MEMS 技術を使った Microchip 社のオシレータとク...

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2017 Microchip Technology Inc. DS00002344A_JP - p.1 概要 数十年にわたり、オシレータとクロックは安定した 周波数参照の生成を水晶振動子に頼ってきました。 水晶振動子は多くのアプリケーションで非常に良好に 機能します。しかし、 MEMS 振動子で水晶振動子を置き 換える MEMS (Micro Electro Mechanical Systems) 技術 10 年前に市場に参入し、急速に成熟しつつあります。 MEMS 方式のタイミング デバイスは高信頼性 ( 車載向け AEC-Q100 認証を含む )、拡張動作温度、小型、低消費 電力を提供します。 ビデオ監視、車載 ADAS、汎用産業 アプリケーション、最大 10 Gbps のデータ転送が今日 の主な用途です。次のマイルストーンは、ハイエンド 通信システム向けに超低位相雑音を達成する次世代 MEMS 振動子です。 Microchip 社は、 2015 年に Discera 社と Micrel 社の買収 によって MEMS タイミング技術を取得しました。 2008 年に Discera 社が最初の量産オシレータを出荷 して以来、約 1 億個のデバイスが製造販売されました。 本書では、 MEMS 方式ソリューションの利点、振動子 技術、最終製品の設計について説明します。 特長 Microchip 社の MEMS 方式オシレータおよびクロック には、従来の水晶振動子方式ソリューションと比較して 利点があります ( 1)。その利点には安定した周波数、 小型、高信頼性、柔軟性、多数のプログラマブルな 機能、素早い起動、高集積度が含まれます。 1: Microchip 社の MEMS 方式オシレータおよびクロックの利点 著者 : John Clark and Graham Mostyn Microchip Technology Inc. MEMS 技術を使った Microchip 社のオシレータとクロック 注意 : この日本語版文書は参考資料としてご利用ください。最新情報は必ずオリジ ナルの英語版をご参照願います。

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MEMS 技術を使った Microchip 社のオシレータとクロック

注意 : この日本語版文書は参考資料としてご利用ください。最新情報は必ずオリジナルの英語版をご参照願います。

概要

数十年にわたり、オシレータとクロックは安定した周波数参照の生成を水晶振動子に頼ってきました。水晶振動子は多くのアプリケーションで非常に良好に機能します。しかし、MEMS 振動子で水晶振動子を置き換える MEMS (Micro Electro Mechanical Systems) 技術が10年前に市場に参入し、急速に成熟しつつあります。

MEMS方式のタイミング デバイスは高信頼性 (車載向けAEC-Q100 認証を含む )、拡張動作温度、小型、低消費電力を提供します。 ビデオ監視、車載 ADAS、汎用産業アプリケーション、最大 10 Gbps のデータ転送が今日

の主な用途です。次のマイルストーンは、ハイエンド通信システム向けに超低位相雑音を達成する次世代MEMS 振動子です。

Microchip 社は、2015 年に Discera 社と Micrel 社の買収によって MEMS タイミング技術を取得しました。2008 年に Discera 社が最初の量産オシレータを出荷して以来、約 1億個のデバイスが製造販売されました。

本書では、MEMS 方式ソリューションの利点、振動子技術、最終製品の設計について説明します。

特長

Microchip 社の MEMS 方式オシレータおよびクロックには、従来の水晶振動子方式ソリューションと比較して利点があります ( 図 1)。その利点には安定した周波数、小型、高信頼性、柔軟性、多数のプログラマブルな機能、素早い起動、高集積度が含まれます。

図 1: Microchip 社の MEMS 方式オシレータおよびクロックの利点

著者 : John Clark and Graham MostynMicrochip Technology Inc.

