オペレーションマニュアル - Native...

31
オペレーションマニュアル

Transcript of オペレーションマニュアル - Native...

Page 1: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

オペレーションマニュアル

Page 2: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内容についてNATIVE iNSTRUMENTS GmbHが責任を負うと表明するものではありません。このマニュアルに述べるソフトウェアの使用にあたっては、利用許諾契約を結ぶ必要があります。ソフトウェアを他の媒体に複製することはできません。このマニュアルの一部または全部をコピー、転載し、または伝送、録音、録画するためには、目的のいかんを問わず、NATIVE INSTRUMENTS GmbHから事前に書面による許可を得る必要があります。このマニュアルに記載した製品名や会社名は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。

オペレーションマニュアルの執筆者: Daniel Santucci, Markus Krieg, Lorenz Heine, and Felix Pink。Manual version: 1.0 (08/2008)Native InstrumentsはL. Bösendorfer Klavierfabrik, C. Bechstein Pianofortefabrik, and Steingraeber & Söhne社の協力に対しに感謝します。

© NATIVE INSTRUMENTS GmbH, 2005-2008. All rights reserved.AKOUSTIK PIANOはNATIVE INSTRUMENTS GmbH の商標です。

Germany USANATIVE INSTRUMENTS GmbH NATIVE INSTRUMENTS North America, Inc.

Schlesische Str. 28-30 5631 A Hollywood Boulevard

D-10997 Berlin Los Angeles, CA 90028

Germany USA

[email protected] [email protected]

www.native-instruments.de www.native-instruments.com

Page 3: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

L. Bösendorfer Klavierfabrik GmbH のロゴ及び名称はBösendorfer Klavierfabrik GmbH, Vienna. の商標です。

C. Bechstein Pianofortefabrik AG のロゴ及び名称はC. Bechstein Pianofortefabrik AG. の商標です。

Steingraeber & Söhne KGのロゴ及び名称はSteingraeber & Söhne KG.の商標です。

Steinway™ は Steinway Musical Instruments, Inc.の登録商標です。

Page 4: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – �

AKOUSTIK PIANOの世界にようこそ

AKOUSUTIK PIANOをお買いあげ頂きありがとうございます。私たちが皆様の創造的な要求を満たすことが出来るすばらしいソフトウェアを構築し続けることは皆様のためにあると考えています。AKOUSUTIK PIANOは今までにないオリジナルの要素を再現出来る新しい基準となるサウンドクオリティーを持ったソフトウェアです。そのサウンドは詳細にわたりここのピアノのキャラクタを再現し暖かく透明で、柔軟なサウンドを醸しだし、さらに必要に応じて調整を行うことが出来ます。AKOUSUTIK PIANOは、完成されたKONTAKTエンジンの上に構築されたサンプリング技術を利用しています。各キーは様々なベロシティーによりサンプリングされ、さらにサステイン、リリース時の位相の変化にまで注意が配られています。また新しいモーフィング技術は継ぎ目のない滑らかなサウンドを実現します。ペダルや鍵盤の操作時に発生する微妙な動産に至ってもサンプリングされ、さらにペダル使用時の特有の反響音までも調節することが出来ます。AKOUSTIK PIANOは、非常に高品位なコンボリューションモジュールを搭載しさらに現実的な空間の特徴の再現が可能です。大きくはスタジオ、ジャズクラブ、コンサートホール、大聖堂、ドライサウンドを選択することが出来ます。そしてこれらのスペースのパラメータは事由に調整することが可能です。これらの世界的な一流のピアノは少数の特権階級のみの楽しみでした。AKOUSTIK PIANOは、それらの楽しみを全ての皆様にお届けすることが出来る製品です。私たちは心から皆様がAKOUSTIK PIANOを楽しんで頂けることを望んでいます。

NATIVE INSTRUMENTS開発チーム

Page 5: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – �

AKOUSTIK PIANOのアーキテクチャAKOUSTIK PIANO では、パラメーター設定などのために次の操作を行います。

ノブ・ ノブ上をマウスでつかんで上にドラッグすれば右回り、下にドラッグすれ

ば左回りになります。・ ノブによっては、Shift キーを押しながら操作すると微調整できるように

なっています。・ Ctrl キー (Windows)/Command キー (Mac) を押しながらクリックすると、

初期設定値に戻ります。

ボタン押すごとにオン / オフが交互に切り替わります。オン / オフによって背景色が次のように変わります。

・ トラックへの録音時は赤く点灯し再生時には緑に点灯します。

ドロップ・ダウン・メニュー外見はボタンに似ていますが、下向きの小さな矢印がついています。ここをクリックすると、選択肢を列挙したメニューが表示されます。マウス・カーソルをいずれかのメニュー項目上に持っていってクリックすると、該当する処理の実行後、自動的にメニューが閉じます。

クリック・メニュー一般的なプログラムと同様にメニューを選択することが出来ます。1つ前の設定を選択するには、上の矢印を、次の設定を選択するには下の矢印をクリックして下さい。

Page 6: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – �

数値設定欄パラメーターの値が表示されており、次のいずれかの方法で変更できます。

・ 数字上をクリックし、マウス・ボタンを押したまま上下にドラッグすると、それに応じて値が増減します。最も手早い方法です。

・ 数字上をクリックすると上下の矢印が現れます。これをクリックすると、1単位ずつ値が増減します。

・ 数字上をダブル・クリックし、値を直接入力しても構いません。

プリセットの保存と読み込みAKOUSTIK PIANO で作成した美しいプリセットは、保存しておけばいつでもまた読み込んで利用できます。プリセットファイルには拡張子として「.nki」、がついています。保存場所は、AKOUSTIK PIANO のインストール先フォルダーの下、

「Presets」フォルダー内です。

プリセットの読み込みAKOUSTIK PIANO のモジュールがプリセットを読み込み / 保存できる場合、下向き矢印のついた Preset ボタンがついています。このボタンを押して、ドロップ・ダウン・メニューから読み込みたいプリセットを選択してください。

プリセットの保存同じPresetボタンを押し、メニュー末尾にあるSave Presetを選択してください。ダイアログ・ボックスが開くので、名前を指定して保存します。保存先フォルターは、保存対象に応じて自動的に適切に設定されます。特に必要がない限り、この保存先を変更しないようにしてください。

