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- 31 - 第3章 障がい者施策の考え方 将来フレーム 本計画における、三鷹市の将来推計人口及び各障がい種別の出現率をもとに障がい者 数を推計すると、平成 29 年度では、身体障がい者は 4,309 人、知的障がい者は 1,014 人、精神障がい者は 1,466 人になると考えられます。 なお、難病患者については、平成 26 年5月に成立した「難病の患者に対する医療等 に関する法律」により、対象疾病が拡大することが予定されていますが、本市の平成 26 年3月の特定疾患手当疾病対象者数は 1,562 人となっています。 <障がい者数の推計> 単位:人 現況 推計 平成 26~29 年 の増加率(%) 平成 26 年 平成 27 年 平成 28 年 平成 29 年 総人口 181,751 182,142 182,508 182,845 + 0.6 身体障がい者 4,176 4,222 4,267 4,309 + 3.2 知的障がい者 936 965 989 1,014 + 8.3 精神障がい者 1,240 1,345 1,406 1,466 + 18.2 合計 6,352 6,532 6,662 6,789 + 6.9 【推計方法】 (1)総人口 平成 21~26 年の各年 10 月 1 日現在の年齢別人口をベースにコーホート変化率法を用いて 推計 (2)身体障がい者数、知的障がい者数、精神障がい者数 平成 21~26 年の各年の手帳所持者数をベースに総人口に対する出現率を推計し、(1)で 推計した総人口に乗じて算出 ※ 上記推計は、今後の人口動向により、第 4 次基本計画第 1 次改定の際、必要な見直しを図 ることとします。 4,176 4,222 4,267 4,309 936 965 989 1,014 1,240 1,345 1,406 1,466 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 平成26平成27平成28平成29身体障がい者 知的障がい者 精神障がい者 (人)

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第3章 障がい者施策の考え方

1 将来フレーム

本計画における、三鷹市の将来推計人口及び各障がい種別の出現率をもとに障がい者

数を推計すると、平成 29年度では、身体障がい者は 4,309人、知的障がい者は 1,014

人、精神障がい者は 1,466人になると考えられます。

なお、難病患者については、平成 26年5月に成立した「難病の患者に対する医療等

に関する法律」により、対象疾病が拡大することが予定されていますが、本市の平成

26年3月の特定疾患手当疾病対象者数は 1,562人となっています。

<障がい者数の推計> 単位:人

現況 推計 平成 26~29 年

の増加率(%) 平成 26 年 平成 27 年 平成 28 年 平成 29 年

総人口 181,751 182,142 182,508 182,845 + 0.6

身体障がい者 4,176 4,222 4,267 4,309 + 3.2

知的障がい者 936 965 989 1,014 + 8.3

精神障がい者 1,240 1,345 1,406 1,466 + 18.2

合計 6,352 6,532 6,662 6,789 + 6.9

【推計方法】 (1)総人口 平成 21~26年の各年 10月 1日現在の年齢別人口をベースにコーホート変化率法を用いて推計

(2)身体障がい者数、知的障がい者数、精神障がい者数 平成 21~26年の各年の手帳所持者数をベースに総人口に対する出現率を推計し、(1)で推計した総人口に乗じて算出

※ 上記推計は、今後の人口動向により、第 4次基本計画第 1次改定の際、必要な見直しを図ることとします。

4,176 4,222 4,267 4,309

936 965 989 1,014

1,240 1,345 1,406 1,466

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

平成26年 平成27年 平成28年 平成29年

身体障がい者

知的障がい者

精神障がい者

(人)

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2 障がい者施策のビジョン

(1)3つのビジョン

障がい者施策のビジョンは、基本的に第3期障がい福祉計画のビジョンを引き継

ぐとともに、障がい者を取り巻く制度的状況の変化や三鷹市の障がい者を取り巻く

課題などから、次の3つのビジョンを掲げます。

だれもが住み慣れた地域で

安心して暮らしていけるまち

だれもが地域社会の中で

個 性 を 生 か し つ つ

社 会 の 構 成 員 と し て

自立して生活できるまち

だれもが障がいの有無によって

分け隔てられることなく

相互に人格と個性を尊重し合いながら

共 生 で き る ま ち

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(2)ビジョン実現に向けた重点課題

ビジョンの実現に向けては、3年間を計画期間とする障がい福祉計画の中での課

題抽出と、その課題に対する方策の実施を繰り返していくことが重要です。

本計画における障がい者施策のビジョンの実現に向けては、以下の6つを重点的

に取り組むべき課題として設定し、市民・事業者・関係機関等の参画と協働により、

積極的な推進を図ることとします。

また、3年間の計画期間内において、年1回、施策の点検・評価を行うとともに、

各年度の財政状況等も踏まえた必要な見直しを行い、施策の効果的な推進を図りま

す。

《ビジョンの実現イメージ》

課題1

情報提供

課題2

就労の促進

課題3

地域移行

課題4

障がい児支援

課題5

地域での生活の

しやすさ

課題6

相談支援

3つのビジョンの実現

課題解決に向けた取組み

課題解決に向けた取組み

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3 ビジョンの実現のための重点課題

ビジョンを実現するための6つの重点課題の解決に向けては、現状の取組みや実績を

確認しながら、主に「三鷹市障がい者地域自立支援協議会計画検討部会」(以下「計画

検討部会」という。)において、様々なご意見をいただきました。

重点課題の展開は、(1)「現状の取組みと実績」、(2)計画検討部会において提案さ

れたご意見・アイデア等を掲載した「課題解決のための意見・アイデア等」、(3)障が

い福祉計画としての取組みに加え、平成 27年度に改定を予定している三鷹市健康福祉

総合計画 2022の見直しの方向性を示す「障がい者計画改定に向けた方向性」、(4)「現

在、実施している事業において充実させる事項」、の4項目で構成し、「現状~課題把握

~対応策」の一連の経過について、表記しました。

重点課題1 情報提供

(1)現状の取組みと実績

障害者手帳の交付時には、地域を担当するケースワーカー(市職員)より、利用可

能なサービスの紹介と申請の受理等を行っているほか、難病患者の方向けには、医療

費助成及び特定疾患手当の申請時に、利用できるサービス情報が掲載されたパンフレ

ットを配布しています。

また、毎年、最新の障がい福祉情報を掲載した「障がい者のためのしおり」を発行

しているほか、福祉相談窓口情報紙の配布、ウェブアクセシビリティ*に配慮したホ

ームページの運用等を行っています。

ウェブアクセシビリティ*: ウェブ(インターネット上で標準的に用いられている、文書の公開・閲覧システム)を利用するすべての人が、

年齢や身体的制約、利用環境等に関係なく、ウェブで提供されている情報に問題なくアクセスし、機能を利用できること

《市の取組み実績》

障がい福祉情報

(冊子)

障がい者のためのしおり

(800部/年 発行)

相談窓口情報

(パンフレット)

福祉相談窓口ガイド

(市内の関係団体、相談機関、ハローワーク等 26の窓口に配布)

市ホームページ

○ 音声読み上げ機能、サイズ・カラー変更機能、ふりがな機能を付加

○ JIS規格(日本工業規格)の指針に基づいたホームページの運用

○ よくある質問と回答をホームページ上で公開

市報 ○ 月2回(第1・3日曜日)発行(約 9万部/回)

○ 点字・音声版も希望者に配布

その他

○ 市報、ケーブルテレビ(株式会社ジェイコム武蔵野三鷹)、ラジオ(FM

むさしの)における情報提供

○ 地域資源の活動情報を掲示できる「みんなの掲示板」や情報交換の場

としての地域 SNSの運営

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《平成 25年度実態調査結果》

・ 障害福祉サービスの支給決定を受けたが、一部もしくは全く利用していない人

にその理由を尋ねたところ、約3割の人が、「内容がわからない」を理由にあげて

いる。

・ 障害福祉サービスや制度について、もっと知りたいと思うかどうかを尋ねたと

ころ、約8割の人が「かなりそう思う・ややそう思う」と回答している。

・ 障害福祉サービスや制度についての情報を知らせる手段としてどれが便利かを

尋ねたところ、「市の広報」が約8割、「市のホームページ」が約3割となってい

る。

28.2% 31.0%27.4%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

身体障がい(n=142) 知的障がい(n=29) 精神障がい(n=73)

34.4

45.6

40.5

64.5

44.4

38.0

39.3

22.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

身体障がい(n=270)

知的障がい(n=79)

精神障がい(n=173)

重複障がい(n=31)

かなりそう思う ややそう思う あまりそう思わない まったくそう思わない

74.3%

29.1%

20.1%

9.3%

0% 40% 80%

市の広報

市のホームページ

市のメールマガジン

その他

身体障がい(n=268)

79.7%

31.6%

8.9%

13.9%

0% 40% 80%

知的障がい(n=79)

69.0%

29.2%

18.7%

15.8%

0% 40% 80%

精神障がい(n=171)

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知っていた4.9%

知らなかった94.8%

難病患者

n=367

・ 難病患者の大半(94.8%)は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスが

利用できることになったことを知らない。

・ 障がい児調査の自由意見では、「子どもが小さいのでサービスは使っていないが、

将来的には使わざるを得ないと思うので、どんなサービスがあるか情報提供して

ほしい」や「障がい児育児は孤独になりがちなので、どこから情報を得たらよい

か教えてほしい」などがみられた。

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(2)課題解決のための意見・アイデア等(計画検討部会より)

