太平洋東部赤道域の海水表層部の水温が平均値より異常に高くなる現象で、ペルーをはじめとする南

アメリカの太平洋沿岸諸国や熱帯地域のアジア太平洋諸国に異常気象をもたらし、同地域の漁獲にも

大きな影響を与える。 Fijación de CO2 CO2 fixing 二酸化炭素の固定

二酸化炭素の固定には、まず二酸化炭素を排ガスの中から分離・回収し、深海や地中などに貯蔵する方

法、化学的に変換して再利用する方法、植物の光合成を利用する方法がある。化学的に変換する方法

としては、水素と反応させてメタノール、メタンなどを生成する方法や、太陽光と水を使って人工光

合成を行う方法などがあるが、まだ実用化するには多くの問題がある。 Fondo especial para el cambio climático Special Climate Change Fund 気候変動特別基金

気候変動枠組条約に基づき、途上国の援助を主目的として設置される基金。2001年 7月ボンで開催された COP6 の再開会合において正式に設置が決定された。この気候変動特別基金の既存メカニズムとの関係は「補完的」という以外は定められておらず、その資金の大きさを含め、その運営方法に関す

る検討はこれからの課題である。 Fondo para el Medio Ambiente Mundial Global Environment Facility (GEF) 地球環境ファシリティ

http://www.gefweb.org/開発途上国における地球温暖化、生物の多様性の減少、国際水域環境悪化、オゾン層破壊の問題等へ

の取組を促進するための主要な資金メカニズムの一つとして世界銀行、国連開発計画(UNDP)及び国連環境計画(UNEP)の協力により 1991年に発足。

Fondo Prototipo del Carbono Prototype Carbon Fund (PCF) プロトタイプ炭素基金 http://prototypecarbonfund.org世界銀行によって 1999年に設立された世界初の CDMに関する市場創設のための基金スキーム。FPCは政府・民間による基金(約 1億 4,500万米㌦)を活用して CDMによる GHG排出削減プロジェクトを支援し、独自の審査・認証スキームによって創出された削減クレジットを出資者に対して配当する形

態をとっている。 Forestación Afforestation 植林

もともと森林でなかった土地を緑林して森林に変えること。あるいは新規に植林する活動。 Forestación, Reforestación y Deforestación Afforestation, Reforestation, and Deforestation = (ARD) 植林・再植林・森林減少 京都議定書第 3条第 3項では、第 1約束期間(2008~2012年)の GHG排出量削減目標達成に利用可能な「吸収源(Sink)」として、1990 年以降に行われた直接的かつ人為的な活動(植林・再植林・森林

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減少)のみを認めている。この 3 つを総称して「ARD」と呼ぶことがある。吸収源活動として「その他」の活動部分は第 3 条第 4 項で取扱われており、ボン合意においてその範囲が規定された。もっとも森林の定義などは一定の幅の中で各国に裁量が任されている。

Fuga Leakage リーケージ プロジェクト境界の外で生ずる温室効果ガスの排出源であって、計測可能であり、かつプロジェクトと

の因果関係があるもの。 【G】 Gas de Efecto Invernadero (GEI) Greenhouse Gas (GHG) 温室効果ガス 大気を構成する気体であって、赤外線を吸収し再放出する気体。京都議定書では、二酸化炭素(CO2)、

メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFCs)、パーフルオロカーボン(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF6)の 6物質が温室効果ガスとして削減対象となっている。

【H】 Hexafluoruro de Azufre Sulfur Hexafluoride(SF6) 六フッ化硫黄

1960年代から電気および電子機器の分野で絶縁材などとして広く使用されている化学物質で、人工的な温室効果ガス。使用料はそれほど多くないが、近年新たな用途開発の進展に伴い需要量が増加して

いる。100年間の GWPは、二酸化炭素の 23,900倍。HFCs、PFCsと共に、京都議定書で削減対象の温室効果ガスの一つに指定された。

HFC (Hidrofluorocarbonos) Hydrofluorocarbons (HFCs) ハイドロフルオロカーボン類

オゾン層を破壊しないことから、CFCsや HCFCsの規制に対応した代替物質として 1991年頃から使用され始めた化学物質で、近年、その使用が大幅に増加している。HFCsは自然界には存在しない温室効果ガスで、100年間の GWPは、二酸化炭素の数百~11,700倍と大きい。1997年に採択された京都議定書には削減対象の温室効果ガスの一つに加えられた。