Page 7: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – �

AKOUSTIK PIANOについて

直観的なインターフェイスに格納されたAKOUSTIK PIANOは、現存する中で最も格調が高く、名声を博している3台のグランドピアノー Steinway™ D(スタインウェイ D)、Bechstein™ D(ベヒシュタイン D)、Boesendorfer™ Imperial(ベーゼンドルファー インペリアル)を精巧にサンプリングし統合しており、加えて、極めてカリスマ性の高い、ビンテージ版のアップライトピアノであるSteingraeber™ 130(シュタイングレーバー 130)含めた4台のピアノから構成されています。

Bosendorfer™  ベーゼンドルファー ヴィエナ(ウィーン)クラシック

Model: 290 インペリアルグランド

1828年�月2�日、Ignaz Boesendorfer(イグナツ・ベーゼンドルファー)はウィーンにおいてピアノ製造者としての地位を確立しました。これが古典的で活力に満ちたこの企業の原点です。またBoesendorfer社は、19世紀と20世紀のウィーン音楽の発展に貢献したのみならず、ウィーンの伝統に基づくピアノ製作を現在に至るまで続けている唯一の企業です。「Imperial」は、他の追随を許さない力強さと円熟した音色、そして永遠に続くかのような残響音で世界的に知られているグランドピアノです。このピアノ特有の音色は、独自の職人芸と290モデルの名を世界中に知らしめた入念な設計によって生み出されたものです。モImperialモは、現在製造されているピアノの中で最大の共鳴板を内蔵し、最も低いC 音に至る9のサブ・ベース音を有し、完全な8オクターブの音域を奏でる唯一のコンサート用グランドピアノです。この290モデルは轟くような大音響のピアノ・コンチェルトも、ささやくように静謐なリサイタルも自在に表現します。あなたのレパートリーが1820年より以前に遡らないのであれば、これこそがあなたにふさわしいピアノです。バルトーク、ドビュッシー、ラベル、ブゾーニの作品を忠実に再現するために選び抜かれたグランドピアノと言うことができます。有名な愛好家:フランツ・シューベルト、フレデリック・ショパン、リヒャルト・ワグナー、ヨハン・ブラームス、リヒャルト・シュトラウス、レナード・バーンスタインwww.boesendorfer.com

Page 8: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 8

Bechstein™ ベヒシュタイン ドイツ的緻密さ

Model: D 280 グランド

同時代のピアノ職人の技術に幻滅したCarl Bechstein(カール・ベヒシュタイン)は、共鳴するピアノ本体と無限の広がりを持つサウンド表現を追求すべく、ピアノの設計を一新する必要性を認識しました。そして18�3年に彼はドイツのベルリンにおいてその夢を実現しています。彼は明確な意志を持って、サウンドと技術におけるBechstein的コンセプトを展開し、そこから生まれたBechstein 280 の音色は、本質的に優しい音色です。その二重音階の設計は、微妙なオーバートーン(倍音)をもたらし、これが音の色調に変化を加えつつ主音を形成しています。このピアノは清澄で繊細な高音域と力強くビロードのようにまろやかなベースによって広く知られており、これらの特徴は演奏者が自由な表現を楽しみながら、迫力あふれる気分を醸し出すことを可能にしています。有名な愛好家:クロード・ドビュッシー、フランツ・リスト、エルトン・ジョン、デビッド・ボウイ、リック・ウェイクマン、スーパートランプ、ビートルズ。www.bechstein.de

Concert Grand D コンサートグランド Native Instruments社のオリジナルであるConcert Grand D は、KONTAKT 2 のサンプリング・エンジンと、現在最も広く使用されているコンサート用ピアノであるSteinway™ Model Dの高解像度サンプルを融合しています。サンプルのレコーディングには、ハンブルグのSteinway™から直接入手した最高品質のModel Dを使用しています。このグランドピアノは製造後3年経過したドイツ製Concert Grand Model Dで、ハンブルグのSteinway™専門の優秀な調律師が定期的にメンテナンスを行って最良の状態を保っているものです。Concert Grand Dの音調と規律は、軽いタッチの演奏スタイルに最適化されています。こうして、極めて軽い打鍵でさえも、胸に響く音響スペクトルと微妙な調性のニュアンスをもたらします。その結果、心地よい、しかも隅々にまで響くピアニッシモの音が生まれました。ハンブルグの伝統に従って、Concert Grand Dは��3 Hzでレコーディングされています。少し高音に調律することで、音が豊かに歌い上げられるのが感覚的にわかります。Concert Grand Dは最初のレコーディング後、��0 Hzに調律し直されました。これは、AKOUSTIK PIANOのスタンダードなチューニングに調和させながら、“歌い上げる”ような音色も保つために行った調律です。その変幻自在なサウンドは、ソロのピアノ曲、ジャズ、クラシック、ニューエイジなど、様々な音楽スタイルに適しています。

Page 9: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 9

Steingraeber™ シュタイングレーバー 試行、信頼、調整を経て

Vintage Upright 130

ピアノ製造会社としてのSteingraeber und Söhneの歴史は、1820年チューリンゲンで始まりました。Eduard Steingraeber(エドワード・シュタイングレーバー)は18�2年にバイロイトで地歩を固め、それから30年足らずでバヴァリアにおいてアップライトとグランドピアノの最大手のメーカーになりました。Steingraeber 130 のサウンドは暖かみに溢れ、カリスマ性があり、コンパクトです。わずかな癖や不完全さが生む魅力を作品の中に盛り込もうとするときに、理想的なサウンドを奏でるヴィンテージ・アップライトピアノです。“完璧な”コンサート用グランドピアノのサウンドを必要としないとき、その個性豊かな音色ゆえにSteingraeber 130は充分な代用品となります。このピアノはブルース、ジャズ、ブルーグラス、個人的な演奏形態に適しています。有名な愛好家:トム・ウェイツ、ジョニー・キャッシュwww.steingraeber.de

Page 10: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 10

AKOUSTIK PIANOのアーキテクチャAKOUSTIK PIANOは、複雑なインターフェイスを使用せずに至高のサウンドを獲得しようとする音楽愛好家のために特別に製作されました。私たちが追求したのは、サウンドの素晴らしさと見た目の美しさでした。