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Microchip 社の振動子技術

FFS 振動子

Microchip 社の MEMS 振動子製品はミシガン大学での研究から生まれました。その成果は、既存の MEMS振動子技術を使って実際の無線およびタイミングアプリケーションに応用した最も初期のものの 1 つでした。Microchip 社の振動子設計は FFS 振動子 (Free-Free beam Short support resonator) と呼ばれています。ミシガン大学で先駆的に開発された Free-Free Beam振動子の一種です。FFS 設計 ( 図 2 参照 ) は、設計の剛性を向上させるために短いアンカー支持体を使い、オシレータ設計の重要な特性である許容電力を向上させるための幅広の振動子ビームから構成されています。このビーム ( はり ) は、わずか 4 つのアンカー位置で基板と接触しており、基板の上に置かれています。そして、振動子が自由に動けるように狭い隙間で分離されています。FFS 振動子は水晶振動子と比べ非常に小型であり、18 MHz デバイスの寸法はわずか 50 µm x30 µm です。

図 2: 量産 FFS 振動子のビームの SEM 写真

水晶振動子と同様、MEMS 振動子は正確な周波数を出力するために非常に正確な機械的振動を利用しています。FFS振動子は自由支持の振動ビームと非常によく似たふるまいをします。実際 FFS 振動子は自由支持ビーム振動子の一形態である木琴の音板に似ています。FFSも木琴も、材料特性と寸法 ( 長さ、幅、厚さ ) に基づいて特定の周波数で振動します。図 3 に、振動 ( 動作中のモード形状 )を誇張した図を示します。短軸に沿って、基板に直交してビームが変位する様子を示しています。図4の変位のグラフはビームが自由支持と呼ばれる理由を示しています。ビームの長さ方向に沿って垂直変位ゼロの位置が 2 つあります。この 2ヶ所は、ビーム周波数にほとんど影響せず基板への振動エネルギの損失を最小化する、短い支持テザーにとって理想的な場所です。またこれにより、ビームの Q と周波数選択度を最大化します。

図 3: 面外曲げモードで動作する FFS 振動子の振動モードのシミュレーション

図 4: 正規化したビーム変位 ( 変位ゼロ節点を図示 )

電気回路で機械的ビームを使うには電気的エネルギと機械的エネルギの間の変換が必要です。水晶振動子ならば圧電変換が使えます。しかし、圧電性材料を高品質の微小な寸法の設計に組み込むのは困難です。FFS振動子は、異なる電位に保たれた 2 つの電極の間に力が発生するという原理に基づく静電トランスデューサを使います。このために、エアギャップを隔ててビームの下に駆動電極が配置されています。この電極とビームは並行平板コンデンサを形成しています。そして AC電圧の入力が基板に直交する力をビームに生じさせ、ビームを動かします。入力信号の周波数がデバイスの機械的な共振周波数と一致すると、上記の力は数千倍以上に効率よく増幅され共振周波数で振動します。固定底面電極に対するビームの直交方向の動きによって、トランスデューサとビームの間隔は時間的に変化する容量のようにふるまいます。これにバイアス電圧を印加すると、共振周波数の出力電流が生じます。前述の通り、この図では動きを増幅しています。ビームの実際の変位はその厚さの約 1 ~ 2% にすぎません。

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Resonator Beam

Support Beam

Electrode Anchors

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第 1 世代パッケージ (G1)

振動子の設計は重要です。しかし、デバイスのパッケージも非常に重要です。水晶振動子は、振動子を隔離および保護するため金属またはセラミックで気密封止してきました。MEMS 振動子は高い Q を得るために真空パッケージを必要とし、そのキャップ封止プロセスは製造プロセスに直接統合できるため、低コストで信頼性が高いバッチプロセスで高密度のウェハーレベルパッケージを実現できます。その結果得られるウェハーレベル パッケージはセラミック、各種プラスチックモールド、チップスケールまで各種 IC パッケージで使えます。