【I】 Implementación Conjunta (IC) Joint Implementation (JI) 共同実施

京都議定書の柔軟措置の一つ。附属書Ⅰ国間で省エネプロジェクト等を共同で実施し、当該プロジェ

クトから得られる温室効果ガスの追加的削減量の全部又は一部をクレジットとして当事者間の合意に

基づき移転する仕組み。 Interesados Stakeholders ステークホルダー(利害関係者)

CDM プロジェクトによって影響を受ける、もしくは受ける可能性のある個人、グループ、共同体などの一般人。指定運営機関に提出するプロジェクト設計書の中で、CDM 実施事業者は、地元利害関係者からのコメントを受付け、コメントに対していかなる対応をしたかを盛り込む必要がある。

Inventario Inventory 温室効果ガス排出・吸収目録 気候変動枠組条約に基づき、各締約国が条約事務局へ定期的に提出する国別報告書などに記載される温

室効果ガスの排出量および吸収量の実績値。温暖化対策の検討や数値目標遵守の判断のための基礎とな

る。

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【J】 Junta Ejecutiva del MDL (JE MDL) CDM Executive Board CDM理事会

COP/MOP の下で CDM 事業を実質的に管理・監督する組織。CDM 事業の手続に関する規約を

COP/MOPに提言すること、ベースライン、モニタリング、プロジェクト境界に関する方法やガイドラインの承認、小規模プロジェクトの定義や当該プロジェクトに係る簡易な手続に関する規定のレビュ

ー、運営組織の指定について、その基準やレビューとともに COP/MOP への提示、運営組織の信任に係る事務などがその主な任務。

【L】 Línea de Base (Línea de Referencia) Baseline ベースライン 当該 CDMプロジェクトが存在しなかった場合に、生じていたであろう温室効果ガスの排出(あるいは吸収)状況の予想。ベースラインとプロジェクトの実施による実際の温室効果ガス排出量(又は吸収

量)との差分が、クレジットとして発行されることになる。ベースラインは、CDM理事会で承認した方法論を用いることが求められる。

【M】 Manejo de Pastos Grazing Land Management 放牧地管理 京都議定書における LULUCF活動(土地利用・土地利用変化・及び林業)の中の 1つ。放牧地の管理をGHGの吸収源と認めたもの。京都議定書の第 3条 4項の内容に関連する。

Manejo de Suelo Cropland Management 耕地管理 京都議定書における LULUCF 活動(土地利用・土地利用変化・及び林業)の中の 1 つ。耕地の管理をGHGの吸収源と認めたもの。京都議定書の第 3条 4項の内容に関連する。

Manejo Forestal Forest Management 森林管理

京都議定書におけるLULUCF活動(土地利用・土地利用変化・及び林業)の中の 1つ。「森林管理」とは、維持・管理されている人工林・自然林で、人間がその森林の成長を促進するために手を加えた分、

または自然に成長した分も含めて全て「CO2の吸収に貢献した」とみなすと言う考え方。京都議定書第

3条第 4項の内容に関連する。 MDL de menor escala SSC (Small Scale CDM) 小規模 CDM

CDM事業の中で、以下の 3つの分類のいずれかに相当する事業のこと。太陽光、風力などの再生可能エネルギーで発電規模が 15MW以下の事業、効果が年間 15GWの省エネ事業、炭坑からのメタン回収など CO2排出削減量が年間 15,000トン以下のその他の事業。

Mecanismo de Desarrollo Limpio (MDL) Clean Development Mechanism (CDM) クリーン開発メカニズム 非附属書Ⅰ国(途上国)において附属書Ⅰ国が省エネプロジェクト等を実施し、当該プロジェクトか

ら得られる温室効果ガスの追加的削減量を第三者機関が認証してクレジットを発行し、その全部又は

一部を当事者間の合意によって、附属書Ⅰ国に移転する仕組み。 Mecanismo de Kioto Kyoto mechanisms 京都メカニズム 京都議定書の削減目標を達成するために認められた柔軟性措置。市場メカニズムを用いた費用対効果の

高い排出削減に向けた地球規模の取組を可能にする制度。 議定書第 6条に基づく共同実施、議定書 12条に基づくクリーン開発制度、議定書 17条に基づく排出量取引の 3つがある。

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Monitoreo Monitaring モニタリング プロジェクトの実施に伴う実際の排出量(あるいは吸収量)を計測・評価すること。ベースライン排

出量(又は吸収量)とモニタリングを通じて計測された実際の排出量との差分が CERの発行につながる。モニタリング計画は、ベースラインと同様、CDM理事会で承認した方法論を用いることが求められる。