・AKOUSTIK PIANO は�台のピアノと1つのユーザー・インターフェイスから構成されています。

・いずれのピアノも、�種類のアコースティック・スペースの1つにセッティングすることが可能です。

・�台のピアノ全てに付属している専用のコントローラで、オリジナルなピアノサウンドが生成可能。

・ファクトリー(工場出荷時)・プリセット(インストゥルメント)は、あなたの好みに合わせた調整が可能です。さらに、後日の編集やパフォーマンス用に保存することも可能。

・2トラックの録音機能を内蔵。これは、MIDIファイルプレーヤーの機能も兼ね備えています。

インストゥルメント・ヘッダー

Instrument ヘッダーにはインストゥルメント・マネジメント(名称変更や保存)、メイン・ボリューム、ピアノ・ビューなど、AKOUSTIK PIANOのメイン・コントローラが多数あります。

1. Preset Name: Name フィールドをダブルクリックして新しい名前を入力します。名前の編集は、変更を行う欄へマウスをドラッグして、変更内容を入力します。Saveボタンを押してプリセットを保存します。

2. Preset menu: Nameフィールドの右にあるドロップ・ダウン・メニュー内の使用可能なインストゥルメント・プリセット群から、新しいプリセットを選択します。プリセットを選択すると、現行のプリセットと切り替わります。

3. Load Next / Previous Preset: Nameフィールドの右にある左/右の矢印で、プリセットのリスト内のprevious(前の)或いはnext(次の)プリセットを選択します。この選択を行うと、それまでのプリセットと置き替わります。

4. Save Preset: ここをクリックするとダイアログボックスが開き、現行のプリセットを保存することが可能です。同じプリセットに変更を上書きしたい場合にここをクリックします。プリセットはNative Instruments の.nkiフォーマットに保存されます。

Page 11: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 11

5. Delete: リストおよびコンピュータから現在のプリセットを削除します。6. Play View: 左側にはプレイ・ビューがあります。これはサウンド・パラメータの

編集を行うものではないことを強調しておきます。既にお分かりのように、これは選択したピアノを演奏するためのスタンダード・ビュー(標準画面)です。このプレイ・ビューにはインストゥルメント・ヘッダーおよびレコーダーも含まれています。インストゥルメント・ヘッダーからプリセットへ簡単にアクセスできます。レコーダーは、MIDIファイルを再生、又は新しいソングを録音するときに使用します。

7. Select View: このビューはピアノの選択用画面と考えることもできます。ここで�種類のピアノと�種類の空間から好みのものを選択します。

8. Full view: 右側にはフル・ビューがありますが、なんて素晴らしい画面でしょう!スポットライトを浴びているのはパフォーマンスです。気を散らすようなノブやボタンはここには存在せず、純粋にキーだけが並んでいます。ですから、最も大切なこと…演奏に集中することができます。

9. Editor: エディット・ビュー(編集画面)はサウンドの特徴を形成し、調整するコントロールセンターです。ここには、ご自分のピアノをカスタマイズし、微調整を行い、その特徴を形成するためのあらゆるピアノ・パラメータがあります。レコーダーもこのビュー内にあります。

10. Recorder: このテープデッキのボタンは、レコーダー・モジュールを開く/閉じるコマンドです。このボタンはプレイ・ビュー だけにあります。

AKOUSTIK PIANOがプラグインとして使用されているときは、 で“オフライン・バウンス”機能を有効にします。オフライン・バウンスは、AKOUSTIK PIANOがトラックをバウンス/フリーズする状態に設定し、レンダリングしたオーディオのノイズやドロップアウトを防ぎます。AKOUSTIK PIANOがホストコンピュータからバウンス信号を受信すると、オフライン・バウンス機能が自動的にオンになります。オンにならない場合は、ホストコンピュータがこの機能に対応していないことになり、手動で有効にする(黄色に変わります)必要があります。しかし、手動でオンにする前にエクスポート・オーディオを試聴してください。この機能が必要ない場合もあります。

11. ECO: コンボリューション(デフォルト)からノーマル・リバーブに切り替えます。CPUの過負荷のメッセージが表示されたり、オーディオ・ドロップアウトしたときに、このスイッチをオンにします。

12. L<->R: オーディオチャンネルの左、右を入れ替えます。これは視聴する位置をPianist(ピアニスト)からAudience(視聴者)に変えるときに便利です。デフォルトはピアニストになっており、低いノート(音符)がステレオ・フィールドの左側に配列されています。L<->Rを有効にすると、低いノートは右側に表示されます。

Page 12: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 12

13. Level Output Meter/ Master Volume: このスライダーには、シグナル・アウトプット・メーターとボリューム・コントロールの2つの役割があります。シグナル・アウトプット・メーターは、インストゥルメントのシグナル(信号)レベルを示しています。右方向のクリッピング・インジケータが赤く点灯したら、ディストーションを防ぐためにマスター・ボリュームを下げてください。大抵のソフトウェア・インストゥルメントと同様に、AKOUSTIK PIANOはアウトプットのボイス数を増やしています。演奏するボイス数が多ければ多いほど、クリッピングが起りやすくなります。レベルを設定するには、演奏しようと思う最大数のボイスを演奏し、それを基にレベルを調節してください。

14. NI Logo: ここをクリックしてAKOUSTIK PIANOの[About]ウィンドウを表示してください。この[About]ウィンドウには、アップデートやサポートのリンクだけでなく、バージョン・ナンバーなどソフトウェアに関する便利な情報が掲載されています。

15. CPU overload: コンピュータのCPUが限界に達すると!が赤く点灯します。これは、演奏しているボイス数を減らして(全部のキーとサステイン・ペダルをリリースします)さらにECOボタンを押すか、どちらか一つの操作が必要であるという明白なシグナルです。過負荷のときには、このボタンをもう一度押してエンジンをリセットしてください。

Select View(セレクト・ビュー)既にご存知のように、AKOUSTIK PIANOのサウンドの心臓部は、非常に緻密にサンプリングされた�台のピアノです。入念なサンプリングが結実してしなやかなサウンドが完成しました。それぞれのピアノが持つ特異な個性を厳密に再現しつつ、しかも個々のニーズに応えられるような微調整も可能な柔軟性溢れるサウンドの誕生です。