デバイスおよびパッケージ要件を満たす Microchip 社最初のレガシー製品が G1.0 です。G1.0 は、真空キャビティ内に封止されたFFSデバイス設計 (図2)で構成されていました。真空キャビティは、ガラスフリットで基板に接着したキャップ シリコンウェハーで構築していました。キャップに堆積したゲッター材料で真空レベルを維持し長期信頼性を確保しました。ボンディング パッドは、封止領域外側の出っ張りに配置しました。このパッケージは、最初に市販された MEMS方式オシレータ (2008 年に量産出荷開始 ) に採用されました。ガラスフリットのややもろい性質にもかかわらず、このパッケージは軍用グレード規格のラボでもテストされ、30,000G を超える耐衝撃性テスト後も動作を続けました。

第 2 世代パッケージ (G2.x)

G1.0のガラスフリット パッケージはMEMSオシレータの動作要件を満たしましたが、ボンディング技術がパッケージサイズの縮小を阻み小型化、歩留まり向上、コスト削減のボトルネックでした。次の ( 現在の ) 世代の振動子パッケージは G2.x と呼ばれ、ウェハーレベルシリコン融着に移行しました。融着プロセスは非常に清浄なウェハーを必要とします。このプロセスを高温の接合工程と組み合わせると、真空キャビティ内のゲッター材料が不要になり、プロセス効率がさらに改善します。シリコン接合はガラスフリットよりはるかに少ない面積しか必要としません。そして、相互接続はシリコン貫通電極 (TSV) で行います。これにより、全パッドを真空キャビティのフットプリント内側に配置できます。これらの技術的改善はダイ面積を G1 の 10分の 1 に縮小し、ダイあたりのコストを大幅に低減しています。

現在、この融着プロセスは Microchip 社の MEMS 振動子の製造に使われています。図 5に示すように、エッチングで真空キャビティを形成したキャップウェハーは、MEMS 振動子ウェハーの上に取り付けられます。1 対のウェハーを接合装置内で目標の真空レベルまで減圧してから圧着する事で、デバイスウェハー上のシリコン層がキャップウェハー上の酸化膜と接合します。高温の炉体内でアニールすると接合は非常に強固になります。

実際、パッケージをこじ開けようとすると、接合部が剥離する前にシリコンが破壊します。これは真空封止が周囲の材料より強固である事を示しています。図 6 に、個片化したキャップ済み振動子の画像を示します。パッケージ全体は 0.5 mm x 0.5 mm 未満です。図 7 に、TSV とキャビティが見えるパッケージ断面を示します。融着のもう 1 つの利点は、耐熱性に優れている事です。MEMS ダイの動作温度は主にパッケージ外側の金属部分 (現行の量産デバイスではAlCu)で上限が決まり、+200 ℃を越えても動作できます。

図 5: 現行の接合プロセス

図 6: パッケージ化された MEMS 振動子( 個片化済み )

図 7: パッケージ化された振動子の断面図

G2 のパッケージは G1 よりさらに堅牢です。質量が非常に小さいため、振動子自体は理論上 1,000,000G 超に耐えます。しかし、これを納める IC パッケージはこれ

Cap wafer

Device wafer

Etch cavity

Force

1~10μTorr chamber

TSV

Cavity

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に耐えられないため、現実の限界値は G1 パッケージの30,000Gと通常水晶振動子が耐えられる50~100Gより数桁大きい値の間にあります。

長期間安定性 ( エージング ) も、オシレータにとって重要な数値です。図 8 に、+85 ℃で 1,000 時間連続動作させた 8 個の MEMS デバイスの共振周波数を示します。テスト期間を通しての平均ドリフトは約–1.5 ppmです(図の直線部分はデータ収集エラーを示しています。しかし、デバイスへの給電と設定温度は維持されました )。図 9 に、同条件下の 16 個の Microchip 社 DSC60xxオシレータの校正済み出力周波数を示します。ASICのエージング メカニズムが結果にいくらかのばらつきを生じさせています。しかし、注意深く設計する事でばらつきを抑制できます。このオシレータはエージング期間を通して約 1 ppm の変化を示しており、MEMS の挙動に密接に沿っています。