以下のような意見が出されました。

市報や市ホームページ等の媒体をもっと利用しやすいよう工夫・改善してみてはどうか

具体的な

意見内容

○ 市報で情報を得ている人が多い。掲載内容や特集号などの工夫

ができないか。

○ 市ホームページをよりわかりやすい・利用しやすいようにリニ

ューアルしてはどうか。

○ 「障がい者のためのしおり」や「福祉相談窓口ガイド」は、配

布方法や・配布場所などを工夫し、より多くの人の手に渡るよう

にできないか。

○ サービス利用者の体験などを冊子にまとめて、よりイメージが

わくようにしてはどうか。

現在、あまり活用されていないツールを利用してはどうか

具体的な

意見内容

○ スマートフォンやケーブルテレビ等の ICT(情報通信技術)を

福祉情報を提供することに活用できないか。その際には、障がい

のある人が ICT機器を活用できるようにする支援も必要になる。

一方的に情報を提供するだけでなく、対面による説明が有効ではないか

具体的な

意見内容

○ 障がい者家族会や当事者会等に市の担当者が出向いて、説明や

情報提供を行ってはどうか。

○ 市役所窓口に、ルビを振った資料や、絵や図でわかりやすくし

た資料を用意したり、対面式のマンツーマンでわかりやすく、読

み聞かせる方法が有効ではないか。

当事者に対してだけでなく、親への情報提供も必要ではないか

具体的な

意見内容

○ 障がい児の親の不安を取り除き、的確な判断・対応ができるよ

うな情報提供が必要ではないか。

情報提供者のスキルアップや専門機関につなぐシステムが必要ではないか

具体的な

意見内容

○ 情報提供側のスキルアップが必要ではないか。

○ 一次相談を受けた団体・事業者から、相談者を専門機関に紹介

するシステムが必要になるのではないか。

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(3)障がい者計画改定に向けた方向性

【 】内は、健康福祉総合計画 2022における対応予定箇所を示しています。

きめ細かな情報提供方法の検討 【3(1)①わかりやすい情報提供の充実】

福祉サービス等に関する情報提供にあたっては、その情報を必要とする人に確実

に届くよう工夫・検討を進めます。例えば、市役所の窓口対応においては、ルビを

振り、絵や図を使った資料の活用や、丁寧な読み聞かせに努めるなど、利用者の視

点に立ったきめ細かな情報提供方法を検討します。

情報アクセシビリティの向上 【2(3)③情報バリアフリーの推進】

障がいの有無や種類にかかわらず、ICT(情報通信技術)やスマートフォン、ケ

ーブルテレビ等の各種媒体を最大限活用し、障がいの特性に応じたわかりやすい情

報提供に努めます。

相談・情報提供従事者の資質向上及びネットワークの構築

【7(1)①障がい者地域自立支援協議会の運営の推進】

障がい者地域自立支援協議会専門部会等を活用し、個別の相談事例や情報活用の

好事例等の共有化を図り、相談支援事業に従事する者の資質の向上を図るとともに、

事業者間のネットワークを構築し、障がい者支援がより円滑に遂行できる体制の整

備に努めます。

コラム1

福祉相談窓口ガイド

市では、障がい者地域自立支援協議会相談支援部会と協働し、市内の福祉相談窓口ガイドを作成しました。このガイドは、行政機関のほか、障がい者相談支援事業者や医療機関等、障がいのある方々が、日頃の困り事などで相談する可能性がある窓口を一つのマップにまとめ、各窓口の開設時間等の詳細情報についてもまとめた構成になっています。 現在、市役所のほか、市内相談支援事業所等に配布していますが、今後、医療機関等においても周知・配布の協力をしていただけるよう検討していきます。

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(4)現在、実施している事業において充実させる事項

・イベントや講座等開催時における手話通訳者や要約筆記奉仕員等の派遣

意思疎通支援事業として、市が開催するイベントや講座等に手話通訳者、要約

筆記奉仕員の派遣をより一層充実します。派遣するイベントや講座等については、

様々な媒体を活用して事前告知し、多くの方の社会参加を促進します。

・障がい者の ICT 利活用支援の充実

聴覚・視覚障がいのある方に対するパソコン講習会の開催により、インターネ

ット等の ICT(情報通信技術)の利活用の機会を拡大するとともに、取組みをよ

り多くの対象者に周知するよう努めます。

・市報・ホームページ等の充実

市報・ホームページ等による情報提供の際には、情報を得ている人にわかりや

すい表現を工夫するなどの配慮をするとともに、市ホームページ内「よくある質

問と回答」ページを活用し、利用者の視点に立った情報提供を心がけます。

・職員派遣による説明会等の充実

福祉サービス等に関する情報の提供にあたっては、サークル・家族会等の会議、

会合等に職員を派遣し、積極的な情報提供に努めます。

・障がい者のためのしおりの充実

障がい者福祉に関する各種施策を総合的にまとめている「障がい者のためのし

おり」の見やすさや内容を充実させ、誰もがわかりやすい冊子とするための検討

をします。

また、サービス利用者の声などサービス利用に関する具体的なイメージを湧か

せ情報を必要としている人に的確に伝わるよう努めます。

・福祉相談窓口ガイドの活用

三鷹市障がい者地域自立支援協議会相談支援部会との協働により作成した「福

祉相談窓口ガイド」については、医療機関や高齢者施設等のニーズのある施設等

を選定し、設置・配布するなど、多くの人に行き渡るよう、有効な配布方法の検

討を進めます。

・相談対応職員の資質向上

市役所や委託相談支援機関の相談窓口は、ワンストップの窓口として的確に専

門機関へつなげるよう、適切な研修や定期的な委託事業者等との連絡会を活用す

ることなどにより、窓口対応職員の質の維持・向上を図ります。

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重点課題2 就労の促進

(1)現状の取組みと実績

三鷹市では、障がい者就労支援センターかけはしを、市内の就労支援ネットワーク

の拠点として位置付け、ハローワーク(公共職業安定所)との連携のもと、一般就労

をめざす障がい者に対し、就職準備、求職活動、職場定着等の段階に応じた継続的な

支援を行うほか、武蔵野市、ハローワーク、支援機関等と連携し、障がい者の就労に

関するシンポジウム等の開催を通じ、関係者、当事者やその家族への啓発の取組みを

実施しています。

なお、同センターでは、平成 26年度より職員を1名増員し、常勤 4名、非常勤 1

名の計 5名体制で相談支援体制の強化に努めています。

また、地域商工会や、特例子会社、特別支援学校関係者等により、障がい者地域自

立支援協議会就労支援部会を構成し、就労支援に関するテーマ等について検討を行っ

ています。

《工賃向上に係る市の取組み》

○ アンテナショップの設置・運営(平成 20年度~)

三鷹駅前福祉住宅1階に「星と風のカフェ」を設置し、市内福祉事業所等にお

いて製作された自主製品等の展示・販売を行っています。事業運営は、市内 NPO

法人に委託しており、クッキー等食料品の販売促進のため、店内にてカフェの運

営を行っています。

○ 優先調達方針の策定及び庁内連絡会議の開催(平成 25年度~)

障害者福祉施設等からの物品等の調達を推進するため、障害者優先調達推進法*

に基づき、優先調達方針を定め運用しています。

また、財務部門及び契約部門の責任者を含む庁内連絡会議を発足させ、情報共

有や課題分析などに努めています。

障害者優先調達推進法*: この法律(国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律)は、障害者就労施設等で就

労する障がい者や在宅で就業する障がい者の経済面の自立を進めるため、国や地方公共団体、独立行政法人などの公機関が、物品やサービスを調達する際、障害者就労施設等から優先的・積極的に購入することを推進するために制定されました。

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■ 平成24年度、平成25年度の三鷹市における障害者優先調達推進法に基づく実績等

平成 24年度実績:14,906,498円

平成 25年度実績:21,015,739円

■ 工賃(賃金)月額の実績 ※厚生労働省及び東京都調べ

対象施設:就労継続支援 B型事業所

平均工賃(平成 24年度実績) 全国:14,190円 都:14,484円 市:11,171円

(参考)東京都工賃向上計画目標:18,000円(平成 26年度末)

《就労支援に係る市の取組み》

○ 就労支援センターの設置・運営(平成 18年度~)

障がい者等を対象に、就労支援(生活支援等含む。)を実施するため、障がい者

就労支援センターかけはしを設置・運営しています。事業運営は、市内の NPO法

人に委託して実施しており、就労・生活支援のほか、障がい者の就労に関するシ

ンポジウム等の開催や、障がい者の就労体験の場の開拓などを行っています。(平

成 25 年度実績 登録者数(延べ):289 名(内訳 身体 44名、知的 109 名、精

神 122名、手帳なし 14名)、相談支援件数(延べ):5,811件(内訳 就職前 2,153

件、就職後 3,658件))

○ 市役所職場体験実習の実施(平成 24年度~)

障がい者等の就労機会の創出や、職員の心のバリアフリーなどを推進するため、

市役所内において職場体験実習を実施しています。(実績 平成 24年度 6名(知

的障がい者、精神障がい者):軽作業、平成 25年度 1名(精神障がい者):事務

補助)

