XL ALP-IFCC - Eiken · 2020. 5. 28. ·...

2
特 徴 本法はIFCC基準測定操作法(IFCC法)に基づく測定試薬です。 日本臨床化学会から提唱された測定法変更 1,2,3) に対応可能です。 全剤型R1, R2セット包装およびバーコード対応により試薬管理が容易です。 大小2種類の包装単位の他、日立LABOSPECTシリーズやキヤノンcシリーズに おける専用ボトルにも対応しています。 エクディア ® XL ALP-IFCC エクディア ® XL LD-IFCC 血液検査用アルカリ性フォスファターゼキット エクディア ® XL ALP-IFCC 乳酸脱水素酵素キット エクディア ® XL LD-IFCC 14E1X80015000010 届出番号 エクディア ® XL ‘栄研’ALP-IFCC 14E1X80015000011 届出番号 エクディア ® XL ‘栄研’ LD-IFCC 2020年3月作成 AK5 1228 本品の使用上または取扱い上の注意については、添付文書及び使用説明書をご参照ください。 IFCC法はJSCC法と比べ、 測定値が3分の1程度(換算係数0.35倍) になります。 小腸型ALPを多く含む検体では、 IFCC法に変更することで低めに測定されます。 (ABO式血液型がBまたはO型で分泌型の人で小腸型ALPが血中に出現しやすく、脂肪食後は影響が大きくなります) 胎盤型ALPを多く含む検体では、 IFCC法に変更することで高めに測定されます。 (妊婦の場合、妊娠週数とともに胎盤型ALPの血中濃度が高くなるため、この傾向がより顕著になります) 成人男女、および新生児や小児ともに新たに基準範囲が設定されています。 ALP 一部の症例(下記参照)を除き、JSCC法とIFCC法でほぼ測定値に違いはありませんLD5優位となる肝疾患では、 IFCC法に変更することで低めに測定されます(LD5が50%の症例で乖離は20%未満)。 JCCLS共用基準範囲を変更せずに適用出来ることが確認されています。 LD 項目略称はJSCC法, IFCC法の識別を明確にし、表記の形式はALP, LDで合わせることが原則とされています。 (例:ALP(IFCC) , LD(IFCC)、ALP_IFCC, LD_IFCC など) 必ずしもJSCC法との併用は必要はなく、ALPでは自施設の責任においてJSCC法への換算も認められています。 (例:ALP_JSカン、ALP_Jカンなど実測値との区別を行い、 IFCC法測定値に2.84倍してJSCC法測定値に換算) ALP, LD共通 JSCC法からIFCC法への変更に関する注意点 1,2,3) 主要文献 1) 日本臨床化学会 酵素・試薬専門委員会 ALPプロジェクト・LDプロジェクト : ALP・LD測定法変更について -医療従事者向け-, ver.1.0,2019. 2) 日本臨床化学会 酵素・試薬専門委員会 ALPプロジェクト・LDプロジェクト : ALP・LD測定法変更について -検査室実務者向け補足説明-, ver.1.0,2019. 3) 日本臨床化学会 酵素・試薬専門委員会 ALPプロジェクト・LDプロジェクト : ALP・LD測定法変更に関わるQ and A, ver.2.0:2020. 4) 金井正光, 他 : Ⅶ 酵素とアイソザイム測定法, 臨床検査法提要改訂第34版 : 552-589, 2015. 5) 製造販売元 自社データ (別売 コントロール血清) ※「Aalto Control LEVELⅠ α」 「Aalto Control LEVEL Ⅱα」は別包装がございます。 ※その他別売のコントロール血清「酵素コントロールプラス1・2 TM (製造販売元:シスメックス株式会社)もございます。 製 品 名 Aalto Control LEVELⅠ α Aalto Control LEVEL Ⅱα 包装単位 5.0mL用×1 5.0mL用×1 貯蔵方法 2~8℃ 2~8℃ 有効期間 3年間 3年間 製品コード J-RC11 J-RC13 〔一般品〕 (別売 キャリブレータ) 製 品 名 Aalto EC α ※その他別売のキャリブレータ「酵素キャリブレータープラス TM (製造販売元 : シスメックス株式会社)もございます。 5.0mL用×1 包装単位 J-RC07 製品コード 2~8℃ 貯蔵方法 180日間 有効期間 包装単位・貯蔵方法・有効期間 〔体外診断用医薬品〕 エクディア ® XL ALP-IFCC エクディア ® XL LD-IFCC 製 品 名 セット内容 試薬-1: 試薬-2: 49.5mL 20.0mL ×2 ×2 試薬-1: 試薬-2: 20.0mL 8.9mL ×2 ×2 試薬-1: 試薬-2: 55.6mL 22.0mL ×2 ×2 試薬-1: 試薬-2: 51mL 21mL ×2 ×2 試薬-1: 試薬-2: 49.5mL 20.0mL ×2 ×2 試薬-1: 試薬-2: 20.0mL 8.9mL ×2 ×2 試薬-1: 試薬-2: 55.6mL 22.0mL ×2 ×2 試薬-1: 試薬-2: 51mL 21mL ×2 ×2 貯蔵方法 2~8℃ 2~8℃ 有効期間 1年間 6ヵ月間 製品コード G-QA21 G-QA22 G-QA23 G-QA24 G-QL11 G-QL12 G-QL13 G-QL14 適用機種例 日立7180、TBA120FR、 AU680 他 BM6050、BM6070 他 日立LABOSPECT キヤノンcシリーズ 日立7180、TBA120FR、 AU680 他 BM6050、BM6070 他 日立LABOSPECT キヤノンcシリーズ 販売元 〒329-0114 栃木県下都賀郡野木町野木143番地 製造販売元 神奈川県相模原市南区大野台4-1-93