図 8: デバイスのエージング(+85 ℃、1,000 時間 )

図 9: DSC60xx のエージング

第 3 世代の振動子 (G3 以降 )

現在生産中の全製品は G2.x 振動子を使っています(2016 年 12 月時点 )。これらは多くの水晶振動子オシレータ (XO) の応用分野で優れた性能を発揮します。

設計上の多くの改良点が、超低ジッタを必要とする用途のための高い性能を可能にしました。G3 振動子 ( 図 10参照 ) は、温度安定性をさらに改善すると同時に、これらの厳しい用途に対応しジッタとスプリアスを低減するために設計されました。G3 は約 70 MHz で動作する15次オーバートーンFFSビーム振動子です。高周波数水晶振動子と同様、この振動子は高次モードを使って高周波数と高性能を達成しています。G2 の基本モード設計では 1 つの変曲点と 2 つの節点があるのに対して、15 次オーバートーン モード形 ( 図 11 のシミュレーションと図 12 の略図に示す ) では 16 の変曲点と 17 の節点があります。結果として高い振動周波数ながら大きなトランスデューサ領域を備えた、より大きい振動子が実現できました。この大きな振動子は、高い周波数での高い剛性と相まって、許容電力を大幅に増大させ、位相ノイズとジッタも改善しました。高い動作周波数を使う事で、VCO周波数にアップコンバートするための PLL で使われる分周段数が減り、位相ノイズも改善しました。

また、G3 振動子は差動モードでも動作します。図 12に示すように、各変曲点の下の電極をフル 4 ポート差動動作にグループ化できます。これは、総合ジッタの一因となり得る全てのコモンモード ノイズおよび干渉を大幅に低減します。

G3 の設計がクロック純度を改善する一方、その他の設計改善も温度安定性の向上につながっています。総合的な温度性能は、温度センサの精度、実際のMEMS温度からのセンサオフセット、MEMS 振動子の温度に対する感度を含む各種要因の複雑な相互作用の結果です。ポリシリコン FFS 振動子の共振周波数は約–17 ppm/ ℃の固有温度係数 (TCf) を持っています。その主な理由は、温度上昇によるポリシリコン剛性の低下です。しかし、酸化シリコンの剛性は温度とともに上昇します。ポリシリコンと酸化物が交互に重なった層を持つ複合的な振動子構造ならば、剛性変化を相殺してTCf を 1 桁以上低減できます。この方法は G2 と G3 の両方の設計に適用されており、温度変化に対する周波数安定性を大幅に改善する事が実証済みです。

図 10: G3 振動子の SEM 写真

L r = 170μm

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図 11: モード形のシミュレーション

図 12: 節点を示す正規化した変位と差動動作のための電極位置

オシレータおよびクロック製品のシステム設計

パッケージと構造

MEMS 方式オシレータおよびクロック製品は、CMOSASIC の上に積み重ねられワイヤ ボンディングされた小さな MEMS 振動子ダイで構成されています ( 図 13および図 14 参照 )。プラスチック モールド、マーキング、テストを経て、プラスチック VDFN パッケージの最終製品が完成します ( 図 15 参照 )。

図 13: CMOS ASIC 上に配置された MEMS振動子ダイの分解図

図 14: MEMS オシレータの開封写真

図 15: VDFN パッケージの最終製品

システム アーキテクチャ

MEMS 製品アーキテクチャの代表例として、図 16 にDSC2xxx を示します。この図は、左側の MEMS 振動子とそれに接続した右側の CMOS ASIC から成ります。

振動子ダイは 3 本の ASIC インターフェイス (res1、res_agnd、res2) に接続しています。振動子と参照オシレータ ブロック (REF OSC)を組み合わせる事で、水晶振動子オシレータと同様に振動子で周波数が決まるオシレータを構成します。この製品で使われているG2.x 振動子の共振周波数と参照オシレータ出力は約 18 MHz です。