【物品】食料

品・飲料,

6,099,445 【物品】小物雑

貨 9,450

【物品】その他

の物品 3,000

【役務】印刷

192,780

【役務】清掃・

施設管理,

11,593,293

【役務】情報処

理・テープ起こ

し 1,171,800

【役務】その他

の役務

1,945,971

平成 25年度実績の内訳

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■ 平成 24年度、平成 25年度の市内福祉施設からの就労移行実績

新規就職者数

かけはし連携あり 新規就職者数

かけはし連携なし 移行者総数

平成 24年度 18人 4人 22人

平成 25年度 24人 13人 37人

第 3期障がい福祉計画目標: 延べ 90人(平成 19~26年度) 実 績(25年度末時点): 延べ 117人

■ 平成 25年度新規就職者のうち当該年度中の離職者数(かけはし利用者のみ)

6か月未満 6か月以上 計(人)

身体障がい者 1人 0人 1人

知的障がい者 2人 0人 2人

精神障がい者 3人 1人 4人

合計(人) 7人

《平成 25年度実態調査結果》

・ 障がいのある人が働くために必要だと思うこと(複数回答)

1位 2位 3位 4位

身体障がい n=243

雇用者の障がい者理解

60.5%

公共機関の積極的な障がい者雇用

53.5%

職場環境の整備

51.4%

仕事探しの支援の充実

50.6%

知的障がい n=79

職場の人の手助け

63.3%

雇用者の障がい者理解

60.8%

福祉的就労の場の充実

53.2%

仕事探しの支援の充実

49.4%

精神障がい n=164

雇用者の障がい者理解

65.2%

一般就労の枠の拡大

51.8%

職場の人の手助け

50.6%

仕事探しの支援の充実

50.0%

重複障がい n=23

福祉的就労の場の充実

69.6%

職場の人の手助け

69.6%

雇用者の障がい者理解

52.2% (3項目同率、省略)

《市内の就労支援事業所》 ※( )の数値は、(平成 25年4月1日時点の在籍者/定員)

就労移行支援 (3事業所、在籍者 36人/定員 38人)

ウェルビー三鷹センター(20/20)、ワークショップハーモニー(8/8)、工房 時(8/10)

就労継続支援(A型) (2事業所、在籍者 29人/定員 42人)

三鷹ひまわり第一共同作業所(5/10)、ワークショップハーモニー(24/32)

就労継続支援(B型) (16事業所、在籍者 558人/定員 332人)

リビングハウスマム(23/20)、三鷹ひまわり第二共同作業所(38/20)、三鷹ひまわり第三共同作業所(37/20)、ワークセンタータートルステップ(18/20)、ワークセンターゆめ(22/20)、三鷹ひまわり第一共同作業所(39/20)、未来工房にじ(34/30)、巣立ち工房(41/20)、ワークセンターいくせい工房(20/20)、ワークセンターゆうゆう舎(24/20)、むうぷ舎新川(46/20)、食茶房むうぷ(53/20)、すきっぷ(9/12)、むうぷ舎中原(53/20)、工房 時(15/20)、巣立ち風(86/30)

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(2)課題解決のための意見・アイデア等(計画検討部会より)

以下のような意見が出されました。

市内の事業者に対して、もっと積極的に働きかけを行ってはどうか

具体的な

意見内容

○ 障がい者を雇用した場合の助成や特典の内容を市内の企業に

対して知らせてはどうか。

○ 企業の人に作業所を見学してもらうなど、交流を図る機会を作

ってはどうか。

市役所や市内の企業等における訓練・実習の機会は拡大できないか

具体的な

意見内容

○ 市役所などでの実習の取組みを拡大してはどうか。

○ 市内のお店や会社などが就労体験を受け入れる場合に何らか

の特典をつけてはどうか。

発注拡大・工賃向上に向けて、共同受注システム等、市独自の取組みを考えてはどうか

具体的な

意見内容

○ 発注する企業側と請け負う事業者側のマッチングを行うスタ

ッフ・事業所を設置してはどうか。

○ 就労支援施設の共同受注の仕組みを作ってはどうか。

○ 市役所内に、就労支援施設等からの優先的・積極的な購入を調

整する担当者を設置してはどうか。

就労機会を拡大するだけでなく、職場定着の取組みが大切になるのではないか

具体的な

意見内容

○ 就職しても辞めてしまう人が多い。職場生活を支える相談支

援、生活支援の充実が望まれる。

○ ジョブトレーナーを配置し、職場と本人の間の意思疎通がスム

ースにいくようにしてはどうか。

○ 職場の環境整備や上司からの指示について、本人の状況に配慮

した工夫が必要ではないか。

○ 一般就労をバックアップする力が弱い家庭への支援も必要に

なるのではないか。

就労に結びつきにくい人たちにも目を向ける必要があるのではないか

具体的な

意見内容

○ 支援につながりにくい、在宅の障がい者を対象とした就労支援

の取組みも必要ではないか。

○ あまり進んでいない精神障がい者の就労支援を強化してはど

うか。

○ 具体的な就労イメージをもてない人も多い。就労に至る具体的

な流れ(バックアップ体制を含む)がわかるパンフレットを作成

してはどうか。

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- 44 -

障がい者雇用について検討を進めていく必要があるのではないか

具体的な

意見内容

○ 市内の就労支援事業所の情報交換等を積極的に行って、就職・

定着支援についての検討を進めてはどうか。

○ 三鷹市、市内の障がい者団体、就労関係事業所、経済界、雇用

関係行政機関が「社会雇用制度検討委員会(仮称)」を設け、全

国各地の取組みの調査研究を行ってはどうか。

コラム 2

障がい者の就労を考えるつどい(障がい者就労支援事業)

市では、武蔵野市・ハローワーク三鷹との共催により毎年 11 月に「障がい者の就労を考えるつどい」を開催しています。本事業では、障がい当事者とその保護者をはじめ、企業、福祉、学校関係者等が参加し、障がい者の就労支援に係る意見・情報交換等を行っています。平成 26 年 11 月に開催したつどいでは、総勢 166名にご参加いただきました。

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- 45 -

(3)障がい者計画改定に向けた方向性

【 】内は、健康福祉総合計画 2022における対応予定箇所を示しています。

市内事業者等へのアプローチの促進 【4(2)①企業就労の推進】

商工会等との連携により、事業者等が障がい者雇用に対して抱く課題点等を整

理・把握するとともに、障がい者施設見学会等の実施など、事業者へのアプローチ

を促進し障がい者就労を推進します。

市内障がい者福祉施設等の紹介冊子の作成 【4(2)②福祉的就労の充実】

市内の就労継続支援事業所の作業内容や製品等を紹介する冊子を作成し、市内の

就労継続支援事業所や関係機関等に配布することにより、受注の拡大を図ります。

市役所における就労体験の機会充実 【4(2)障がい者の就労の推進】

障害者雇用促進法に基づく障害者雇用率のさらなる向上を目指すとともに、市役

所における就労体験の機会充実に努めます。

職場定着支援の充実

【4(2)⑤職場定着支援の充実と生活支援を含めた関係機関の連携】

障がい者就労支援センターかけはしを中心に、市内の就労継続支援事業所等との

ネットワークを構築します。また、生活支援事業者、相談支援事業者、ハローワー

ク等関係機関との連携を図り、職務遂行能力の向上支援だけでなく、障がい者、家

族、事業所への助言など就労後の支援をきめ細かく行います。

先進事例等の調査研究 【7(1)①障がい者地域自立支援協議会の運営の推進】

障がい者地域自立支援協議会就労支援部会を中心に、障がい者就労支援について

先進的な取組みを行っている自治体・団体等の事例を調査研究し、市の施策への積

極的な反映につなげます。

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(4)現在、実施している事業において充実させる事項

・障がい者就労支援センターかけはしの取組みの充実

障がい者就労支援センターかけはしにおける、障がい者就労体験実習企業の開

拓を進めるとともに、国・都の実施する各種障がい者就労施策(助成金、ジョブ

コーチ等)の活用を図り、地域商工会等との連携により市内・近隣企業への働き

かけを充実します。

・障がい者施設等自主製品開発・販売ネットワーク事業(ぴゅあネット事業)の充実

障がい者施設等における自主製品の新規開発、販路の拡大を一層推進するため、

市内事業所間のネットワーク会議(隔月開催)を活用し、アイデアの共有、イベ

ントの企画、施設スタッフの啓発等を進めます。また、三鷹駅前に設置している

「星と風のカフェ」を市内障がい者施設自主製品のアンテナショップとして周知

するとともに、障がい者施設利用者等の就労体験の場としての活用を進めます。

・優先調達庁内連絡会議等の充実

障害者優先調達推進法の施行に伴い、庁内に設置した「優先調達庁内連絡会議」

の場を活用し、障がい者施設等関係者との情報交換や今後の方策について協議す

るなど、工賃向上に向けた一層の連携を図ります。また、障がい者地域自立支援

協議会就労支援部会や、市内障がい者施設等で構成される三鷹ワーククラブ(任

意団体)などとの協働により共同受注の仕組みづくりを進めます。

コラム 3

障がい者自主製品展示即売会の開催(ぴゅあネット事業)

市では、障がい者の方々の地域での自立生活支援や、工賃の向上に向けた取組みの一環として、市内各所において、障がい者福祉施設等の自主製品展示即売会を開催しています。 平成 26 年3月からは、三鷹駅前(緑の小ひろば)を活用し、「みたか星風マート」と称して市内及び近隣市に所在する障がい者福祉施設等が参加する自主製品展示即売会をしています。