Page 13: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 13

4台のピアノと4つの空間Select View(選択画面)には、AKOUSTIK PIANOの標準的なサウンドセット、すなわち�台のピアノと4つの空間が表示されています。�台のピアノのいずれかを�種類の音響環境のどこに置いても、AKOUSTIK PIANOの空間的広がりを際立たせることができます。

ピアノ選んだピアノをクリックしてドライ・バージョンを読み込みます。ピアノのサイズが相対的に大きいため、読み込みにしばらく時間がかかる場合があることに注意してください。

好きなときに右上の隅にあるI ボタンをクリックして、インフォメーション・ウィンドウを開いてください。ピアノ製造業者から提供されるピアノに関する情報および関連リンクが掲載されています。

ペダル搭載されている全てのピアノに3つのペダルが付属しています。これらのペダルはMIDI コントロール・チェンジ(CCs)で操作することが可能です。それぞれのペダルに相当するCCナンバーは、ペダルの名前の隣に表記されています。

ダンパーペダル(Damper pedal) (CC 64): ダンパー・ペダルはサステイン・ペダルとも呼ばれます。一番上の2オクターブを除き、ピアノのノートには全てダンパー(弱音器)がついています。ダンパーとは、弦が振動するのを防ぐ、詰め物が入った装置です。ノートに相当するキーを叩くと、ダンパーが弦から分離します。ダンパー・ペダルを踏むと、ピアノのダンパーが全て一度に持ち上がり、全てのノートが“サステイン”されます。

ソフト・ペダル(Una Corda) (CC 67): Una Corda (文字通りの意味は、イタリア語で“一本の弦”) すなわちソフト・ペダルはペダルの列の左端にあります。グランドピアノでは、このソフト・ペダルがアクション(鍵盤楽器の発音機構)を一方向へ少しずらし、通常3本の弦全てを叩くハンマーが、1本もしくは2本だけ叩くようになります。こうしてノートがソフトな響きになり、音質も和らぎます。

ソステヌート(Sostentunto) (CC 66): ソステヌートペダルすなわちミドル・ペダルは、これを踏んだときに上がったダンパーを、上がった状態に保持します。演奏者が手で他のノートを弾きながら、幾つかのノートをサステインすること(サステインするノートをリリースする前に ソステヌートペダルを踏む)が可能です。 ソステヌートペダルは3種類のペダルの中で最後にスタンダードなピアノに加えられ、今日に至るまで安価なピアノには殆ど見られませんが、全てのグランドピアノに付属しています。20世紀の作品の多くは、このペダルを必要としています。

Page 14: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 1�

空間(ルーム)AKOUSTIK PIANOのインパルス・レスポンスに基づくコンボリューション・エフェクトは、音響スペースの臨場感とシグナル・プロセシングの柔軟性とコントロール可能性を統合しています。まず音響スペースの“サンプル”を録音し、そのサンプルを基にスペースを再現すると、コンボリューションがその効果を発揮します。コンボリューション技術によって、あなたが決してそこでピアノを演奏することがないであろう、素晴らしい場所のサウンドを再生できるのです。AKOUSTIK PIANOは、そのような場所でピアノを演奏したらどのようなサウンドが生まれるかをあなたに教えてくれます。部屋をクリックしてコンボリューション・プリセットを読み込みます。再びその部屋をクリックすると無効になります。以下のプリセットはReverb のセクションでさらに編集可能です。

形状 ルームサイズ フロア材質大聖堂 特大 大理石

コンサートホール 大 集成材 Jazz クラブ 中 ハードウッド

レコーディングスタジオ 小 リノリウム

エディター

前の項目で述べた通り、インストゥルメント・ヘッダーはインストゥルメント編集作業の出入り口です。Editor(エディター)ボタンをクリックして、インストゥルメントのサウンド編集パラメータにアクセスしてください。

Page 15: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 1�

インプット

このセクションでは自分のピアノとMIDIを設定し、微調整します。

Channel: インストゥルメントのMIDIチャンネルをセットします。

Transpose(移調): 入力されるMIDIデータを半音ずつ移調します。例えば、2にセットしてキーボード上のCを演奏すれば、インストゥルメントはDを演奏します。範囲は-12から+12です。Fine Tune: インストゥルメントの全般的なチューニングを調節します。デフォルトはA=��0ですが、A=�30からA=��0までの調節が可能です。値を徐々に増減したいときは上下の矢印を使い、��1.�Hz.のような細かい数字はナンバー・フィールドをダブルクリックして入力します。Tuning: ピアノをチューニングする他の方法をこのコマンドから選択できます。ピアノで最も一般的な方法は平均率で、ストレッチ・チューニングはそれほど多くありません。この解説書の付録に、これらのチューニングの一覧表と解説が掲載されています。Velocity Curve: ドロップ・ダウン・メニューの�種類のベロシティ・カーブの中から選択します。選択の結果は、入力されるMIDIのベロシティにAKOUSTIK PIANOがどう反応するかに影響を及ぼします。付録にあるベロシティの項目を参照してください。Last note: ラストノートは最後に演奏された音符とダイナミック・ベロシティが表示されるインフォメーション画面です。このセクションを編集することはできません。

強弱記号とその略語• ピアニシッシモ(Pianississimo): ppp, 極めて弱く• ピアニッシモ(Pianissimo): pp, ごく弱く• ピアノ(Piano): p, 弱く• メゾピアノ(Mezzo-piano): mp, やや弱く• メゾフォルテ(Mezzo-forte): mf, やや強く• フォルテ(Forte): f, loud 強く• フォルテッシモ(Fortissimo): ff, ごく強く• フォルテシッシモ(Fortississimo): fff, 極めて強く

Page 16: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 1�

ピアノの詳細

誰もが普通のピアノの音は知っていますが、音の個性となると全く話が異なります。このセクションでは、音の個性の度合いを実際にコントロールします。ドライピアノ・シグナルと種類の異なる様々な環境をミックスすることによって、従来は本物のピアノだけが表現可能だったものを創造してください。Sustain Resonance(サステイン・レゾナンス): サステイン・レゾナンスは、サステイン・サンプルの共鳴とリリース・サンプルのボリュームをコントロールする、AKOUSTIK PIANO独自の機能です。サステイン・ペダルと一緒にサステイン・レゾナンスを使用すると、リバーブと同様の空間的広がりの効果が得られます。これはダンパーを持ち上げたあとに、弦とボディによって生成された調性ニュアンスと考えることができます。