Transcript of XL ALP-IFCC - Eiken · 2020. 5. 28. ·...

Page 1: XL ALP-IFCC - Eiken · 2020. 5. 28. · が、本試薬を含むifcc法(nmg緩衝液使用)ではこの点が解消されています。また、alpと同様に、ifcc法の利用により海外

特 徴本法はIFCC基準測定操作法(IFCC法)に基づく測定試薬です。日本臨床化学会から提唱された測定法変更1,2,3)に対応可能です。全剤型R1, R2セット包装およびバーコード対応により試薬管理が容易です。大小2種類の包装単位の他、日立LABOSPECTシリーズやキヤノンcシリーズにおける専用ボトルにも対応しています。

エクディア®XL ALP-IFCC エクディア®XL LD-IFCC

血液検査用アルカリ性フォスファターゼキット

エクディア®XL ALP-IFCC乳酸脱水素酵素キット

エクディア®XL LD-IFCC

体 外 診 断 用 医 薬 品14E1X80015000010届出番号

エクディア®XL‘栄研’ALP-IFCC

体 外 診 断 用 医 薬 品14E1X80015000011届出番号

エクディア®XL‘栄研’LD-IFCC

2020年3月作成

AK51228

本品の使用上または取扱い上の注意については、添付文書及び使用説明書をご参照ください。

❶IFCC法はJSCC法と比べ、測定値が3分の1程度(換算係数0.35倍)になります。❷小腸型ALPを多く含む検体では、IFCC法に変更することで低めに測定されます。 (ABO式血液型がBまたはO型で分泌型の人で小腸型ALPが血中に出現しやすく、脂肪食後は影響が大きくなります)❸胎盤型ALPを多く含む検体では、IFCC法に変更することで高めに測定されます。 (妊婦の場合、妊娠週数とともに胎盤型ALPの血中濃度が高くなるため、この傾向がより顕著になります)❹成人男女、および新生児や小児ともに新たに基準範囲が設定されています。

ALP

❶一部の症例(下記❷参照)を除き、JSCC法とIFCC法でほぼ測定値に違いはありません。❷LD5優位となる肝疾患では、IFCC法に変更することで低めに測定されます(LD5が50%の症例で乖離は20%未満)。❸JCCLS共用基準範囲を変更せずに適用出来ることが確認されています。

LD

❶項目略称はJSCC法, IFCC法の識別を明確にし、表記の形式はALP, LDで合わせることが原則とされています。(例 : ALP(IFCC), LD(IFCC)、ALP_IFCC, LD_IFCC など)❷必ずしもJSCC法との併用は必要はなく、ALPでは自施設の責任においてJSCC法への換算も認められています。(例 : ALP_JSカン、ALP_Jカンなど実測値との区別を行い、IFCC法測定値に2.84倍してJSCC法測定値に換算)