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重点課題3 地域移行

(1)現状の取組みと実績

障がい者施策のビジョンでもある「だれもが住み慣れた地域で安心して暮らしてい

けるまち」の実現のため、地域生活の受け皿となるグループホームの利用定員の拡充

を図っています。平成 24年度、平成 25年度の実績においては、身体障がい 5人分、

精神障がい4人分、知的障がい 10 人分、計 19 人分、グループホームの利用定員が

拡充されました。

また、平成 26 年度においては、精神障がい 14 人分の定員が拡充される見込みと

なっています。

《市内のグループホーム》 ※( )は、平成 26年 9月 30日現在の利用者実数/利用定員

身体障がい者(5/5) ホームつぼみ(5/5)

知的障がい者

(40/42)

ケアホームにじ(14/14)、グリーンコート(4/4)、ケアホームウインズ(6/7)、

グループホーム・ピアいのかしら(6/6)、つなぐなかまの家(10/11)

精神障がい者

(93/102)

巣立ちホーム(5/6)、ホーム陽だまり(18/20)、ひまわりの家(18/18)、巣立ち

ホーム三鷹第2(22/28)、野川ホーム(30/30)

《グループホームの利用者数(月間実利用者数)》

平成24年度 (平成25年3月実績) 平成25年度 (平成26年3月実績)

身体 知的 精神 合計 身体 知的 精神 合計

都内 三鷹市内 ― 21 38 59 5 34 39 78

三鷹市外 ― 26 16 42 ― 23 16 39

都外 ― 11 2 13 ― 12 1 13

合 計 ― 58 56 114 5 69 56 130

《施設入所者数(月間実利用者数)》

平成24年度 (平成25年3月実績) 平成25年度 (平成26年3月実績)

身体 知的 精神 合計 身体 知的 精神 合計

都内 三鷹市内 ― 13 ― 13 ― 13 ― 13

三鷹市外 8 52 ― 60 7 54 ― 61

都外 7 53 ― 60 8 53 ― 61

合 計 15 118 ― 133 15 120 ― 135

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《入所施設から地域生活への移行》

※ 平成 17年 10月 1日現在の施設入所者のうち、平成 25年度末までに、施設を退所し、グループホーム・ケ

アホーム、公営・民間住宅等の一般住宅、家庭復帰を含む地域での生活に移行した人数(平成 17年 10月から

の累計)

都内への移行 都外への移行 合計

三鷹市内 三鷹市外

12 5 7 24

《地域自立生活支援事業(ピアサポート事業)の実績》

・ 学習の場と相互交流の場

講座・講演会の開催(平成 25年度) 実施回数 108回、講座延べ参加者 1,234

名、講演会参加者 127名

・ 社会参加促進支援

三鷹市障がい者自立支援センター「ゆー・あい」において、ピアカウンセラーが

週2回、面接相談、電話相談、フリースペースでの話し相手になっている。

・ 当事者による精神障がい者理解を深めるための啓発活動(平成 25年度)

ふれあいトーク開催、ピアカウンセラーによる体験発表(年3回)

・ 関係機関および行政とのネットワーク

精神保健福祉関係機関連絡会(年2回)、三鷹市精神保健福祉ケース検討会議(年 11

回)

コラム 4

精神障がい者地域自立生活支援事業(ピアサポート事業)

市では、精神障がい当事者同士の助け合い(ピアサポート)の場をつくり、地域生活をより豊かにしていくことを目的としてピアサポート事業を実施しています。本事業では、この他、自ら主体的にこころの元気回復を求める学びの場としての「リカバリーカレッジ」の開催や、ピアカウンセリング講座等を実施しています。

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(2)課題解決のための意見・アイデア等(計画検討部会より)

以下のような意見が出されました。

地域の理解を進め、見守る環境を整えることが大切ではないか

具体的な

意見内容

○ 障がいや障がいのある人のことを学ぶ機会や障がいのある人

とない人が接する機会を増やしてはどうか。

○ 教育の場で、理解が深まるような取組みを進めてはどうか。

○ 地域、近隣における見守りネットワークづくりを進めてはどう

か。

グループホームの整備とともに、家主等への啓発も必要ではないか

具体的な

意見内容

○ グループホームは必要。市有地の活用や物件情報の提供等、行

政からの積極的な支援が必要ではないか。

○ 一般の住居への入居支援システムが必要であり、不動産屋や大

家への啓発、支援内容の情報提供を積極的に行ってはどうか。「三

鷹市入居支援・居住継続支援事業協力店」を増やす取組みなども。

○ 保証人の問題を解決する必要があるのではないか。

入院患者・施設入所者の実態把握と退院・退所前のアプローチが必要ではないか

具体的な

意見内容

○ 入院・入所している市民の実態を把握し、本人の希望を聞くこ

とが大切。そのために自立支援協議会が機能するようにしてはど

うか。

○ 事業所やセンターのスタッフ等が医療機関へ赴き、退院に向け

た患者を対象に定期的に講座を開催してはどうか。

○ 入院中の市民やその家族に地域移行に関する支援の内容を周

知する機会を作ってはどうか。

○ 施設・病院や当事者の協力を得て、長期入所者・入院者のうち、

地域移行を希望者に対して、市及び相談支援事業所が継続的かつ

濃密なケアマネジメントを提供することができないか。

地域移行に向けた訓練等の場を整備する必要があるのではないか

具体的な

意見内容

○ 宿泊練習の場やアパートにおける一人暮らしを1~2週間体

験できるような場が必要ではないか。

○ 退院に向けた訪問による生活訓練(ごみの分別等)を行う事業

所があると良いのではないか。

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(3)障がい者計画改定に向けた方向性

【 】内は、健康福祉総合計画 2022における対応予定箇所を示しています。

医療機関・施設等から地域生活への移行の促進 【5(2)①地域生活支援の充実】

医療機関・福祉施設等のほか、一般相談支援事業所や障害福祉サービス事業所等

との連携を図り、入院患者及び福祉施設入所者の退院意欲が喚起するように努める

とともに、退院可能な精神障がい者や、福祉施設入所者の地域生活への移行促進に

取り組みます。

長期入院者の実態把握 【5(2)①地域生活支援の充実】

医療機関、支援機関等と協力し、精神科病院に長期入院している市民の実態の把

握に努めます。また、長期入院者の地域移行を進めるために、本人の意向等を踏ま

えながら、積極的なアプローチを行っていきます。

人財の育成と確保 【6(3)①障がい者を地域で支える担い手の確保】

人財確保のためのヘルパー養成研修等の実施や、地域ボランティアの養成に努め

ます。

障がいについての理解を図る教育の推進 【4(3)②福祉教育の推進】

教育委員会との連携により、「総合的な学習の時間」等を活用し、学齢児童等を

対象とした障がいへの理解促進を図る教育の実施を検討します。

国・都への積極的な提案要望

「障害福祉サービスの種別ごとの実情に応じた適正な報酬単価の設定」や、「グ

ループホーム等日中活動系サービス事業所の開設促進に向けた補助金等の設定」

など、国・都の役割に応じ適切に対処していただけるよう、あらゆる機会を活用

し提案、要望していきます。

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(4)現在、実施している事業において充実させる事項

・地域ケアネットワーク推進事業の充実

市では、子どもから高齢者まで、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるま

ちづくりをめざして、「地域ケアネットワーク推進事業」を最重点施策として推

進しています。平成 26年度2月には、7つのコミュニティ住区すべてで地域ケ

アネットワークが展開することとなり、住民協議会をはじめとする地域住民、福

祉団体、専門機関、ボランティア等が連携してネットワークを形成し、地域の生

活課題の発見・解決に向けて協働した取組みを展開しています。引き続き、老若

男女が集い、障がいの有無に関わらず市民が交流し、お互いに理解を深め、見守

ることで地域の課題解決に向けた活動を支援していきます。

・障がい者入居支援・居住継続支援事業の推進

障がい者の地域生活を支援するため、障がい者入居支援・居住継続支援事業の

一環として、民間アパート等の家主及び不動産店への理解・啓発を図り、協力い

ただける不動産店の拡大等に努めます。

・セミナー・講演会等の実施支援

障がい者関係団体等の主催する障がいへの理解・啓発のための講演・シンポジ

ウム等の開催について周知広報に協力するとともに、積極的な後援に取組みます。

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重点課題4 障がい児支援

(1)現状の取組みと実績

平成 25年 10月に庁内関係部署で構成する、「子ども発達支援センター(仮称)の

設置に係る庁内検討会議」を設置し、北野ハピネスセンター幼児部門の新川防災公

園・多機能複合施設(仮称)への移転後のあり方や連携について検討しました。平成

25 年度は「保健センター」「子ども」「教育」と3つのワーキンググループで課題の

洗い出しを行い、平成 26年度は、必要な機能や効果的な事業連携のあり方を検討し、

基本的な考え方をまとめることとしています。

《障がい児支援に係る取組み状況》

母子保健等 ○ 乳幼児健診等による早期発見・早期療育 等

児童発達支援

○ 療育が必要な障がい児に対し、日常生活における基本的動作の指導、集団

生活適応訓練等

○ 各種専門相談(医療、歯科、療育、発達、就学等)