Monto Asignado Assigned Amount 割当量

各附属書Ⅰ国が、その約束期間中に排出することを許された温室効果ガスの量のこと。約束期間開始

時点において許容されている排出量(いわゆる「初期割当量」)を指し、約束期間開始後に京都メカ

ニズムの利用等によって増減する分は含まれない。

【N】 N2O (Oxido Notroso) Nitrous Oxide 亜酸化窒素(同義語:一酸化二窒素) 主として肥料、化石燃料の燃焼、農地改変から排出される温室効果ガスの一種。地球温暖化係数(GWP)は 210。

Nota Concepto del Proyecto Project Concept Note (PCN) プロジェクト・コンセプト・ノート

特定のプロジェクトのリスクと不確実性を説明した文書。 Nota Idea del Proyecto Project Idea Note (PIN) プロジェクト・アイデア・ノート

【O】 Off Set オフセット

二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を回避・分離・封鎖する、あるいは置き換えること。 Organización Meteorológica Mundial (OMM) WMO (World Meteorological Organization) 世界気象機関 気象業務の運営につき国際的に協力するため、1950 年に設立。本部はジュネーブ。加盟国間の気象情報の交換にとどまらず、国際的な研究計画である「世界気候計画」を進めている。また、UNEPとともに、IPCCを共催している。

Óxido Nitroso Nitrous Oxide 亜酸化窒素(同義語:一酸化二窒素)

主として肥料、化石燃料の燃焼、農地改変から排出される GHG の一種。地球温暖化係数(GWP)は210。

Óxido de Azufre Sulfur Oxides (Sox) 硫黄酸化物 二酸化硫黄(SO2)など、化石燃料の燃焼に際し、燃焼中の硫黄分が酸化されて発生する物質。大気汚染物質の代表で酸性雨の原因にもなっている。硫黄酸化物は GHGではないが、上空で温室効果に影響を及ぼすため、各締約国にはその排出量について COPへの通報義務がある。

【P】 País Anfitrión Host Party ホスト国 プロジェクトが実際に行われる附属書Ⅰ国。

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Partes del I Annex I Parties 附属書Ⅰ締約国 UNFCCCの附属書Ⅰに列挙されている国であり、京都議定書附属書 Bに掲げられた排出削減に関する数量目標を有している。いわゆる先進国、旧ソ連・東欧等の移行経済諸国がこれに該当。なお、附属

書Ⅰ国であるが、附属書Bに該当する数値目標を有していない国も少数ではあるが存在する。 Partes del II Annex II Parties 附属書Ⅱ締約国

UNFCCCの附属書Ⅱに記載されている国々(採択当時の OECD加盟国 24カ国+EU)のこと。基本的には附属書Ⅰ締約国から「市場経済移行国」を除いた国々と考えられている。これらの国々は条約の

目的を達成するために途上国に対して資金や技術面で支援する特別な義務がある。 Partes del Anexo B Annex B Parties 附属書 B国(附属書 B締約国=Annex B Parties) 京都議定書において自国の GHGの排出量削減目標(数値目標)に同意した国々。OECD加盟国、中央・東ヨーロッパの経済移行国、そしてロシア連邦、ウクライナ、旧バルト三国。附属書 B 国には自国の排出量削減目標達成のために“排出権取引”を行うことが補完的に認められている。

Parte Party 締約国 いわゆる発展途上国であり、排出削減に関する数値目標を有していない国をいう。

Países No Incluidas en Anexo I Non Annex I Parties 非附属書I締約国

UNFCCC の附属書に記載されない国(途上国)のこと。これらの国は 2000 年までの削減努力や報告義務が免除されている。

Panel Intergubernamental en Cambio Climátic Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) 気候変動に関する政府間パネル

1988年に、国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)の共催により設置された。世界の第一線の専門家が、地球温暖化について科学的な評価を行っている。2001年には、地球温暖化に関する最新の科学的知見をとりまとめた「IPCC第3次評価報告書」が公表されている

Participantes en el Proyecto Project Participants プロジェクト参加者 プロジェクトに何らかの形で参加する者。(現地工場運営者、投資家、技術サプライヤー、ファイナン