ALP, LD共通

■JSCC法からIFCC法への変更に関する注意点1,2,3)

主要文献1) 日本臨床化学会 酵素・試薬専門委員会 ALPプロジェクト・LDプロジェクト : ALP・LD測定法変更について -医療従事者向け-,ver.1.0,2019.2) 日本臨床化学会 酵素・試薬専門委員会 ALPプロジェクト・LDプロジェクト : ALP・LD測定法変更について -検査室実務者向け補足説明-,ver.1.0,2019.3) 日本臨床化学会 酵素・試薬専門委員会 ALPプロジェクト・LDプロジェクト : ALP・LD測定法変更に関わるQ and A,ver.2.0:2020.4) 金井正光, 他 : Ⅶ 酵素とアイソザイム測定法, 臨床検査法提要改訂第34版 : 552-589, 2015.5) 製造販売元 自社データ

(別売 コントロール血清)

※「Aalto Control LEVEL Ⅰ α」「Aalto Control LEVEL Ⅱ α」は別包装がございます。※その他別売のコントロール血清「酵素コントロールプラス1・2TM」(製造販売元 : シスメックス株式会社)もございます。

製 品 名Aalto Control LEVEL Ⅰ αAalto Control LEVEL Ⅱ α

包装単位5.0mL用×15.0mL用×1

貯蔵方法2~8℃2~8℃

有効期間3年間3年間

製品コードJ-RC11J-RC13

〔一般品〕(別売 キャリブレータ)

製 品 名Aalto EC α

※その他別売のキャリブレータ「酵素キャリブレータープラスTM」(製造販売元 : シスメックス株式会社)もございます。5.0mL用×1包装単位

J-RC07製品コード

2~8℃貯蔵方法

180日間有効期間

■包装単位・貯蔵方法・有効期間〔体外診断用医薬品〕

エクディア®XL ALP-IFCC

エクディア®XL LD-IFCC

製 品 名 セット内容試薬-1 :試薬-2 :

49.5mL20.0mL

×2×2

試薬-1 :試薬-2 :

20.0mL8.9mL

×2×2

試薬-1 :試薬-2 :

55.6mL22.0mL

×2×2

試薬-1 :試薬-2 :

51mL21mL

×2×2

試薬-1 :試薬-2 :

49.5mL20.0mL

×2×2

試薬-1 :試薬-2 :

20.0mL8.9mL

×2×2

試薬-1 :試薬-2 :

55.6mL22.0mL

×2×2

試薬-1 :試薬-2 :

51mL21mL

×2×2

貯蔵方法

2~8℃

2~8℃

有効期間

1年間

6ヵ月間

製品コード

G-QA21

G-QA22

G-QA23

G-QA24

G-QL11

G-QL12

G-QL13

G-QL14

適用機種例 日立7180、TBA120FR、

AU680 他

BM6050、BM6070 他

日立LABOSPECT

キヤノンcシリーズ

日立7180、TBA120FR、AU680 他

BM6050、BM6070 他

日立LABOSPECT

キヤノンcシリーズ

販売元〒329-0114 栃木県下都賀郡野木町野木143番地

製造販売元神奈川県相模原市南区大野台4-1-93

Page 2: XL ALP-IFCC - Eiken · 2020. 5. 28. · が、本試薬を含むifcc法(nmg緩衝液使用)ではこの点が解消されています。また、alpと同様に、ifcc法の利用により海外

エクディア®XL ALP-IFCC エクディア®XL LD-IFCC

 アルカリフォスファターゼ(ALP)は腎臓、小腸、骨芽細胞、胎盤、肝臓等に比較的多く存在し、細胞膜に局在して膜を通してのリン酸の転送に関与すると考えられています。血中では骨疾患、肝・胆道疾患、甲状腺機能障害、妊娠等で高値を示します4)。 これまで主に用いられていたJSCC法(EAE緩衝液使用)では、一部の健常者の血中に出現する小腸型ALPの影響で高値となることが知られています。本試薬を含むIFCC法(AMP緩衝液使用)では、小腸型ALPに対する反応性が低く抑えられ、疾患と無関係に上昇する症例が低減化されます。これにより、本来のALPの持つ臨床的意義が向上するとともに、国際的な治療ガイドラインの応用や治験への参画も期待されています1)。