○ 家族交流、一時保育、障がい児のきょうだい支援など家族支援

○ 公・私立幼稚園・保育園巡回発達相談による保育士等への専門研修

○ 保護者を対象とした啓発講座等 等

【実績(抜粋)】

公・私立幼稚園・保育園(51園)に対し、延べ 111回の巡回発達相談を実施

(平成 25年度)

子育て支援

○ 幼稚園・保育園・学童保育における障がい児の受入れ 等

【実績(抜粋)】

私立幼稚園→全 16園のうち 9園で 40人の受入れ(平成 26年5月現在)

保育園(認可)→全 33園のうち 20園で 28人の受入れ(平成 26年 8月現

在)

学童保育→全 26か所のうち 12か所で 20人の受入れ(平成 26年 8月現在)

○ こども家庭支援ネットワークを利用した、ライフステージを見据えた支援

障がい福祉

○ 障害福祉サービス等の実施(放課後等デイサービス、障がい児相談支援等)

○ 療育支援を目的とした障がい児水泳教室の実施 等

【実績(抜粋)】

障がい児へのサービス提供実績(利用実人数、支給量)

障がい児水泳教室を、10回実施(参加者:延べ 355人、指導員:延べ 301

人)(平成 25年度実績)

平成 24年 10月 平成 25年 10月 児童発達支援 30人 553日 46人 743日 医療型児童発達支援 1人 13日 2人 15日 放課後等デイサービス 27人 256日 67人 668日 障害児相談支援 0人 ― 19人 ―

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教 育

○ 三鷹市教育支援プラン 2022の推進による、児童・生徒、保護者、学校へ

の支援

【実績(抜粋)】

・コミュニティ・スクールを基盤とした小・中学校一貫教育による教育支援の実施

(小・中学校22校、小学生7,927人・中学生3,149人)(固定制の教育支援学級 小

学校5校・中学校5校、小学生88人・中学生70人)(通級制の教育支援学級 小学校

3校・中学校2校、小学生191人・中学生69人)平成26年11月現在

・ 三鷹市立小・中学校教育支援コーディネーターらと、都立特別支援学校の連携

による、三鷹市内に在住で都立特別支援学校へ通う児童・生徒への副籍交流事業

の実施

そ の 他

○ 特別支援学校の運営(都)

○ 児童扶養手当等の支給(国)

○ 小児慢性疾患児童への医療費等の助成(国) 等

市内在住者の特別支援学校在籍者数(都立小学部 37人、都立中学部 34人、

その他(私立、国立)4人)(平成 26年 8月現在)

《平成 25年度実態調査結果》

・ 障がい児調査(18歳未満の障害者手帳所持者全数を対象)の結果では、約半数

が「発達障がい」と診断されている。

・ 障がい児を主にケアしているのは「母親」が大半で、約3割の人が1日 12 時

間以上ケアをしている。ケア提供者が急病や外出などでケアができないときに、

一週間程度代わりを頼める人がいない人が半数以上を占める。

・ 身体障がいや知的障がいのケア提供者では精神的な負担や他の家族に手がまわ

らないことへの負担が多く、精神障がいのケア提供者では身体不調と精神的不調、

重複障がいのケア提供者では自分の自由な時間の確保ができないことへの負担が

多かった。

・ 発達障がいの場合、母親が子の障がいを受容できず、障害者手帳の取得が遅れ

たり、必要な支援に結びついていないケースが多いうえ、周囲の理解も乏しいた

め、どこにも相談できずに抱え込んでしまう場合も少なくない。このような母親

を支援するにあたり、利用しやすい窓口体制や、行政からの情報提供などが課題

である。

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(2)課題解決のための意見・アイデア等(計画検討部会より)

以下のような意見が出されました。

障がい児に関する情報の共有化・活用が必要になるのではないか

具体的な

意見内容

○ 障がい児(者)に進学や転居、サービスの変更等があっても、必要

な情報は共有、伝達されるシステムづくりが必要になるのではないか。

○ 困り事や要望への対応方法などの情報を蓄積、データベース化

し、支援者の共有情報として活用できるようにしてはどうか。

様々な分野が連携・協力して、障がい児支援にあたる必要があるのではないか

具体的な

意見内容

○ 「医療」「福祉」「療育」「保健」「教育」等の横の連携の仕組み

づくりが必要ではないか。

○ 自立支援協議会に「子ども部会」を設置し、様々な側面から支

援策を検討してはどうか。

○ 各分野にそれぞれ橋渡しできる専門家(コーディネーター)の

設置が必要ではないか。

支援に従事する人たちの資質の向上が必要ではないか

具体的な

意見内容

○ 職員全般の資質向上・定着化、専門性の向上が大切ではないか。

○ 教育における早期発見から福祉サービスの利用につなげる仕

組みを充実させるために、教育の担い手への障がい児(者)につ

いて、理解を促進することが必要ではないか。

○ 健常児への教育等、発達障がい児の 2次的な障がい因子を減ら

す努力も必要ではないか。

北野ハピネスセンターの機能充実が望まれるのではないか

具体的な

意見内容

○ 気軽に相談できる体制を作り、さらに早期療育を進める必要が

あるのではないか。

○ 保育園、幼稚園等の支援者向けの研修の機会を拡充してはどうか。

○ 多機能複合施設に集約される際、障がい児を受け入れる学童機

能も備えられないか。

保護者への支援をさらに充実させていくべきではないか

具体的な

意見内容

○ 即対応する場や人的サービスの充実により、保護者の負担感を

減らすことが大切ではないか。

○ レスパイトの受け入れ施設の拡充を図っていくことが必要で

はないか。

○ 障がいを受容できない保護者も参加しやすい環境のプログラ

ムを検討すべきではないか。

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○ 障がい児の登下校や、母子家庭へのフォロー体制も整備してい

くべきではないか。

○ 保護者の孤立化を防止する観点からの情報提供の充実や相談

窓口の強化が必要ではないか。

相談体制の強化が必要になるのではないか

具体的な

意見内容

○ 「成長が気になる」段階からの相談も受け止め、必要に応じて専

門的な相談支援につなげていく体制を作ることが大切ではないか。

○ 相談支援事業所の連絡先と受付時間、担当者等の情報を様々な

ツールを使って発信していくことが必要ではないか。

○ 発達障がいと判定された子の親の相談窓口を増やす必要があ

るのではないか。

障がい児が利用するサービス・施設の充実が求められているのではないか

具体的な

意見内容

○ 成人するまで市内で継続して利用できる施設、サービスが必要

ではないか。

○ 放課後事業の拡充(放課後等デイサービスの拡充、学童保育所

の強化)が必要ではないか。

○ 小学校の通級に入る手続きや送迎、授業の関係で通級を諦める

人も多い。そういった親子が通えるよう放課後を使った療育施設

が必要ではないか。

コラム 5

北野ハピネスセンター

昭和 58年2月に開設した、在宅障がい児(者)のための市立の福祉拠点施設です。通園通所事業、相談訓練事業、地域連携事業の3事業を柱に運営しており、児童発達支援事業(くるみ幼児園)では、障がい児に対し、個別支援計画に基づき、日常生活における基本的な動作の指導、集団生活への適応訓練等を実施しています。 また、個別・集団での専門療育を行うとともに、くるみ幼児園利用児のきょうだい自身にスポットをあてた、きょうだい支援も実施しています。 地域連携事業では、障がい児(者)の安心、安全な地域生活を促進するために、地域住民・関係機関等との連携のもと、交流、啓発を目的とした各種講座、研修、催事等を実施しています。

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(3)障がい者計画改定に向けた方向性

【 】内は、健康福祉総合計画 2022における対応予定箇所を示しています。

縦横連携の強化(関係機関との連携) 【7(2)①保健・医療・福祉・教育の連携】

保健、医療、福祉、保育、教育、就労支援等に係る支援機関同士の横の連携によ

る地域支援体制を確立し、障がい児(者)のライフステージや状況に応じた切れ目

のない支援(縦の連携)の提供に努めます。これら関係機関ネットワークの構築に

ついては、障がい者地域自立支援協議会生活支援部会等と連携し、様々な視点から

施策の検討等を行います。

相談支援従事者の資質向上 【6(3)サービスの質と人財の確保】

障がい者地域自立支援協議会相談支援部会や相談支援事業者連絡会等と連携し、

個別事例検討会や研修会等の開催を通じ、市内障害児相談支援事業従事者の資質向

上を図ります。

障がい児の家族支援の充実 【5(2)④家族支援の充実】

障がい児の家族同士による相談・支援、ペアレントトレーニング*の推進や、レ

スパイト目的の短期入所(ショートステイ)の拡充など、障がい児の家族の心身の

負担を軽減するための方策について検討します。

ペアレントトレーニング*: 子育てに取り組む親(養育者)が、その役割を積極的に引き受けていくことができるよう、親(養育者)と子どもを支援するために開発されたプログラムです。

情報提供と情報共有 【7(1)①障がい者地域自立支援協議会の運営の推進】

障がい者地域自立支援協議会と協働し、障がい特性やライフステージに対応した

わかりやすい福祉サービスの情報提供や、転居、サービス変更等に関わらず、関連

機関において情報共有できるシステム等の構築を検討していきます。

三鷹市教育・子ども関連計画との連携・整合 【7(1)計画の推進体制】

障がい児のライフステージに応じた切れ目ない支援をより強固なものとするた

め「三鷹市子育て支援ビジョン」、「三鷹市教育ビジョン 2022」、「三鷹市教育支援

プラン 2022」等他計画との連携・整合を図るとともに、障がいの早期発見・早期

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療育、就学前・学齢期・青年期の支援、学齢期の療育等、関連機関等と検討を進め

