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計画編 計画の目標と施策の展開 69 公園や緑地はゆとりや安らぎを提供してくれるだけでなく、災害時の避難先や救済活 動の拠点といった安全・防災機能や、二酸化炭素の吸収源機能、水の涵養機能、生物多 様性の保全機能といった多面的な公益的機能を併せ持っています。 市では、都市公園や農村公園に加え、河川敷や街路樹の整備にも取り組んでいますが、 今後は住宅や事業場内における緑化を推進する等して、身近なところから緑を増やす取 組みが求められています。 また、市民参加による緑化活動(植林や育林運動等)の展開も望まれています。 計画-表3.10-1 市民団体等による主な緑化活動 活動団体名 主な団体の活動紹介 花と緑の銀行 ・NPO法人富山県民ボランティア総合支援センターの登録団体 ・各地域での花づくりや緑づくりの計画・指導・管理、花と緑に関するコンクールやイベント の開催・協力、地域住民に対する緑化活動の呼びかけ、緑化グループの育成や相談・指導等 NPO法人南 砺の山々を守 る実行委員会 ・NPO法人富山県民ボランティア総合支援センターの登録団体 ・市内の造園業者の呼びかけで始まったナラの木の補植活動がきっかけです。その後も、 植樹祭は毎年続けており、ホームページや毎年発行のパンフレットで植樹祭の様子を 報告したり、被害の視察研修や枯損研究、広葉樹再生イベント、植樹祭、ドングリ拾 い、播種、育苗等に取り組んでいます。 花とみどり ・「とやま森の祭典(5月)」や年2回の体験学習等に参加しています。また、少年団 毎に花壇づくりや球根の植え込み、学校農園等の活動を行っています。 ・このうち、「上平花とみどりの少年団」では活動が認められ、平成22年度の「全国緑の 少年団活動発表大会」で「優良賞」を受賞しています。 資料:NPO法人富山県民ボランティア総合支援センター、富山県男女参画・ボランティア課、林政課 近年では、市内でもポイ捨てやペットのフンの放置といった迷惑行為をする人が増え つつあります。市民環境意識調査でも、17.6% ※1 の回答者が「住まい周辺の清潔さ(ポ 組織名(H24.5時点) 学校名 団員数 福野花とみどりの少年団 福野小学校 13名 福光花とみどりの少年団 福光中部小学校、福光南部小学校 4名 城端花とみどりの少年団 城端小学校 8名 井波花とみどりの少年団 井波小学校 54名 井口花とみどりの少年団 井口小学校 22名 利賀花とみどりの少年団 利賀小学校 24名 平花とみどりの少年団 平小学校、平中学校 57名 上平花とみどりの少年団 上平小学校 31名