サステイン・レゾナンスを上げるとピアノのサウンドがより本物らしさを増しますが、サステイン・ペダルと共に使用した場合は、ポリフォニーがかなり速く積み重なります。その結果、CPUの負荷が高まります。

Release Resonance(リリース・レゾナンス): リリースされたキーは倍音を発生させ、澄んだ高音に同様の効果をもたらします。リリース・レゾナンスはリリース・サンプルの強度を調整し、音色全体をコントロールします。Key Noise(キーノイズ): キーをリリースしたときのピアノの動作音の音量を調節します。左端は非常にかすかな音を生成し、右側は音がよりはっきりしています。ノブの中央位置がオリジナルで録音したサウンドです。Pedal Noise(ペダルノイズ): これはペダル装置の音量を調節して、よりリアルなサウンドを創造します。キーノイズと同じように、中間値がオリジナルで録音したサウンドです。Lid(リッド): リッドでグランドピアノの蓋の状態を設定します。開放、半開放、密閉の3種類があります。 Dynamic(ダイナミック): 最も弱い打鍵(最小のキー・ベロシティ)と最も強い打鍵(最大のキー・ベロシティ)の間の強弱の差をdB(デシベル)で調節します。

Page 17: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 1�

イコライザ

AKOUSTIK PIANOの3帯域イコライザが周波数(増幅または減衰を行う)、増幅率または減衰率(ゲイン)、増幅または減衰を行う帯域幅(狭い帯域から広い帯域まで)をコントロールします。狭い帯域幅ではシャープなフィルター効果が得られる一方、広い帯域幅では繊細で優しくなります。エディット(編集)には、マウスで帯域を選び、マウスをドラッグして操作してください。微調整は以下のノブで行うことが可能です。Frequency(フリケンシー): 増幅や減衰を行う周波数を選びます。Bandwidth(バンドワイズ): 周波数帯域(オクターブで)を設定して増幅または減衰を行います。Gain(ゲイン): 増幅率(+)や減衰率(-)をコントロールします。On/Off(オン/オフ): OnのときはEQが有効です。OFFはEQ の設定をバイパスする(迂回する)ときに使います。

リバーブ

Reverb(リバーブ)は、アコースティックな空間での音楽製作時に起こる無数の反射音を合成し、サウンド自体に空間的な奥行きを与えます。Amount(アマウント): リバーブのウェット音/ドライ音の量を調節します。これはいわばエフェクト処理信号と未処理信号の割合のようなものです。

Page 18: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 18

Size(サイズ): 残響時間がどれくらい続くかを左右する、インパルス・レスポンス・サイズを設定します。この値が高ければ、広い部屋で鳴っているように聞こえます。Color(カラー): 部屋を構成する材質を決定します。低い値は表面がソフトな材質(例:木材)であることを、高い値は硬い材質(例:コンクリート)であることを示しています。.

インストゥルメント・ヘッダーのECOボタンは、コンボリューションからノーマル・リバーブへモードを切り替えます。お手持ちのコンピュータの動作が緩慢になったような兆候があれば、このボタンをオンにしてください。ノーマル・リバーブをアクティブにした状態でも、上述のコントロール機能は変わりません。

リバーブの設定を大きくしたときにバチバチする音、あるいはオーディオ・ドロップアウトが起きた場合は、ご自分のサウンドカードのレイテンシーを増やすことをお勧めします。インストール方法を解説した章を参考にして対処してください。

ポジション

Pan(パン):インストゥルメントのステレオ・ポジションを設定します。Width(ワイド): ステレオ・フィールドの幅を設定します。負の値を限界まで左に回すと、信号はモノラルになります。正の値はステレオ・フィールドを外側に広げます。Distance(ディスタンス): ピアノから聞き手やマイクロフォンまでの距離をシミュレートするときに使います。

Page 19: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 19

レコーダー

AKOUSTIK PIANOにはシンプルな2つのトラック・レコーダーが含まれており、これらはテープ上でインスピレーションが沸き起こるような瞬間を実現させます。このRecorderはMIDIファイルプレーヤーの機能性も有するため、練習補助にも役立つツールとなっています。

ファイル

File (ファイル)とは、AKOUSTIK PIANOソング・フォーマット(*.aps) でソングを生成し、名前をつけ、読み込み、エクスポートし、保存する場所です。New document(新規ドキュメント): ソングのための空白のテンプレートを新規作成します。上方のテキスト・フィールドにタイプしてenterを押すことによって、いつでも録音前のソングに名前をつけることが可能です。Load(読み込み): 読み込みボタンをクリックし、読み込みを行うファイルまでナビゲートしてOpen(開く)をクリックします。レコーダー はAKOUSTIK PIANOソングとスタンダードMIDIファイルに対応しています。しかしレコーダーは、.wav、.aif、mp3などのオーディオ・ファイルを読み込むことはできません。Save(保存): ファイル・ダイアログを開き、AKOUSTIK PIANOソング・フォーマットでソングを保存する場所を選択します。Export Audio(オーディオのエクスポート): 現行のMIDIまたはソングをWAVファイルにレンダリングします。ここからファイル保存のダイアログボックスが表示され、保存先を指定します。デフォルトによって、オーディオ・ファイルがインストゥルメント名を保持するように設定できます。

Page 20: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 20

テンポ

メトロノームのセクションは拍子を取るときに使いますが、それだけではありません。ソング・モードでテンポを遅くしたり速くしたりするときにも使用可能です。Click(クリック): メトロノームのONとOFFを切り替えます。Volume(ボリューム): クリック音の音量を調節します。BPM: マーカーの上/下をクリックして、メトロノームのテンポを設定します。別の方法としては、ナンバー・フィールドをダブルクリックして数値を入力することも可能です。BPMで録音後にソングを遅くしたり、速くしたりすることができます。Tap(タップ): Tapで正しいテンポをマウスクリックします。マウスクリックとマウスクリックの間隔から、メトロノームが取るべき適切なテンポがわかります。この方法でメトロノームを正確に作動させるには、最低でも3回クリックする必要があることに注意してください。ですから、tap tempoするためにクィック・キー(TAB)を使うことを推奨します。黄色の光が点滅して現行のテンポを表示します。