ます。

子ども発達支援センター(仮称)の設置【5(3)障がい児の生活支援】

福祉・保健・医療・教育などの連携を図り、また、療育支援など障がい児支援を

一層充実させるための拠点として、北野ハピネスセンター幼児部門を新川防災公

園・多機能複合施設(仮称)へ移転し、子ども発達支援センター(仮称)を設置し

ます。

国・都への積極的な提案要望

「障害福祉サービス種別ごとの実情に応じた適正な報酬単価の設定」や、「放課

後等デイサービス、入所支援施設等の開設促進に向けた補助金等の設定」など、国・

都の役割に応じ適切に対処していただけるよう引き続き、あらゆる機会を活用し提

案、要望を検討・実施していきます。

(4)現在、実施している事業において充実させる事項

・北野ハピネスセンターにおける支援の充実

必要な機能や効果的な事業連携のあり方を検討し、療育が必要な障がい児に対

し、日常生活における基本動作の指導、集団生活適応訓練等の実施、各種専門相

談の実施、家族支援の充実、保育士等への発達相談の専門研修、障がい児の家族

やきょうだいを対象とした講座等のさらなる充実に努めます。

・相談支援事業所の周知

障がい者地域自立支援協議会が作成した「福祉相談窓口ガイド」をはじめ、市

のホームページ、市報、障がい者のためのしおり等を用いて、相談支援事業所の

周知に努めます。

コラム 6

障がい児水泳教室

市では、心身に障がいのある小学生から 19歳までの未成年者で、医師から水泳実施の許可を受けている方を対象として、障がい児水泳教室を実施しています。 本事業は、水泳を通じた障がい児の療育支援を主な目的としており、教室の実施にあたっては、三鷹市特殊赤十字奉仕団と協働し、参加者個々の状況に併せた指導を行っています。年間 10 回の教室を実施し、1回あたり利用者及び保護者、指導員で約 100人程度が参加しています。

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重点課題5 地域における生活のしやすさ

(1)現状の取組みと実績

障害者基本法(昭和 45年法律第 84号)に定められた「障害者週間*(12月 3日

~12月 9日)」を中心に、広報・啓発活動に取り組むとともに、バリアフリー映画上

映会等を実施し、障がいへの理解普及に努めました。

また、地域ケアネットワーク推進事業等により、障がいの有無にかかわらず支え合

える環境の整備に努めています。

《心のバリアフリーの取組み》

バリアフリー映画上映会の

実施

障害者週間(12 月3日~9日)において、視覚障がい、

聴覚障がいなどがある方も楽しめるバリアフリー映画*の

上映会を通じ、障がいの有無にかかわらず理解し合える取

組みを行っています。

市報などの広報媒体による

啓発活動の実施

障害者週間(12月 3日~9日)において、広報みたか(市

報)、むさしの FM(ラジオ)、庁内放送などの媒体を活用

し、障がいに関する理解・啓発に関する取組みを行ってい

ます。

障がい者作品展の実施 例年 10月頃、市役所1階ホールにおいて、市内障がい者

施設利用者等の製作した絵画、陶芸、雑貨等の作品展を実

施しています。

スポーツフェスティバルの

実施

「体育の日」(祝日)に、三鷹市体育協会等との協働によ

り、市民センターを中心に、スポーツ・レクリエーション

活動の機会を提供する「みたかスポーツフェスティバル」

を開催しています。会場周辺は、障がい者団体等の協力に

より事前にバリアフリー化するとともに、障がいがあって

も楽しめるスポーツ等の実施に努め、広く市民が交流でき

るよう配慮しています。

市立施設における地域交流

の実施

例年7月、北野ハピネスセンターにおいて、地域住民等を

招待し「館まつり」を実施し、地域住民との交流や、理解

普及に努めています。

市役所職場体験実習の実施 障がい者の就労体験の場を提供するとともに、市職員にお

ける心のバリアフリーを実施するため、市役所において実

習を実施しています。

自主製品展示即売会の実施 障がい者施設等で製作された、自主製品を広く市民に知っ

ていただけるよう、イベント等に積極的に参加し、出張に

よる各種自主製品の展示即売会を行っています。

障害者週間*: 障害者基本法(昭和45年法律第84号)第9条に定められた、国民の間に広く障がいへの理解を深め、障がい者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加することを促進するために設けられた期間(12/3~12/9)。

バリアフリー映画*: 視覚や聴覚に障がいのある方にも映画を一緒に鑑賞していただけるよう、視覚障がい者向けの「音声ガイド」や聴覚

障がい者向けの「日本語字幕」を付けた作品。

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《安全・安心の確保への取組み(障がい者支援に係る主要な取組み)》

災害時避難行動要支援者支

援事業の実施

改正災害対策基本法に基づき、災害発生時に自ら避難す

ることが困難で、避難するために支援を要する方の「避

難行動要支援者名簿」を作成し、本人同意のもと災害に

備えて消防、警察、民生・児童委員、町会等避難支援等

関係者に名簿情報を提供します。

また、災害発生時などに本人同意に関わらず、名簿情報

を提供することができます。

地域ケアネットワーク推進

事業の全市展開

高齢者や障がい者、子育て家庭をはじめ、誰もが住み慣

れた地域で安心して暮らせるよう新たな支えあい「共助」

の仕組みづくり「地域ケアネットワーク」を市内7つの

住区(コミュニティ住区)で推進しています。

救急医療情報キットの配布

(H23.9~)

身体障害者手帳 1~4 級、愛の手帳、精神障害者保健福

祉手帳のいずれかの交付を受けた方のみの世帯を対象

に、三鷹消防署等と連携し、緊急時に必要な、かかりつ

け医療機関、持病等の情報を保管する救急医療情報キッ

ト等を支給しています。

ヘルプカードの配布

(H26.1~)

内部障がいや聴覚障がい、また難病患者など、外見から

は障がいの有無について分かりにくい方が、必要な情報

を記入し、普段から身に着けることで周囲の配慮や手助

けを得やすくするための「ヘルプカード」を配布してい

ます。

緊急通行車両の事前届出 発災時において、災害応急対策(消防、水防、被災者搬

送等)を円滑に実施するため、交通規制のかかる道路(東

八道路、三鷹通り)を通行できるよう、障がい者団体等

が所有している車両について、事前に届出・登録を行っ

ています。

福祉避難所の設置(二次避難

所)

発災時に避難する一次避難場所(小学校等)から、より

専門的な支援を提供するための二次避難所(福祉施設等)

の設置を進めています。

権利擁護センターの運営 「権利擁護センターみたか」(三鷹市社会福祉協議会内)

を設置・運営し、障がい者等からの各種福祉サービス利

用に関する相談援助のほか、成年後見制度など権利擁護

に関する専門相談を受け付けています。

安全・安心メールの配信 防災情報、緊急配信の必要がある情報等を、PCや携帯の

メールアドレスを登録した方へ配信しています。

消費者活動センターの運営 市では、消費者活動センター(下連雀三丁目 22番 7号)

を設置・運営し、消費者と事業者との間に生じた契約上

のトラブルや商品・サービスに関する相談など、さまざ

まな消費生活に関する相談を受け付けています。

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《平成 25年度実態調査結果》

・ 障がい者調査・障がい児調査ともに、半数以上の人が「障がいのある人もない人

も、お互いに理解しあって協力していくこと」や「障がいのある人への差別や偏見

をなくすこと」を今後の施策への要望としてあげている。

<施策への要望>

障がい者 障がい児

1位

障がい者が高齢になって介護が必要になっ

たときに生活する場所を確保すること

67.4%

障がいのある人が企業などで働け

るように支援すること

68.7%

2位

障がいのある人が安心して医療を

受けられるようにすること

62.7%

障がいのある人への差別や偏見を

なくすこと

63.3%

3位

障がいのある人もない人も、お互い

に理解しあって協力していくこと

57.2%

障がいのある人もない人も、お互い

に理解しあって協力していくこと

62.0%

4位

障がいのある人への差別や偏見を

なくすこと

56.3%

障がいのある人が安心して医療を

受けられるようにすること

58.0%

・ 地域活動への参加に関しては「ほとんど参加していない」との回答が約7割を占

めており、さらなる社会参加の促進が必要であることが示されている。

・ 日常生活で援助を必要とすることについて、もっと援助が必要と感じるものにつ

いては、身体障がい者では、「バスや電車に乗って外出」が最も高く、知的障がい

者、精神障がい者、重複障がい者では「人とのコミュニケーション」が最も高い結

果となっている。

コラム 7

バリアフリー映画上映会(心のバリアフリー啓発推進事業)

市では、市民の障がいへの理解普及と、差別等の解消を目的に心のバリアフリー啓発推進事業を実施しています。本事業は、毎年、障害者基本法に定められた障害者週間(12 月3日〜9日)に実施しており、市役所において自主製品展示即売会や、絵画、手芸品等の障がい者作品展を開催するほか、平成 24〜26 年度においては、障がいの有無に関わらず誰もが楽しむことができる「バリアフリー映画」の上映を通し、障がいへの理解普及に努めました。

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(2)課題解決のための意見・アイデア等(計画検討部会より)