この参照オシレータはフラクショナル N 位相ロックループ (PLL) を駆動します。この PLL はオシレータまたはクロックの出力周波数を目的の値に変換します。出力周波数の分解能は非常に細かく、通常 100 Hz 以下です。この PLL は、2 つのプログラマブル分周器チェーン (÷N1、N2) とプロトコル プログラマブルな2 つのバッファ (DRIVERS) を駆動します (CMOS、LVDS、LVPECL、HCSL のいずれにも設定できます )。

内蔵のプログラマブル不揮発性メモリ (OTP)とクロスバー スイッチは本製品の優れた柔軟性の要です。PLL と分周期の値 ( 出力周波数を設定 ) とその他の設定 ( 例 :温度校正設定、出力プロトコル選択、立ち上がり /立ち下がり時間制御、イネーブルピンのプルアップ /ダウン ) はこの OTP に保存されます。

Four Groups of4 Electrodes

Input Output+ – + – + – + – + – + – + – + –

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図 16: DSC2xxx のブロック図

温度変化に対する周波数安定性

温度センサ (TEMP SENSOR)はダイ温度を表すデジタル値を生成します。このデジタル値はフラクショナル N位相ロックループに送られ、振動子の温度係数だけでなく絶対周波数の変動も補償します。このシステムは、製造時に調整係数を ROM に書き込んで校正します。その結果、出力周波数はおよそ 100 Hz 以内で設定可能となり、かつ非常に優れた周波数安定性が得られます( 拡張温度レンジ全体を通して ±10 ppm、図 17 参照 )。

図 17: Microchip 社 MEMS オシレータの周波数安定性 ( 水晶振動子オシレータとの比較 )

出力クロックジッタ

MEMS振動子は駆動レベルが最大の時ジッタが最小になります。しかし、過度な駆動レベルは周波数偏移を生じさせます。この最適駆動レベルはダイ温度で変化するため、温度センサのアナログ出力を使って全温度レンジでオシレータ駆動電流を最適化します。

図 18 に、DSC1xxx および DSC2xxx ファミリの実効位相ジッタ特性を示します。これらのファミリは多くのネットワーク アプリケーションに理想的です。影響を受ける位相ノイズの周波数レンジはアプリケーションによって異なります。タイミング製品では通常、SONET技術以来ベンチマークとして12 kHz~20 MHzを使っています。しかし、クロックデータ リカバリロックループを使った今日の高速有線ネットワークは、キャリア近傍のノイズ (「クローズイン位相」または「低周波数オフセット」ノイズとも呼ぶ ) に耐性を持っており、高いキャリア オフセット周波数の特定の帯域のノイズにのみ敏感です。DSC1xxx および DSC2xxxファミリは 200 kHz~ 20 MHz 帯で 450 fsを達成しています。これらのファミリは 1 ギガビット Ethernet に適しており、XAUI および PCI 認証を取得しています。

現在量産中の MEMS オシレータは、PLL を使わない固定周波数の水晶振動子オシレータより大きな「クローズイン位相」ノイズ (5 kHz 未満のオフセット周波数でのノイズ ) を発生します。これは、非常に小さな振動子がノイズフロアに近い低振幅の参照信号を生成するためです。高オフセット周波数では、このノイズは PLL によって除去されます。しかし低オフセット周波数では、このノイズは出力まで到達します。上述のように、この事はほとんどのアプリケーションでは問題になりません。多くのアプリケーションは約100 kHz を超えるノイズにのみ影響を受けやすいためです。

新しい G3 世代の MEMS 振動子は、より大きなエネルギで駆動できるため、12 kHz ~ 20 MHz で固定周波数の水晶振動子オシレータ程度の位相ノイズしか発生しません。