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計画編 計画の目標と施策の展開 69

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

公園や緑地はゆとりや安らぎを提供してくれるだけでなく、災害時の避難先や救済活

動の拠点といった安全・防災機能や、二酸化炭素の吸収源機能、水の涵養機能、生物多

様性の保全機能といった多面的な公益的機能を併せ持っています。

市では、都市公園や農村公園に加え、河川敷や街路樹の整備にも取り組んでいますが、

今後は住宅や事業場内における緑化を推進する等して、身近なところから緑を増やす取

組みが求められています。

また、市民参加による緑化活動(植林や育林運動等)の展開も望まれています。

計画-表3.10-1 市民団体等による主な緑化活動

活動団体名 主な団体の活動紹介

花と緑の銀行

南 砺 支 店

・NPO法人富山県民ボランティア総合支援センターの登録団体

・各地域での花づくりや緑づくりの計画・指導・管理、花と緑に関するコンクールやイベント

の開催・協力、地域住民に対する緑化活動の呼びかけ、緑化グループの育成や相談・指導等

NPO法人南

砺の山々を守

る実行委員会

・NPO法人富山県民ボランティア総合支援センターの登録団体

・市内の造園業者の呼びかけで始まったナラの木の補植活動がきっかけです。その後も、

植樹祭は毎年続けており、ホームページや毎年発行のパンフレットで植樹祭の様子を

報告したり、被害の視察研修や枯損研究、広葉樹再生イベント、植樹祭、ドングリ拾

い、播種、育苗等に取り組んでいます。

花 と み ど り

の 少 年 団

・「とやま森の祭典(5月)」や年2回の体験学習等に参加しています。また、少年団

毎に花壇づくりや球根の植え込み、学校農園等の活動を行っています。

・このうち、「上平花とみどりの少年団」では活動が認められ、平成22年度の「全国緑の

少年団活動発表大会」で「優良賞」を受賞しています。

資料:NPO法人富山県民ボランティア総合支援センター、富山県男女参画・ボランティア課、林政課

近年では、市内でもポイ捨てやペットのフンの放置といった迷惑行為をする人が増え

つつあります。市民環境意識調査でも、17.6%※1の回答者が「住まい周辺の清潔さ(ポ

組織名(H24.5時点) 学校名 団員数

福野花とみどりの少年団 福野小学校 13名

福光花とみどりの少年団 福光中部小学校、福光南部小学校 4名

城端花とみどりの少年団 城端小学校 8名

井波花とみどりの少年団 井波小学校 54名

井口花とみどりの少年団 井口小学校 22名

利賀花とみどりの少年団 利賀小学校 24名

平花とみどりの少年団 平小学校、平中学校 57名

上平花とみどりの少年団 上平小学校 31名

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70 計画編 計画の目標と施策の展開

イ捨てや犬のフン放置がない等)」に不満を感じており、自由意見でもポイ捨てに対する不

満の声やマナーの低下を嘆く意見が多く寄せられています。

また、このような迷惑行為を放置することはまち全体の環境保全意識の低下にも繋が

ることから、迷惑行為者にはマナーの向上を促すとともに、まちの美化を市民全員で守

る意識を持つことが必要となっています。このため、条例の制定も視野に入れた、総合

的な対策を打ち出すことが求められています。

一方で、市内では、市民団体や地元有志、学生等の参加による自主的な環境美化活動

が行われており、市ではこれらの団体に対し、活動資材(ごみ袋や軍手)の支給や回収ご

みの処分費減免の面で活動団体を支援しています。

※1「不満」と「やや不満」を合わせた割合

計画-表3.10-2 市内の環境美化活動の取組み[平成23年度]

活動名称 活動場所 日 程 参加人数(人)