以下のような意見が出されました。

講演会やシンポジウム等を開催して市民の理解を深めていくことが大切ではないか

具体的な

意見内容

○ 障がいを理解してもらうための市民向け講演会を開催しては

どうか。

○ 障害者週間等に障がい者の地域生活や就労について等のシン

ポジウムを行ってはどうか。

○ 研修会などの障がい理解プログラムに、障がい当事者が参加し

て、自身の体験を紹介してはどうか。

障がいのある人とない人が交流する機会を増やすことが大切ではないか

具体的な

意見内容

○ 障がい当事者と実際に触れ合う機会や交流の機会を増やすこ

とが必要ではないか。

○ 小・中学校と特別支援学校との交流等を展開してはどうか。

学校教育の中で、子どもの頃から理解を深めていくことが大切ではないか

具体的な

意見内容

○ 小・中学校の授業の一環として障がい者施設で活動する機会を

増やし、理解を深めてはどうか。

○ 学校教育の中に普及啓発の機会を取り入れてはどうか。

災害時の対応や消費者被害の防止など、安全・安心の取組みを進めるべきではないか

具体的な

意見内容

○ あらゆる場面を想定した安全・安心の確保策を検討し、できて

いるものとできていないものをチェックシートで整理してはど

うか。

行政サービスの充実だけでなく、地域における支援体制を構築していってはどうか

具体的な

意見内容

○ 地域の障がい者に関する情報を民生・児童委員に提供し、地域

における支援体制を構築してはどうか。

○ 地域ケアネットワークによる各地区の持ち味を活かした見守

り体制などを推進してはどうか。

○ 老人会、子ども会など横断的な組織の融合化を図り、相互交流

により支援体制を築いてはどうか。

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障がいのある人を支援する人財の養成、確保が必要になるのではないか

具体的な

意見内容

○ 障がい者(児)を支援するスタッフの資質の向上・教育が必要

になるのではないか。

○ 地域におけるケアチームを形成し、共助と公助のネットワーク

のつながりを作ってどうか。

○ 障がいがあっても安心できる生活を送れるよう、市民後見人を

育成してはどうか。

○ 休日や夜間においても相談可能な体制を構築するための人財

養成・確保が必要になるのではないか。

(3)障がい者計画改定に向けた方向性

【 】内は、健康福祉総合計画 2022における対応予定箇所を示しています。

障害者差別解消法に対応した取組みの推進

【2(1)①差別禁止・虐待防止の取組】

障害者差別解消法の施行(平成 28年4月)に向け、国・都の動向を把握しつつ、

市としての対応要領の策定、職員研修の実施等、必要な措置を講じていきます。

災害時の支援体制の充実

【2(2)「コミュニティ創生」による「共に生きる」地域づくり】

災害発生時における、一次避難場所への円滑な避難及び二次避難所(福祉避難所)

の円滑な運営を図るため、計画期間内(平成 27 年度~平成 29 年度)において、

各施設の特性に応じた避難所運営マニュアルの作成を推進します。

また、障がい者福祉団体等と、日頃から連携し、より効果的な支援を提供するた

めの環境整備に努めます。

地域生活支援拠点の整備【5(2)障がい者(児)の自立生活支援】

障がい者の高齢化・重度化や「親なき後」を見据え、障がい者地域自立支援協議

会等において、課題に応じた機能、専門性、拠点整備のあり方等について検討を重

ね、地域での自立した生活を支援するための拠点整備を目指します。

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障がい者の投票環境等の向上【2(1)障がい者の権利保障】

平成 25年6月の公職選挙法の一部改正及び平成 28年 4月の障害者差別解消法

の施行を見据え、関係機関等と連携した、障がい者の投票環境等の向上に努めます。

発達障がい者等に対する支援

【5(2)⑦発達障がい者、高次脳機能障がい者、難病患者等に対する支援】

発達障がい者、高次脳機能障がい者、難病患者等で、地域で自立生活を営む上で、

何らかの支援が必要とされる障がい者等に対し、その福祉ニーズ等の把握に努め、

就労支援を始めとする必要な相談支援や、サービス提供に基づく自立生活支援を促

進します。

保健・医療・福祉・教育の連携【7(2)①保健・医療・福祉・教育の連携】

医師会、歯科医師会、保健所、教育委員会、福祉部局等の連携・協力により、健

康障がいを含めた障がいの早期発見・早期療育やリハビリテーション事業等、疾病

や介護を要する状態にならないための予防医療や相談支援の充実に取り組むこと

で、地域で生活する人々が安心して暮らせるよう努めます。

(4)現在、実施している事業において充実させる事項

・心のバリアフリーの推進

障がい者福祉懇談会との協働により実施している「心のバリアフリー啓発推進

事業」の充実を図るとともに、あらゆる機会や場を捉え、啓発・広報活動の充実

を図り、障がいへの理解・啓発のための講演・シンポジウム等の開催に取り組み

ます。

また、併せて市報、ホームページなど広報媒体の活用による啓発活動の実施や、

障害者週間(12月 3日~12月 9日)におけるイベント等の充実により啓発活動

を推進していきます。

・ヘルプカードの活用

障がいなどにより援助を必要とする人が携帯し、緊急時などに必要な支援や配

慮を周囲の人にお願いするための「ヘルプカード」の配布を一層充実させるとと

もに、市報や公共交通機関への広告等の活用により、市民への周知・普及に努め

ます。

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・イベント等の活用

障がいの有無に関わらず誰もがスポーツを楽しめる「みたかスポーツフェステ

ィバル」や障がい当事者の製作した絵画・陶芸・雑貨等を展示する障がい者作品

展の開催等、文化芸術・スポーツの分野を活用したイベントを通じ、市民間の交

流機会の拡大を図るとともに、障がいへの理解促進を図ります。

・市民後見人等の充実

権利擁護センターみたか(社会福祉協議会委託)において行っている、市民後

見人、権利擁護サポーター等の養成推進と、弁護士会、司法書士会等の職能団体

との連携を図り、成年後見制度への理解普及に努めます。

・障がいや障がいのある人に関する情報の提供

市報や市のホームページを通じて、障がい福祉に関するサービスや施策、障が

い者施設等を紹介し、市民の理解・啓発に努めます。

・安心・安全の確保への取組みの充実

すべての人が安心して暮らせるように、新たな支え合いの仕組み「地域ケアネ

ットワーク」づくりを、市内7住区で進めています。

また、防災情報、緊急配信の必要のある情報など、安全・安心メールの配信、

消費者活動センターの運営等の取組みをさらに充実していきます。

・地域における支援体制の充実

地域で暮らす障がい者の情報を民生・児童委員に提供し、支援体制を構築しま

す。

また、地域ケアネットワーク推進事業を充実させ、住み慣れた地域で安心して

暮らせるよう見守り体制や環境整備を推進します。

コラム 8

ヘルプカード

市では、内部障がいや聴覚障がい、また難病患者の方など、援助や配慮を必要としていることが外見からは分かにくい方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるように、ヘルプカードを作成・配布しています。 また、市報、ケーブルテレビ等あらゆる機会をとらえ、 市民への周知に努めています。

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重点課題6 相談支援

(1)現状の取組みと実績

指定特定相談支援事業所は、平成 24 年度当初 2 か所でしたが、平成 26 年 12 月

現在 13か所に増えています。

また、市に相談支援事業所間の連絡会を設け、ネットワークの構築に努めています

(平成 25年度2回実施、延べ 20事業所が参加)。

基本相談*、計画相談*を担う窓口・事業所等の整備は進んでいますが、各事業所

等の得意とする障がい種別や、各相談員の経験年数、技量等にもバラつきがあり、相

談内容も多岐にわたることから、地域資源等を最大限に活用しながら、相談支援体系

を再構築していく必要があります。

なお、基幹相談支援センターについては、相談支援部会を中心にその役割、業務内

容、体制などについての認識を深めながら、運営方法を含めたあり方を今後検討して

いきます。

基本相談*: 医療、保健、福祉、就労、居住等、ライフステージに応じた障がい者本人のニーズにあった情報提供や、助言、その他必要な

便宜を供与する支援。

計画相談*: 障がい者本人が、地域でどのような暮らしをしたいのか、そのために何のサービスをどのように利用するか、ひとりひとりに

応じた「サービス等利用計画」(ケアプラン)を作成する支援。

《相談機関別の相談件数》

種別 対象 対象数 相談支援体制 内容 実績

(平成25年度)

基本相談

身体、知的、精神障がい者及び難病患者等

約 8,500人

就労支援センター かけはし

就労・生活支援 相談 約 5,800件

相談支援センター ゆー・あい

全般 (居住支援等)

相談 約 7,700件

相談支援センター ぽっぷ

全般 相談 約 3,600件

権利擁護センター みたか(高齢除く)

権利擁護 (成年後見等)

相談 約 2,200件

障がい者相談員 全般 相談 約 370件

計画相談

障害福祉サービス受給者証保持者

1,193人 市内 13事業所 (平成26年8月現在)

障害福祉サービス利用

計画作成 (H26.3末) (累計)423人

計画相談については、平成 27 年4月から、原則全員(100%)へのサービス等利

用計画作成が必要になりますが、平成 26年 12月現在の達成率は約 57%となってい

ます。

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《平成 25年度実態調査結果》

・ 日常生活や障がいのことなどについて困ったときに、相談に乗ってくれる人が誰

もいない人が、身体障がい者では 6.9%、知的障がい者では 2.3%、精神障がい者

では 8.0%見られた。また、全体の 75%以上は、相談する相手が「家族・親戚」

と回答している。

・ 「計画相談支援事業」については、全体の 69.5%が「知らなかった」と回答し

ている。

(2)課題解決のための意見・アイデア等(計画検討部会より)