ポジション

録音/再生のポジションを時間、分、秒、サンプルで表示します。ソング・ポジションは、コントロールセクションにある標準送りまたは高速送りのボタンを使うことによって変更が可能です。

トランスポート

このデバイスは2トラック・テープレコーダーと考えられます。これはテープを使いませ

Page 21: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 21

んが、原理は同じです。トラック1に録音し、トラック2にも録音してから結果を一つにまとめて保存できます。AKOUSTIK PIANOのソング・ファイルには*.apsという拡張子が付加されます。保存されたソングは読み込み終了後、練習用のバッキング・トラックとして使用可能です。見慣れたボタンの説明が以下に続きます。レコーディング機能の典型的な応用例も説明されています。

Track 1 and 2: トラック 1 / トラック 2 ボタンを押して再生または録音を選択してください。

• 灰色:トラックはミュートで、選択されていません。• 黄色:トラックは再生モードになっていますが、録音は有効になっていません。

(レコードを押して有効にしてください)• 赤色:録音待機状態。

Reset(リセット): これをクリックして選択したトラックのスタート・ポジションに戻ってください。Rewind(巻き戻し): このボタンをクリックしてつかんだまま巻き戻します。選択したトラックを1秒間隔でマウスクリックします。Record(録音): 選択したトラックのレコーディングを開始/停止します。 Play(再生): 選択したトラックを再生したり、一時停止したりします。Fast Forward(早送り): このボタンをクリックしたままつかんで選択したトラックを高速送りします。巻き戻しと同様に、トラックを1秒間隔でマウスクリックします。Loop(ループ): 選択したトラックの始めから終わりだけをループします。

レコーディング・モードのときは、Rewind、Play、Fast Forward、およびLoopの制御は無効になります。

最初のトラックへの録音

一度に一つのトラックにしか録音できません。録音可能なトラックは赤色に点灯します。

• レコードボタンを押して録音待機モードに入ります。レコーディングは実際にはまだ始まっていません。

• レコード・モードを有効にすると、一番最近に録音されたトラックが自動的に録音用として選択されます。以前のレコーディングがない場合は、トラック 1がデフォルトで使われることになっています。

• 二つ目のトラックに録音したいときは、トラック 2を選択します。レコード・スタンバイを解除するには、レコードボタンを再び押してください。

• レコーディングは最初のノートを演奏したとき、またはプレイ・ボタンを押した瞬間に始まります。メトロノームがオンになっていれば、その音も聞こえるはずです。

Page 22: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 22

• レコードボタンを押して録音を止めてください。レコーダーが、ソング・ポジションを自動的に最初へリセットします。

• 録音されたテイクが問題なければ、FileからSave(保存)ボタンを押し保存して下さい保存する場所はダイアログにより指定することが出来ます。

レコーディング後、直ちにトラックボタンがプレイバックモード(黄色)に切り替わります。レコーディングしたパフォーマンスを再生するには、Playボタンを押します。再生を止めるには、再びプレイボタンを押してください。

録音に満足できない場合は、再録音することが可能です。それには、レコードボタンをもう一度押してください。トラックボタンが赤に変わり、これでレコーディングが有効になりました。前記の手順の�番目からを繰り返してください。

2つ目のトラックへの録音 • レコードボタンを押して、トラックをレコーディングできる状態にします。• まだレコーディングを行っていないトラックを選択します。トラック・ボタンが

赤に変わります。• レコーディングが開始するように、トラックをスタートさせてください。

2つ目のトラックのレコーディングをオフセットしたいときは、プレイボタンを押してください。レコーディングが開始し、2番目のレコーディング中に最初の録音を視聴することが可能です。

ソングの再生• まだ読み込みを行っていなければ、Load(読み込み)ボタンによってソングま

たはスタンダードMIDIファイルを読み込んでください。既にコンテンツを読み込み済みのトラックは緑色に変わっています。

• プレイボタンを押して再生を開始します。 再生のボリュームを調節するときは、マスター・ボリュームを使ってください。.• ミュートをクリックしてトラックを無音にしてください。無音状態であれば、ト

ラックは灰色になっています。再生のテンポは、BPMボタンかタップテンポ機能を使うことによって、調節可能です。再生が完了したら、AKOUSTIK PIANOは自動的にソングの出だしに戻ります。ループが有効になっている場合、再生が続きます。ソングの途中で再生を止めたいときは、プレイボタンを押してください。

Page 23: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 23

スタンダードMIDIファイルを読み込むとき、MIDIチャンネル1 はトラック1に、チャンネル2-1�(ドラムパートで使用するチャンネル 10を除いて)はトラック 2にアサインされます。

以下の表はトラック1とトラック2に関連した再生およびレコーディングのモードを解説したものです。デフォルトの設定は両方のトラックがミュートの状態(灰色)です。

特殊なケースとしては、あるポジションまで再生し、そこでpause(一時停止)し、レコードを選択した場合です:このとき、レコーディング後にレコーダーはソングの最初の部分をとばして一時停止のポジションまで戻ります。

左側には、PRE action(プリ・アクション)のボタンがあり、右側にはPOST action(ポスト・アクション)のボタンがあります。Play=黄色、Mute=灰色、Record=赤色

トラック 1 トラック 2 アクション(操作) トラック 1’ トラック 2’

ミュート ミュート 録音をクリック 録音 ミュート

録音 ミュート トラック 2をクリック ミュート 録音

ミュート 録音 トラック 1をクリック 録音 ミュート

レコード ミュート ノート再生 録音中 ミュート

レコーディング ミュート 録音をクリック/リセット

再生 ミュート

再生 ミュート 録音をクリック 録音 ミュート

再生 録音 トラック 1をクリック 録音 ミュート

再生 録音 ノート再生 再生中 録音中

再生中 録音中 録音をクリック/リセット

再生 再生

再生 再生 トラック 1をクリック ミュート 再生

再生 再生 トラック 2をクリック 再生 ミュート

再生 再生 録音をクリック 再生 録音

再生 録音 トラック 1をクリック 録音 再生

録音 再生 トラック 2をクリック 再生 録音

再生 録音 再生をクリック 再生中 録音

再生中 録音 ノート再生 再生中 録音中

表について上の第1のケースにおいて、トラック 1とトラック 2 は両方ともミュート状態です。録音ボタンを押すとトラック 2 はミュートのままですが、トラック 1 のレコーディングは有効になりました。最後のケースにおいて、トラック 1 は再生中です。トラック 2 はレコーディングが有効です。始めのノート(音符)と共に、トラック 2が録音を開始します。