Microchip’s MEMS LVPECL 156.25MHzCompetitor 1Competitor 2Competitor 3

Freq

uenc

y D

evia

tion

(PP

M)

High Stability Over Extended TemperatureTemperature (°C)

–50 –40 –30 –20 –10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140

60

50

40

30

20

10

0

–10

–20

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図 18: DSC11xx オシレータと DSC2xxx クロック オシレータの位相ノイズと関連ネットワーク アプリケーション

機能

Microchip 社の MEMS オシレータおよびクロック内は以下の機能を備えています。

• TimeFlash プログラミング ツールによる、出力周波数の選択とプログラミング

• 高速起動 : 1 ~ 5 ms

• 電磁適合性 (EMI 発生回避 )、プログラマブルな立ち上がり / 立ち下がり時間、スペクトラム拡散

• 電磁適合性 (外部ノイズおよび電磁界に対する感受性 ): EMC 規格 EN61000-4-3/4/6 準拠

サイズ

振動子ダイとあまり変わらない大きさの CMOS ASICを内蔵した DSC6000 は、最小 1.6 mm x 1.2 mm のパッケージで提供しています ( 図 19 参照 )。

Microchip 社の MEMS オシレータの信頼性

表 1 に示すように、MIL-STD-883 に準拠する機械的衝撃および振動試験の結果は、従来の水晶振動子技術より優れた性能を示しています。数年間の量産で蓄積した信頼性データは FIT、MTBF 信頼性、dppm の優れた品質レベルを示しています。

図 19: 提供中の MEMS オシレータのサイズ

156.25MHz DSC

1,000 10,000

Frequency Offset (Hz)100,000 1,000,000 10,000,000 100,000,000

–6.00E+01

–7.00E+01

–8.00E+01

–9.00E+01

–1.00E+02

–1.10E+02

–1.20E+02

–1.30E+02

–1.40E+02

–1.50E+02

–1.60E+02

Phase Noise vs. Frequency Offset1.7ps (12kHz - 20MHz) SAS

0.45ps (100kHz - 20MHz)1G EthernetFibre Channel

0.34ps (200kHz - 20MHz)

10G EthernetXAUIPCIe

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MEMS オシレータおよびクロック製品選択ガイド

図 20 と図 21 に、Microchip 社の現在の MEMS 製品を示します。

図 20: MEMS オシレータ選択ガイド

表 1: 信頼性データ

試験Microchip 社 MEMS

オシレータ水晶振動子オシレータ 改善 試験条件

機械的衝撃 50,000G 500G 100x MIL-STD-883試験方法 2002

振動 70G 20G 3.5x MIL-STD-883試験方法 2007

FIT (Failure in Time) 1.2 29 24x 信頼水準 = 90%

MTBF 1822 MHr 90 MHr 24x 信頼水準 = 90%

DPPM < 10 100 10x 全量産品に対して

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図 21: MEMS クロック選択ガイド

まとめ

本書では、Microchip 社のクロックおよびタイミング製品への MEMS 技術の適用について説明しました。従来の水晶振動子オシレータに対して、MEMS 方式の利点は高信頼性、小型、拡張動作温度レンジ全体での周波数安定性 ( 車載グレード 1)、プログラマブルである事です。これらの利点は車載、産業 / 医療、デジタル画像、ネットワーキング等の幅広いアプリケーションで高く評価されています。

3 世代の MEMS 方式振動子について説明しました。特に注目すべきは現在製造中の全 Microchip 社オシレータおよびクロックで採用している第 2 世代振動子と、間もなく超低ジッタ製品を可能にする第 3 世代振動子です。

オシレータおよびクロック製品のシステム設計は、MEMS 振動子とそれと組み合わせる CMOS ダイ( フラクショナル N PLL を駆動するオシレータ回路と出力バッファを実装 ) で構成されています。特殊な側面としては温度補償および高度のプログラム機能が含まれます。TimeFlash と呼ばれるプログラミングツールを使うと、ブランクデバイスを任意の周波数にプログラミングできます。