不動滝霊水周辺の環境美化 河川・道路 4月30日 100

10,139

春の清掃活動 河川・道路・市街地 4月1日~5月28日 1,223

山や川をきれいにする運動 河川・道路・市街地 5月29日~6月30日 1,089

なんと!ごみゼロの日 河川・道路・市街地 5月30日 1,089

山や川をきれいにする運動 河川・道路・市街地 7月1日~8月31日 2,568

秋の清掃活動 河川・道路・市街地 9月1日~12月5日 1,281

まちやむらを美しくする運動 河川・道路・市街地 10月1日~31日 1,995

なんとふるさと美化の日 河川・道路・市街地 10月30日 794

計画-写真3.10-1 市内の美化活動の取組み

資料:住民環境課

モータリゼーションの進展や少子化の進行に伴って、市内の公共交通(バス・JR城

端線)を利用する人は減少傾向にあります。しかしながら、公共交通は安全で環境にや

さしい移動手段でもあり、重要な交通手段として維持していくことが必要です。このた

め、今後は市民の利用を促進させる施策や利便性を向上させる施策を推進し、公共交通

の利用に対する意識の高揚を図っていく必要があります。また、平成26年度末の北陸新

幹線の開業を見据え、観光客の来訪促進に向けた施策の展開も求められます。

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計画編 計画の目標と施策の展開 71

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

本市は、県内でも有数な豪雪地帯であることから、日頃から消融流雪施設の充実や維

持管理、有利な水源の確保に努めることが必要です。また、将来的には、除雪機械の老

朽化や修繕費の増加だけでなく、業者が保有する除雪機械の減少や除雪オペレーターの

高齢化・人材不足といった問題も抱えており、さらに道路改良事業の進捗に伴って除雪

延長路の増加が予想されることから、今以上に効率的に除雪機械を配置したり、官・民

の協働による除排雪活動を進める等して、除雪体制の強化を図っていく必要があります。

さらに、今後ますます深刻化する高齢化社会に向けて、一人暮らしや高齢者世帯の屋根

の雪下ろしといった除排雪活動の支援等、安心して暮らせる生活環境を支えるために地

域ぐるみで除排雪を行う体制を整備していくことが求められています。

豊かな自然に囲まれた市内では、四季折々の彩りを楽しむことができます。例えば、

春から夏にかけては濃淡さまざまな新緑に包まれた山々や苗による緑のじゅうたんがたな

びく田園、秋には色とりどりの紅葉で染め上げられた山々や稲穂が黄金色に輝く田園、冬

には一面が銀世界に様変わりし、月明かりの下でライトアップされた幻想的な五箇山合

掌造り集落等が見られます。

一方で、文化と生活の営みが融合した「井波の木彫りの音」は、地域のシンボル的な

音風景として、国指定の「残したい日本の音風景100選」に選出されています。

今後もこのような地域のシンボルとなる音やかおり、光、彩りといった心地よい感覚

環境を発見していくことで、普段何気なく思っていた景色の素晴らしさを再認識し、さ

らなる環境配慮や保全活動につなげていくことが求められています。

主 な 事 業

① 都市公園や農村公

園の整備・管理

市民ニーズに配慮しながら、都市公園や農村公園の整

備・リニューアルを推進します 68

② 市内の緑化活動の

推進 公共施設の緑化を推進します 68

③ 住宅地や事業場内における緑化活動を奨励します

④ 花いっぱい運動の

促進

市内の道路や駅前、商店街等に花を植え、訪れる人をいっ

ぱいの花で出迎えるための「花いっぱいまちづくり運動」

を推進します

欄に「●」がある

ものは、リーディングプ

ロジェクトに選定した

ことを示します。

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72 計画編 計画の目標と施策の展開

主 な 事 業

⑤ 市民による緑化活

動の推進

「花と緑の銀行南砺支店」や「花とみどりの少年団」等が

行う事業を支援します

65

88 ●

⑥ 市民による市道の

美化活動の支援 市道の草刈りや清掃活動を行う自治振興会を支援します ●

⑦ 天然記念物の保全 国・県・市が指定する天然記念物(植物)の保護に努め

ます 53

主 な 事 業

① 市民による美化活

動の支援

市内の山や川、まちやむらをはじめとした身近な自然が保

全されるよう、市民による環境美化活動を支援します 65 ●

② 活動資材(ごみ袋や軍手)の支給や回収ごみの処分費減

免等で活動団体を支援します 88

③ ポイ捨て防止意識

の醸成

広報なんとや市のホームページ等でポイ捨てを行わない

ようにマナー改善を呼びかけます ●

④ ペットのフン対策

の推進

狂犬病予防注射の機会等を捉えて、ペットのフンの放置に

対するマナー改善を呼びかけます

⑤ 放置自転車の取り

締まり 放置自転車の取り締まりや適正撤去に努めます ●

主 な 事 業

① 公共交通の利用対

策の促進

生活路線バス等においては、公共交通サービスの維持や

改善を目指します

24

48 ●

② 広域バスや市営バス等においては、利便性を考慮した運

行を目指します

24

48 ●

③ 公共交通の利用促進のための広報啓発活動を推進します 24

48

④ 北陸新幹線の開業に向けた公共交通体系を検討します 24

48

⑤ JR城端線活性化

の推進 イベントの開催等による利用促進策を検討します

24

48

⑥ 駅周辺の環境整備を推進し、利便性を向上させます 24

48

⑦ 渋滞緩和策の推進 交通網の整備や、道路・交差点の整備・改良により、通行

の円滑化に努めます

24

49 ●

⑧ 誘導看板の設置や案内看板の統一化を図ります 24

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計画編 計画の目標と施策の展開 73

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

主 な 事 業

⑨ 公営駐車場等の整

利用者の動向に応じた駐車場や駐輪場を計画的に整備し

ます 24

⑩ 沿道の緑化の推進 沿道の緑化のため、街路樹を整備します 24

49

主 な 事 業

① 消融雪施設の整備 水利状況や地域の実情に応じた消融流雪施設を整備しま

② 有利な水源確保の調査研究を行います

③ 除雪機械の整備・

更新 除雪機械の計画的な整備や更新を行います

④ 除雪計画の策定 円滑で効率的な除雪計画を策定します

⑤ 効率的な除雪体制を強化します ●

⑥ 地域ぐるみの除排

雪の推進 地域ぐるみの除排雪活動を支援します ●

⑦ 協働体制による除雪活動を推進します ●

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74 計画編 計画の目標と施策の展開

計画-写真3.11-1 散居村と伝統的家屋(アズマダチ)