はじめに

 検体中のALPは、アルカリ性下でp-ニトロフェニルリン酸を基質として、p-ニトロフェノールとリン酸を生成させます。このp-ニトロフェノールは405nm付近に吸収極大をもちますので、この吸光度の増加速度を測定してALP活性値を求めます。

測定原理

 血清又は血漿中のアルカリフォスファターゼ(ALP)の測定

使用目的

基礎データ5) 測定機種 : 日立7180形自動分析装置

 2 ~ 1,000 U/L(37℃)

測定範囲

 38 ~ 113 U/L (成人男女)

基準範囲1)

●希釈直線性

●相関性

 乳酸脱水素酵素(LD)は生体内の各組織中に広く分布し、嫌気的解糖系の最終段階に働きます。血中では心臓、肝臓、腎臓等の各種疾患、悪性腫瘍、白血病、悪性貧血等で上昇がみられ、これらの疾患の診断、経過観察の指標となります4)。 これまで主に用いられていたJSCC法(DEA緩衝液使用)では、アイソザイム分画により反応性の差が認められていましたが、本試薬を含むIFCC法(NMG緩衝液使用)ではこの点が解消されています。また、ALPと同様に、IFCC法の利用により海外との測定値の共有化が可能です1)。

はじめに

 検体中のLDは、L-乳酸リチウムを基質としてピルビン酸を生成すると同時に、NADをNADHに変化させます。NADHは340nmに吸収極大をもつので、この吸光度の増加速度を測定してLD活性値を求めます。

測定原理

 血清又は血漿中の乳酸脱水素酵素(LD)の測定

使用目的

基礎データ5) 測定機種 : 日立7180形自動分析装置

 3 ~ 1,500 U/L(37℃)

測定範囲

 124 ~ 222 U/L (成人男女)

基準範囲1)

●希釈直線性

●相関性

●試薬安定性(装置内保存) ●妨害物質下記濃度まで±3%以内の変動であることを確認しました。

アスコルビン酸

抱合型ビリルビン

遊離型ビリルビン

乳ビ(ホルマジン濁度)

20 mg/dL

20 mg/dL

20 mg/dL

3,000 度

●試薬安定性(装置内保存) ●妨害物質下記濃度まで±3%以内の変動であることを確認しました。

アスコルビン酸

抱合型ビリルビン

遊離型ビリルビン

ヘモグロビン

乳ビ(ホルマジン濁度)

20 mg/dL

20 mg/dL

20 mg/dL

500 mg/dL

3,000 度

●同時再現性単位 : U/mL

試料 2

51631680.691.14165.920

試料 1

263651.040.6764.720

RangeMin.Max.C.V.(%)S.D.Meann

●同時再現性単位 : U/mL

試料 2

85125200.562.87516.620

試料 1

41381420.741.04140.420

RangeMin.Max.C.V.(%)S.D.Meann

250

200

150

100

50

00 147 21 28 35

経過日数

測定値(U/L)

初日のみキャリブレーションを実施しました。

500

400

300

200

100

00 147 21 28 35

経過日数

測定値(U/L)

初日のみキャリブレーションを実施しました。

3503002502001501005000 200 250100 15050 300 350

IFCC基準操作測定法(U/L)

エクディアXL   ALP-IFCC

(U/L)

n = 224y = 1.001x + 0.3r = 1.000

1,000

800

600

400

200

00 600 800200 400 1,000

エクディアXL   ALP-IFCC

(U/L)

n = 224y = 0.327x + 0.9r = 0.990

JSCC法試薬:エクディアXL   ALPⅡ-J(U/L)

1,4001,2001,00080060040020000/10 4/102/10 6/10 8/10 10/10

希釈系列

測定値 (U/L)

3,000

2,500

2,000

1,500

1,000

500

00/10 4/102/10 6/10 8/10 10/10

希釈系列

測定値 (U/L)

80070060050040030020010000 600 700200 300 500100 400 800

IFCC基準操作測定法(U/L)

エクディアXL   LD-IFCC

(U/L)

n = 99y = 1.005x - 2.3r = 1.000

80070060050040030020010000 600 700200 300 500100 400 800

エクディアXL   LD-IFCC

(U/L)

n = 99y = 1.042x - 5.2 r = 0.999

JSCC法試薬:エクディアXL   LDHⅡ-J(U/L)