最後にオシレータおよびクロック選択ガイドを示しました。Microchip 社のクロックおよびタイミングソリューションの詳細は以下のウェブページをご覧ください。

http://www.microchip.com/design-centers/clock-and-timing

2017 Microchip Technology Inc. DS00002344A_JP - p.9

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NOTE:

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Microchip 社製デバイスのコード保護機能に関して以下の点にご注意ください。

• Microchip 社製品は、該当する Microchip 社データシートに記載の仕様を満たしています。

• Microchip 社では、通常の条件ならびに仕様に従って使用した場合、Microchip 社製品のセキュリティ レベルは、現在市場に

流通している同種製品の中でも最も高度であると考えています。

• しかし、コード保護機能を解除するための不正かつ違法な方法が存在する事もまた事実です。弊社の理解では、こうした手法

は Microchip 社データシートにある動作仕様書以外の方法で Microchip 社製品を使用する事になります。このような行為は知

的所有権の侵害に該当する可能性が非常に高いと言えます。

• Microchip 社は、コードの保全性に懸念を抱いているお客様と連携し、対応策に取り組んでいきます。

• Microchip 社を含む全ての半導体メーカーで、自社のコードのセキュリティを完全に保証できる企業はありません。コード保

護機能とは、Microchip 社が製品を「解読不能」として保証するものではありません。

コード保護機能は常に進歩しています。Microchip 社では、常に製品のコード保護機能の改善に取り組んでいます。Microchip 社の

コード保護機能の侵害は、デジタル ミレニアム著作権法に違反します。そのような行為によってソフトウェアまたはその他の著作

物に不正なアクセスを受けた場合、デジタル ミレニアム著作権法の定めるところにより損害賠償訴訟を起こす権利があります。

本書に記載されているデバイス アプリケーション等に関する

情報は、ユーザの便宜のためにのみ提供されているものであ

り、更新によって無効とされる事があります。お客様のアプ

リケーションが仕様を満たす事を保証する責任は、お客様に

あります。Microchip 社は、明示的、暗黙的、書面、口頭、法

定のいずれであるかを問わず、本書に記載されている情報に

関して、状態、品質、性能、商品性、特定目的への適合性を

はじめとする、いかなる類の表明も保証も行いません。

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また購入者はこれによって発生したあらゆる損害、クレーム、

訴訟、費用に関して、Microchip 社は擁護され、免責され、損

害を受けない事に同意するものとします。特に記載のない限

り、暗黙的あるいは明示的を問わず、Microchip 社が知的財産

権を保有しているライセンスは一切譲渡されません。

2017 Microchip Technology Inc.

Microchip 社では、Chandler および Tempe ( アリゾナ州 )、Gresham ( オレゴン州 ) の本部、設計部およびウェハー製造工場そしてカリフォルニア州とインドのデザインセンターが ISO/TS-16949:2009 認証を取得しています。Microchip 社の品質システム プロセスおよび手順は、PIC® MCU および dsPIC® DSC、KEELOQ® コード ホッピング デバイス、シリアル EEPROM、マイクロペリフェラル、不揮発性メモリ、アナログ製品に採用されています。さらに、開発システムの設計と製造に関する Microchip 社の品質システムは ISO 9001:2000 認証を取得しています。

商標

Microchip 社の名称とロゴ、Microchip ロゴ、AnyRate、AVR、AVR logo、AVR Freaks、BeaconThings、BitCloud、CryptoMemory、CryptoRF、dsPIC、FlashFlex、flexPWR、Heldo、JukeBlox、KEELOQ、KEELOQlogo、Kleer、LANCheck、LINK MD、maXStylus、maXTouch、MediaLB、megaAVR、MOST、MOST logo、MPLAB、OptoLyzer、PIC、picoPower、PICSTART、PIC32 logo、Prochip Designer、QTouch、RightTouch、SAM-BA、SpyNIC、SST、SST Logo、SuperFlash、tinyAVR、UNI/O、および XMEGA は米国およびその他の国における Microchip Technology Incorporated の登録商標です。