Page 24: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 2�

追 補

Akoustik Piano キーボードショートカットCtrl + S Save Preset(プリセットの保存)Cursor left Preset left(プリセットを左に)Cursor right Preset right(プリセットを右に)F1 Play View (standard)(プレイ・ビュー)F2 Edit View(エディット・ビュー)F3 Full View(フル・ビュー)F5 Recorder show / hide(レコーダを表示/非表示)F6 Editor show / hide(エディターを表示/非表示)Space / Enter Play(再生)Space / Pad 0 Stop(停止)Pad . Reset(リセット)Pad - Rewind(巻き戻し)Pad + Fast Forward(早送り)Pad / Loop(ループ)Pad * Record(録音)Pad 1 Track 1(トラック1)Pad 2 Track 2(トラック2)Pad 3 Metronome on/off(メトロノーム、オン/オフ)Tab Tap tempo(タップテンポ)Page up Tempo up(テンポを上げる)Page down Tempo down(テンポを下げる)Cursor up Volume up(ボリュームを上げる)Cursor down Volume down(ボリュームを下げる)ALT + F4 / Cmd + Q Quit Akoustik Piano(AKOUSTIK PIANOを終了)

※注:上記「Pad」はテンキーなどの数字入力キーボードPadを指します。

Page 25: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 2�

MIDIベロシティに関する注意全てのMIDIキーボードがMIDIベロシティの全範囲を送信するわけではなく、また、価格が低めのコントローラは実際に演奏している値を送信するときに融通が利かないことがあります。例えば、MIDIベロシティでピアニッシモは30を生成して、フォルテッシモは110しか送信しないかもしれません。これが原因となって、自分の演奏スタイルに適した表現法を実現させることが困難になっている場合があります。AKOUSTIK PIANOは、あなたがこのような問題を克服するための解決策をいくつか提示しています。Dynamicに設定する前に、まずキーボード・レスポンスを設定することをお勧めします。Input(インプット)セクション内のVelocityカーブ・ドロップダウン・メニューから�種類のスロープが選べます。範囲は-3から+3までで、その間にニュートラル・カーブがあります。通常、AKOUSTIK PIANOは正の値を設定した場合、ソフトタッチのベロシティを受信すると敏感に反応します。もしあなたのキーボードが、古い型のキーボードのように最大値100で最高値に達する場合も、レスポンスが敏感でしょう。スロープが負の値のときは、ソフトタッチのベロシティに対してはレスポンスが減少しますが、ハードタッチのストロークに対しては敏感に反応します。ピアニッシモが�0前後のベロシティを生成する場合は、[-]のスロープを使用してください。

この図は-2のカーブでベロシティ�0を入力すると、およそ20のベロシティ出力という結果になることを表しています。+2のカーブを設定すると、ベロシティ100の入力がおよそ123の出力となります。このタイプの設定は個人の好みによるので、あなたに適した設定を断言することはできません。様々な設定を試してみて、ご自分の環境で最適な動作をする設定を見つけることをお勧めします。Dynamic(ダイナミック)と併用する場合、MIDIベロシティと組み合わせてAKOUSTIK PIANOのダイナミック・レンジを制御することも可能です。カーブの最小値より低いベロシティで演奏したノートは、ダイナミック・レンジの最小レベルで演奏されます。同様に、カーブの最大値より高いベロシティに設定したノートは、最高のダイナミック・レンジ・セッティングで演奏されます。Dynamic機能はまた、圧縮やシーケンサーのノート・ベロシティの調整を行わずに、インストゥルメント・トラック全体のダイナミックスを修正(ベロシティのラウド・ノートとソフト・ノートの差を増減)します。

Page 26: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 2�

AKOUSTIK PIANO のチューニング

Equal temperament (平均律)満足できるサウンドを生成するために全てのキーを演奏可能にし、キーボードのデザイン性を尊重する、という2つの条件を両立するために、AKOUSTIK PIANOのオクターブが数学的に12等分されています。このプロセスをテンパリング(調律)といいます。ピアノで一般的に行う調律法を平均律と呼んでいます。平均律では、半音と半音の間の比率が100セントとなっています。これは、他のインストゥルメントと共に演奏するときに適したチューニングです。

Pure Tunings(純調律)

Pure (純調律)ノート フリケンシー・レシオ 平均率の周波数偏移C 1/1 0 centC#/Db 2�/2� - 29.328 centD 9/8 + 3.910 centD#/Eb �/� + 1�.��1 centE �/� - 13.�8� centF �/3 - 1.9�� centF#/Gb 2�/18 - 31.283 centG 3/2 + 1.9�� centG#/Ab 8/� + 13.�8� centA �/3 - 1�.��1 centA#/Bb 9/� + 1�.�9� centB 1�/8 - 11.�31 centC 2/1 0 cent

倍音16-32(ハーモニック)全ての音程がハーモニック・シリーズ(倍音列)の�オクターブから採取されています。(音階は1� 1� 18 19 20 21 22 2� 2� 2� 28 30 32倍音で構成されています。)

Page 27: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 2�

ノート フリケンシーレシオ 平均率の周波数偏移C 1/1 0 centC#/Db 1�/1� + �.9�� centD 9/8 + 3.910 centD#/Eb 19/1� - 2.�8� centE �/� - 13.�8� centF 21/1� - 29.219 centF#/Gb 11/8 - �8.�82 centG 3/2 + 1.9�� centG#/Ab 13/8 + �0.�28 centA 2�/1� + �.8�� centA#/Bb �/� - 31.1�� centB 1�/8 - 11.�31 centC 2/1 0 cent