ス機関等) Período de Acreditación Crediting Period クレジット期間

CDM プロジェクトから CER を生み出すことができる期間。プロジェクト設計書の中で、プロジェクト実施事業者は以下の 2つのアプローチから選択をすることになる。 排出源 CDMの場合は、①最大 7年で、最多 2回まで更新可能(計 21年)。但し、更新に当たっては、指定運営組織がベースラインの有効性もしくは新たなベースラインの使用につき判断を行い、CDM 理事会に対して通知することが必要。②最大 10年、更新なし。 シンク CDMの場合は、①最大 20年で、最多 2回まで更新可能(計 60年)。但し、更新に当たっては、指定運営組織がベースラインの有効性もしくは新たなベースラインの使用につき判断を行い、CDM 理事会に対して通知することが必要。②最大 30年、更新なし。

Período de Compromiso Commitment Period 約束期間 温室効果ガスの削減目標を達成しなければいけないと定められた期間。京都議定書では最初の約束期間

を 2008年から 2012年の 5年間としている。 Permisos de Emisión Allowance 排出枠

排出権取引で取引される排出可能量の単位。一般に米国SO2プログラムの例に倣い、Cap and Trade 型の排出権取引制度の排出権(排出枠)を指すことが多い。

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PFCs (Perfluorocarbonos) Perfluorocarbons パーフルオロカーボン類 1980年代から、半導体のエッチングガスとして使用されている化学物質で、人工的温室効果ガス。HFCsほどの使用量には達しないものの、CFCsの規制とともに、最近、使用料が急増している。100年間のGWPは、二酸化炭素の 6500~9200倍。京都議定書で削減対象の温室効果ガスの一つとされた。

Potencial del Calentamiento Global Global Warming Potential (GWP) 地球温暖化係数 二酸化炭素やメタンなどの地球温暖化に与える影響が違う要素を 1つに統一して表すための指標。CO2

換算係数として用いられる。 Programa de las Naciones Unidas para el Medio Ambiente United Nations Environment Program (UNEP) 国連環境計画

1972年に国連人間環境会議での成果を受けて設立。本部はナイロビ。国連諸機関の環境関連活動の総合的な調整を図ることなどが任務。地球温暖化対策の立案にも意欲的に取り組む。UNDP、世界銀行とともに GEFを管理するほか、WMOとともに IPCCを共催している。

PROINVERSION (Agencia de Promoción de Inversión Privada) 投資促進庁 Protocolo de Kioto Kyoto Protocol (KP) 京都議定書

1997年 12月に採択された気候変動枠組条約(UNFCCC)に基づく議定書。6種類の GHGについて、先進国および市場経済移行国(附属書I国)に対し、1990年比で国別の削減目標を課した。日本は 2002年 6月に批准。2008年から 2012年の第 1約束期間が始まる。米国は、2001年 3月に議定書からの離脱を宣言したが、2004 年 11 月のロシア批准により、締約国の排出量が世界の 55 パーセントに達し、2005年 2月 16日に発効した。

【R】 RCE temporal (RCEt) Temporary CERs (T-CERs) シンク CDMを通じて発効された短期の期限付きクレジット。発行した約束期間のみ目標達成に使える。クレジットを発行した約束期間の、次の約束期間末まで有効。炭素蓄積の変化に応じてクレジットを 5年毎に再発行する。

Reducciones Certificadas de las Emisiones (RCE) Certified Emission Reductions (CERs) 認証排出削減量

発展途上国における CDMプロジェクトより生まれる削減量によって取得され、附属書I国の割当量に加える(プロンク提案)ことが可能とされるクレジット。

Reducciones Verificadas de Emisión Verified Emissions Reduction (VER) 認証排出量削減 京都議定書で規定された、途上国への地球温暖化対策のための技術援助であるクリーン開発メカニズ

ム(CDM))により排出削減がなされた温室効果ガスの一定量を援助国の排出削減とみなして認証された量のこと。認証は第三者の認証機関が行うことになる。

Reforestación Reforestation 再植林

かつて森林だったけれども一定期間他の用途に使われていた土地(或いは森林でなかった土地)を、

植林して再度森林に変えること。IPCCと FAO(国連食糧農業機関)の定義が異なり、現在検討が行われている。

Registro Registration 登録

CDM理事会がプロジェクトをCDMプロジェクトとして公式に受け入れることであり、その後の検証、

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認証、CERの発行といった一連のプロセスの前提条件となる。 Registro Nacional National Registry 国別登録簿 クレジットの発行、保有、移転、取得、取消、償却を正確に算定するための電子的なデータベース。各

附属書Ⅰ国に作成、維持することが義務づけられている。 Reparto Modal Modal Shift モーダルシフト 旅客や貨物のトラック輸送を貨車や船舶輸送に切り替えることにより、二酸化炭素の排出削減を図る方