ClockWorks、Embedded Control Solutions Company、EtherSynch、Hyper Speed Control、HyperLight Load、IntelliMOS、mTouch、Precision Edge、および Quiet-Wire は米国における MicrochipTechnology Incorporated の登録商標です。

Adjacent Key Suppression、AKS、Analog-for-the-Digital Age、Any Capacitor、AnyIn、AnyOut、BodyCom、chipKIT、chipKITlogo、CodeGuard、CryptoAuthentication、CryptoCompanion、CryptoController、dsPICDEM、dsPICDEM.net、DynamicAverage Matching、DAM、ECAN、EtherGREEN、In-CircuitSerial Programming、ICSP、Inter-Chip Connectivity、JitterBlocker、KleerNet、KleerNet logo、Mindi、MiWi、motorBench、MPASM、MPF、MPLAB Certified logo、MPLIB、MPLINK、MultiTRAK、NetDetach、Omniscient Code Generation、PICDEM、PICDEM.net、PICkit、PICtail、PureSilicon、QMatrix、RightTouch logo、REALICE、Ripple Blocker、SAM-ICE、Serial Quad I/O、SMART-I.S.、SQI, SuperSwitcher、SuperSwitcher II、Total Endurance、TSHARC、USBCheck、VariSense、ViewSpan、WiperLock、Wireless DNA、およびZENAは米国およびその他のMicrochipTechnology Incorporated の商標です。

SQTP は米国における Microchip Technology Incorporated のサービスマークです。

Silicon Storage Technology は他の国における MicrochipTechnology Inc. の登録商標です。

GestIC は Microchip Technology Inc. の子会社である MicrochipTechnology Germany II GmbH & Co. & KG 社の他の国における登録商標です。

その他本書に記載されている商標は各社に帰属します。

© 2017, Microchip Technology Incorporated, All Rights Reserved.

ISBN: 978-1-5224-1404-9

DS00002344A_JP - p. 11

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2017 Microchip Technology Inc. DS00002344A_JP - p.12

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アトランタDuluth, GA Tel: 678-957-9614 Fax: 678-957-1455

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ボストンWestborough, MATel: 774-760-0087 Fax: 774-760-0088

シカゴItasca, ILTel: 630-285-0071 Fax: 630-285-0075

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マレーシア - ペナン

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フィリピン - マニラ

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シンガポールTel: 65-6334-8870Fax: 65-6334-8850

台湾 - 新竹

Tel: 886-3-5778-366Fax: 886-3-5770-955

台湾 - 高雄

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台湾 - 台北

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タイ - バンコク

Tel: 66-2-694-1351Fax: 66-2-694-1350

ヨーロッパオーストリア - ヴェルス

Tel: 43-7242-2244-39Fax: 43-7242-2244-393

デンマーク - コペンハーゲン

Tel: 45-4450-2828 Fax: 45-4485-2829

フィンランド - エスポー

Tel: 358-9-4520-820

フランス - パリ

Tel: 33-1-69-53-63-20 Fax: 33-1-69-30-90-79

フランス - サン=クルー

Tel: 33-1-30-60-70-00

ドイツ - ガルヒング

Tel: 49-8931-9700

ドイツ - ハーン

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ド イ ツ - ハイルブロン

Tel: 49-7131-67-3636

ドイツ - カールスルーエ

Tel: 49-721-625370

ドイツ - ミュンヘン

Tel: 49-89-627-144-0 Fax: 49-89-627-144-44

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イスラエル - ラーナナ

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イタリア - ヴェニス

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オランダ - ドリューネン

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11/07/16