ピタゴラス調律ピタゴラス調律は完全�度音程に基づいており、2つの方法があります。

Pythag. Mid(Pythag.): �個の完全�度がCから下降および上昇方向にチューニングされています。F#/Gbは、わざと±0セントに設定されています

ノート フリケンシー・レシオ 平均率の周波数偏移C 1/1 0 centDb 2��/2�3 - 9.��� centD 9/8 + 3.910 centEb 32/2� - �.8�� centE 81/�� + �.820 centF �/3 - 1.9�� centF#/Gb - 0 centG 3/2 + 1.9�� centAb 128/81 - �.820 centA 2�/1� + �.8�� centBb 1�/9 - 3.910 centB 2�3/128 + 9.��� centC 2/1 0 cent

Page 28: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 28

中全音律の調律(ミーントーン)Mean Tone (Mean T.): 古典的なミーントーンの調律:シントニック・コンマ(sC)が�等分され、�度のコンマが純正完全�度から差し引かれ、ミーントーンの�度を構成します。�度(Eb-Bb-F-C-G-D-A-E)はミーントーン�度としてチューニングされ、3度(A-C#, D-F#, E-G#, G-B)は純正にチューニングされています。ノート フリケンシー・レシオ 平均率の周波数偏移C 1/1 0 centC# (13�/128) / sC3 - 23.9�0 centD (9/8) / sC2 - �.8�3 centEb (32/2�) / sC-3 + 10.2�� centE �/� - 13.�8� centF (�/3) / sC-1 + 3.�22 centF# (��/32) / sC2 - 20.�29 centG (3/2) / sC1 -3.�22 centG# (�/�)2 - 2�.3�2 centA (2�/1�) / sC3 -10.2�� centBb (1�/9) / sC-2 + �.8�3 centB (1�/8) / sC1 - 1�.108 centC 2/1 0 cent

ウェル・テンパード音律Werckmeister III (WerkIII): アンドレアス・ヴェルクマイスター(1���-1�0�)による音律で、1�91年から始まりました。�度(C-G-D-AとB-F#)をピタゴラス・コンマの4分の1だけ下げています。Kirnberger III (KirnIII): ヨハン・フィリップ・キルンベルガー(1�21-1�83)による音律で、1��9年から始まりました。�度(C-G-D-A-E)をシントニック・コンマの�分の1だけ下げ、�度(F#- C#)は分離のために下げられ、残りの�度は純正のままです。Valotti (Valoti): フランチェスコ・アントニオ・ヴェロッティによる音律で、1���年から始まりました。ピタゴラス・コンマが�度(f-c-g-d-a-e-B)に配分され、各々の�度がピタゴラス・コンマの�分の1だけ下げられています。Young (Young): Young Ⅱとも呼ばれるトーマス・ヤングによるこの音律は、1800年から始まりました。ピタゴラス・コンマが�度(c-g-d-a-e-h-f#)に配分されており、各々の�度はピタゴラス・コンマの�分の1だけ下げられています。

Page 29: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSTIK PIANO – 29

クォーター・トーン (1/4 Tone)クォーター・トーン(四分音)は全音の半分であるセミ・トーン(半音)の半分の音程(聴覚的または対数的に)です。平均律では、クォーター・トーンは�0セントあるいは21/2�あるいは1.02930223���3です。2�平均律または四分音階では、クォーター・トーンが最小のステップ(音)で、純正律では一般的に3�:3�ないしは3�:33です。基準音であるCより上と下の全てのノート(音符)を四分音に調律します。

その他

ピアノにまつわる興味深い話

ピアノは1�2�年にイタリア人、Bartolomeo Cristoforiによって考案されました。彼は存命中に数台のピアノしか製作せず、主にハープシコードの製造者として活躍しました。ピアノという名前は、この楽器に元々ついていた名称[弱音も強音も出せるチェンバロ]の略称です。ピアノには9,000以上の部品があり、そのうちの約�,�00は動く部品です。これほど多数の部品で構成されているので、ピアノが家の中で最も複雑な機械装置だという家庭もかなりあるでしょう。ピアノの動的部分をAction(アクション)といいます。アクション内にある全ての動く部品は、キーが打鍵されたときに弦に向かってハンマーを運ぶ作業をします。グランドピアノの各ノートには、3�以上にものぼる調整ポイントがあります。ピアノ全体では、3,080以上もの調整箇所になります。コンサート用グランドピアノでは、張られている鋼の弦によりおよそ30トンの圧力がかかっています。一般的なピアノには約230本の弦が張られており、一本の弦の張力は平均して約1�0ポンド(約�2.�Kg)の張力がかかっています。

Page 30: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSIK PIANO – 30

インデックス

Symbols数値設定欄 ......................................... �ドロップ・ダウン・メニュー ............... �ノブ ...................................................... �プリセット........................................... �保存(プリセット) ................................ �ボタン .................................................. �読み込み(プリセット) ........................ �

AAmount ...........................................1�

BBPM ..................................................20

CChannel ...........................................1�Click ..................................................20Color ................................................18

DDamper ...........................................13Distance..........................................18Dynamic ..........................................1�

EECO ..................................................11Editor ...............................................11Equal temperment .....................2�Export Audio ................................19

FFast Forward ................................21Forte ................................................1�Fortissimo ......................................1�Fortississimo ................................1�Frequency ......................................1�

GGain ..................................................1�

KKey ....................................................1�Kirnberger III .................................28

LLast note ........................................1�Lid .....................................................1�Load .................................................19Loop .................................................21

MMezzo-forte ..................................1�Mezzo-piano .................................1�

NNeidhardt I .....................................28New ...................................................19

OOutput .............................................12Overtones 1�-32 ........................2�

PPan ....................................................18Pedal ................................................1�Pianissimo ......................................1�Pianississimo ................................1�Piano ................................................1�Play ...................................................21Preset ................................................ �

RRecord .............................................21Recorder ........................................11

Page 31: オペレーションマニュアル - Native Instruments...このマニュアルに記載した事項は、予告なしに変更される場合があります。また、内 容についてNATIVE

AKOUSIK PIANO – 31

Recording ..................................... 22Reset ................................................21Resonance .....................................1�Resonance Color ........................1�Rewind .............................................21

SSave .......................................... 10, 19Save Preset ..................................... �Size ...................................................18Sostentunto ..................................13

TTap ....................................................20Transpose ......................................1�Tuning ..............................................1�

UUna Corda .....................................13

VValotti ..............................................28Velocity Curve .............................1�Volume ............................................20

WWerckmeister III ..........................28Width ...............................................18

YYoung ...............................................28