式。 Residuo Sólido Urbano Municipal Solid Waste 一般廃棄物 日本の基準では、廃棄物処理法(1970)の対象となる廃棄物のうち、産業廃棄物以外のものを一般廃棄物と定義、一般家庭から排出されるいわゆる家庭ごみ(生活系廃棄物)の他、事業所などから排出さ

れる産業廃棄物以外の不要物も事業系一般廃棄物として含まれる。また、し尿や家庭雑排水などの液状

廃棄物も含まれる。しかし「都市固形廃棄物」であり、定義はややあいまいである。 Revegetalización Revegetation 植生再生

地域の生活環境や国土の自然環境整備に資する目的で植物を植栽、植樹、または植林して緑の創出、

回復を図ること。 RP (Reunión de las Partes) Meeting of the Parties (MOP) 京都議定書の締約国会合

京都議定書締約国の最高議決機関。議定書の発行に伴い、COPと同時開催されるため、通常 CP / RP、COP / MOPと表記される。

【S】 Fondo especial para el cambio climático Special Climate Change Fund 気候変動特別基金

気候変動枠組条約に基づき、途上国の援助を主目的として設置される基金。2001年 7月ボンで開催された COP6 の再開会合において正式に設置が決定された。この気候変動特別基金の既存メカニズムとの関係は「補完的」という以外は定められておらず、その資金の大きさを含め、その運営方法に関す

る検討はこれからの課題である。 Suplementalidad, Suplemental Supplementality, Supplemental 補完性・補足性

京都議定書で各国に課せられた削減目標の達成においては、国内での削減が主であり、排出量取引、

共同実施は「補完的」でなければならないと定められている。しかし、CDMでは一部補完的というあいまいな表現になっている。

【U】 Unidades de Absorción (UDA) Removal Unit (RMU) 京都議定書第 3 条第 3 項、第 4 項(植林、再植林)に基づく吸収源活動による附属書Ⅰ国のネットの吸収量。京都議定書第 8条の専門家チームのレビューで認められたものに相当するクレジットを、当該附属書Ⅰ国が国別登録簿内に発行。

Unidades de Reducción de las Emisiones (URE) Emission Reduction Unit (ERU) 共同実施を通じて発行されたクレジット

Unidad de Monto Asignado Assigned Amount Unit (AAU) 初期割当量 基準年及び削減目標に基づいて計算された附属書Ⅰ国の初期割当量(日本の場合、基準年排出量の 94%×5)。第1約束期間前に、当該附属書Ⅰ国が国別登録簿内に発行。

Page 44: コロンビアにおける クリーン開発メカニズ …...Oportunidades en Rellenos Sanitarios y Sistemas de Tratamiento de Aguas Residuales )開 催(環境省、CAF、World

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Uso de Suelo, Cambio de uso de suelo y Silvicultura Land-Use, Land-Use Change and Forestry (LULUCF) = 土地利用、土地利用の変化、及び林業 植林や森林の管理・保全、土壌の保全など二酸化炭素を吸収(或いは排出)する可能性のある活動のこ

と。この活動と二酸化炭素の排出との関係については未だ不確実性が高く、IPCCでも検討が継続的に行われている。京都議定書では第 3条 3項で、この活動のうち 1990年以降の直接的且つ人為的な「植林・再植林・森林減少(ARD活動)」のみを二酸化炭素の吸収源(sink=シンク)(または発生源)として算入することを決定した。

【V】 Validación Validation 有効化審査(バリデーション)

指定運営機関が、CDM 事業者の提出するプロジェクト設計書の内容に基づき、CDM に係る各種要件に照らして、当該プロジェクトを事前に審査するプロセス。

Verificación Verification 検証 指定運営組織が、プロジェクト実施事業者のモニタリング報告を踏まえ、定期的に行う独立のレビュー

であり、CDM事業による排出量削減を事後的に決定し、CER発行の基礎となるプロセス。 【W】 Fondo Mundial para la Naturaleza Word Wide Fund for Nature(WWWF) 世界自然保護基金

1961 年に設立された世界最大の民間自然保護団体で、約 450 万人と約 10,000 社・団体からの会費・寄付金で賄われており、スイスにあるWWFインターナショナルを中心に 90カ国以上の国々で自然保護活動を展開している。具体的には、絶滅の危機にある動植物の保護や、地球全体の生物多様性を守る

ために選定された最も重要な地域の保全、森林や海洋の持続可能な開発の推進、地球規模の環境問題

である温暖化や化学物質による汚染を食い止める活動を行う。

以 上