以下のような意見が出されました。

誰もが、いつでも、どこでも、安心して相談しやすい環境を整えるべきではないか

具体的な

意見内容

○ ちょっとした相談ができる場を増やしてはどうか。

○ 行政窓口が開設していない時間帯の相談体制の整備が喫緊の

課題ではないか。

○ 相談がたらいまわしにならないよう、ワンストップサービスを

強化すべきではないか。

○ 窓口に来られない人もいる。インターネットやメールを活用し

た相談窓口も作ってはどうか。

○ 委託している相談窓口も、第三者評価を受けるなどしてサービ

スの質を検証することが必要ではないか。

相談機関・関係機関によるネットワークを構築していくことが大切ではないか

具体的な

意見内容

○ 相談支援事業所間で定期的に情報交換することなどにより、連

携を深めていくことが大切ではないか。

○ 相談支援事業所連絡会では、分野別に特化した困難事例検討会

の設置なども必要ではないか。

○ ライフステージに応じて一貫性のある支援を行う体制づくり

が必要になるのではないか。

相談に従事する人たちの質を維持・向上させるための取組みが必要ではないか

具体的な

意見内容

○ 相談に従事する人の技量を上げることが大切ではないか。

○ 技術等を高め、ネットワークを強化するために担当者レベルの

事例検討会を開催してはどうか。

○ 相談も多様化しているので、各施設の相談従事者がいろいろな

相談経験を話し合える場や時間を作ってサービスや質の向上を

図ってはどうか。

○ 障がいの種別に応じて的確な相談、支援を行えるよう、相談支

援専門員の人材確保、育成が必要ではないか。

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基幹相談支援センターを早期に設置すべきではないか

具体的な

意見内容

○ 重複障がい、困難ケースなどの場合は、一事業所で対応するこ

とが難しいケースもあるため早めに基幹相談支援センターを立

ち上げるべきではないか。

○ 相談従事者への支援や指導・育成を行い、情報を集約し、必要

に応じて発信できる基幹型の相談支援センターの設置が必要に

なるのではないか。

○ 基幹の役割を明確にしてから三鷹市の基幹相談支援センター

を設立すべきではないか。

相談事業を充実させていくため、障がい者地域自立支援協議会をさらに活用

すべきではないか

具体的な

意見内容

○ 各分野の相談員が情報交換や勉強会を開催できるように障が

い者地域自立支援協議会がバックアップしてはどうか。

○ 相談支援に係る地域資源の拡充は単独の相談支援事業者やサ

ービス提供事業者だけで考えることは困難。障がい者地域自立支

援協議会や専門部会で掘り下げて検討を進めてはどうか。

○ 相談従事者の技術等を高めるための支援を、障がい者地域自立

支援協議会で引き続き行うことが大切ではないか。

相談支援活動を行っている事業所や団体への補助を考えてはどうか

具体的な

意見内容

○ 相談支援活動を行っている団体等への補助金を創設してはど

うか。

○ サービス等利用計画作成までに多くの労力を要するが、事業を維

持するためには一定の計画作成件数を確保する必要がある。質の向

上を図るためにも、また恒久的に運営できるように、運営費の補助

が必要ではないか。

保護者どうしの支援・相談に関して、市でバックアップをしてはどうか

具体的な

意見内容

○ 親による親への支援(ペアレントメンター)を市でバックアッ

プしてはどうか。

○ 保護者からの情報・アドバイスを継続的・効果的に生かせる仕

組みづくりが必要ではないか。

コラム 9

三鷹市障がい者地域自立支援協議会

障害者総合支援法第 89条の3を根拠に設置される協議会で、三鷹市における障がい者の生活を支え、相談支援等をはじめとする障がい者施策を検討する中核的な役割を果たすため、障がい当事者をはじめ、福祉、医療、行政、企業関係者及び学識経験者等 33名(平成 26年 12月現在)により構成されています。

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(3)障がい者計画改定に向けた方向性

【 】内は、健康福祉総合計画 2022における対応予定箇所を示しています。

基幹相談支援センターの設置【3(2)相談機能の充実】

地域の相談支援の拠点として、総合的な相談支援業務、障がい者の権利擁護業務

のほか、地域相談支援事業者等のネットワークを構築し、地域の実情に応じた体制

を整備する事を目的として基幹相談支援センターを設置します。

相談体制及び機能の充実 【3(2)相談機能の充実】

障がい者地域自立支援協議会相談支援部会等との連携により、個別の事例検討会

や、研修、セミナーの実施を通じ、市内の相談支援事業者、市職員など、相談支援

に係る従事者の資質向上、体制の整備に取り組みます。

高齢障がい者への支援【7(1)計画の推進体制】

障がい者の高齢化・重度化、また、地域移行等を踏まえ、地域福祉計画・高齢者

計画等、他計画との調和・整合を図り、地域包括ケアの充実を目指します。

(4)現在、実施している事業において充実させる事項

・相談支援体制の整備

障がい者地域自立支援協議会が作成した「福祉相談窓口ガイド」をはじめ、市の

ホームページ、市報、障がい者のためのしおり等を用いて、相談支援事業の周知に

努めます。

また、市民が気軽に相談できる地域拠点や、インターネットやメール等を利用し

た相談方法などの整備に努めます。

コラム 10

相談支援事業(障がい者相談支援事業)

障がいのある人の福祉に関する様々な問題についての相談に応じ、必要な情報の提供、障害福祉サービスの利用支援等を行うほか、権利擁護のために必要な援助も行います。 市内では、精神障がい者向けに「ゆー・あい」を、知的障がい者・身体障がい者向けに「ぽっぷ」の2事業所を委託運営しています。

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参考: 『三鷹市健康福祉総合計画2022』における障がい者計画の施策・事業体系

大項目 小項目 事業名

1 計画の策定と推進 (1)計画の策定と推進 ①「健康福祉総合計画2022」の策定と推進 ②「障がい福祉計画」の策定と推進

2 障がい者を支える 環境づくり

(1)障がい者の権利保障 ①差別禁止・虐待防止の取組 ②障害者権利条約批准を見据えた取組 ③権利擁護センターみたかの運営の充実

(2)「コミュニティ創生」による 「共に生きる」地域づくり

①地域ケア推進事業の全市展開 ②災害時要援護者支援事業の推進

(3)バリアフリーのまちづくり ①バリアフリーのまちづくりの推進 ②心のバリアフリーの推進 ③情報バリアフリーの推進

3 相談機能の充実と 障がい者の視点に 立った支援体制の 確立

(1)わかりやすい情報提供 ①わかりやすい情報提供の充実 ②ライフステージに応じた支援内容の周知

(2)相談機能の充実 ①相談支援体制の強化と相談機能の充実 ②障がい者ケアマネジメント体制の推進

(3)サービス利用者への支援 ①福祉サービス利用援助事業の推進 ②サービス更新(変更)時におけるアセスメントの推進

4 社会参加と交流の 推進

(1)障がい者の社会参加の促進 ①社会参加の条件整備 ②利用しやすい移動手段の確保

(2)障がい者の就労の推進

①企業就労の推進 ②福祉的就労の充実 ③就労支援センターを中心とした就労支援ネットワークの充実 ④障がい者就労支援施設の運営支援 ⑤職場定着支援の充実と生活支援を含めた関係機関の連携

(3)交流の推進 ①支え合う意識づくり ②福祉教育の推進

5 地域における自立 生活の支援

(1)障害者自立支援法の適切な運営 と障がい者制度改革への対応

①障がい者自立支援事業の推進 ②抜本的な障がい者制度改革への対応

(2)障がい者(児)の自立生活支援

①地域生活支援の充実 ②北野ハピネスセンター成人部門のあり方の検討 ③高齢者・障がい者入居支援・居住継続支援事業の推進 ④家族支援の充実 ⑤精神障がい者施策の充実 ⑥高齢障がい者への支援 ⑦発達障がい者、高次脳機能障がい者、難病患者等に対する支援

(3)障がい児の生活支援

①北野ハピネスセンター幼児部門の移転と機能の拡充 ②早期療育支援のための各関係機関の連携 ③放課後支援の充実 ④将来を見通した支援 ⑤発達障がい児等にかかる専門療育支援体制の充実

6 自立支援のための 基盤整備とサービ スの質の確保

(1)施設整備の推進 ①新川防災公園・多機能複合施設(仮称)の整備と活用 ②障がい者福祉施設等の検討

(2)障がい者福祉施設の充実 ①民間障がい者施設への支援 ②障がい者グループホーム等の設置の支援

(3)サービスの質と人財の確保 ①障がい者を地域で支える担い手の確保 ②第三者評価事業の推進と支援 ③居住系サービスを中心とした事業者連携体制の構築

7 推進体制の整備

(1)計画の推進体制 ①障がい者地域自立支援協議会の運営の推進 ②バリアフリーのまちづくり推進体制の整備・充実

(2)関係機関との連携 ①保健・医療・福祉・教育の連携 ②関係団体等との連携による施策の充実 ③福祉総合案内の充実