資料:南砺市観光ガイドホームページ(写真ダウンロー

ドシステム)、あずまだち高瀬

現代社会においては、「ゆったりとした時間」がぜいたくなものとされ、季節を感じて、人の

温かさに触れながら歩くことや、手間ひまかけて育てられた旬の地元食材を味わうこととい

った、質的な充実が図られた文化的な社会が求められる時代となっています。

「温お ん

故こ

知ち

新し ん

=故ふ る

きを温た ず

ねて新しきを知る」という諺ことわざ

には、昔のことを研究して、そこから新し

い知識や道理を見つけだすという意味があります。

市内を見渡せば、その土地に根ざした独自の景観や文化が至るところに存在します。

これらの文化や景観資源は、市民の共有財産として、今後も大切に保存していく必要

があります。また、地域色あふれるまちづくりの中で効果的に活用され、暮らす人・訪れる

人がともに心地よく過ごせる、そんな趣のあるまちを築いていくことが望まれています。

市内には歴史や風土を活かした地域色豊かな景観が形成されていますが、ライフスタ

イルの変化等によって、市固有の景観が変容しつつあります。

例えば、世界遺産の五箇山合掌造り集落では後継者不足や規制に伴う生活の不便さ、

屋根葺材料となる小茅こ が や

の不足等が課題であり、散居村集落ではライフスタイルの変化に

伴って、屋敷林やアズマダチと呼ばれる伝統的な農家住宅が年々減少し、固有の農村景

観が変容しつつあります。その一方で、これらの景観の保全を目的とした市と住民によ

る協定締結等の動きもあり、今後もこうした市民による保全活動を支援しながら、地域

が一体となって景観を保全していくことが求められています。

田園地帯には、屋敷林に囲まれた家屋が点

在する「散居村」と呼ばれる集落形態が広が

っており、この散居村景観は「にほんの里100

選」※1にも選出されています。

このような景観は、農作業がしやすいよう

に住居の周囲に水田を開墾したことがルーツ

とされています。「散居村」では家々が離れて

おり、それぞれの家屋は冬には厳しい風雪に、

夏には強い日差しに直接晒されるため、家屋

の周囲に木を植え、後に「カイニョ」と呼ば

れる屋敷林を大切に育てました。また、家屋

は大きな三角の妻面に太い梁と束、貫がマス

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計画編 計画の目標と施策の展開 75

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

目に組まれ、その間が白壁となっている「アズマダチ」や「マエナガレ」と呼ばれる伝統

的家屋が多く、これらの家屋が砺波平野の美しい散居村景観の形成を担っています。 ※1主催は(財)森林文化協会、後援は農林水産省、国土交通省、環境省

江戸時代からその姿を変えずに今も当時

のままに人々が暮らしており、畑を耕す人の

姿や茅葺屋根を葺き替える風景は、いにしえ

の面影を今に残しています。

この五箇山合掌造り集落の中心となる相

倉(平地域)・菅沼(上平地域)の両集落は、国

の史跡や重要伝統的建造物群保存地区に選

定されており、平成7年12月にはユネスコの

世界遺産に登録されました。現在、相倉には

20棟、菅沼には9棟の合掌造りが現存してお

り、その多くが100~200年前に築造されたも

ので、古いものは400年前にもなります。

市街地には井波別院瑞泉寺や城端別院善

徳寺、安居寺をはじめとする縁起豊かな寺院

や神社が多く、その周辺には門前町の景観が

残っています。

また、小矢部川や大門川をはじめとする大

小さまざまな河川が流れており、うるおいあ

る景観として親しまれています。

地域の長い歴史の中で守られてきた史跡や文化財、伝統芸能・伝統技術といった文化

的資源はその地域の宝であり、その土地の歴史や文化を正しく理解するために欠くこと

ができないものです。近年では、歴史や文化に対する価値観の変化や、地域内の繋がり

が希薄化していることを背景に、これらの文化的資源が徐々に失われつつあり、多くの

自治体においてもそのことが問題視されています。

本市においても、民俗文化財を継承する集落では後継者不足が深刻です。また、市の

収蔵施設が不足する等して、市民等からの歴史的民俗資料や文化財の寄贈・寄託の希望

に十分対応しきれていない状況です。このため、今後は市域全体で文化財や伝統文化に

対する理解を深めるとともに、文化財の収集・保存や、伝統芸能・伝統技術の保存・継

承に努めていく必要があります。

計画-写真3.11-2

五箇山合掌造り集落と茅葺屋根の葺替作業

計画-写真3.11-3

瑞泉寺と八日町通り[左]、南砺市景観づくり事業で

整備された八日町の外部改装[右上]、上新町の大暖

簾[右下]

資料:「南砺里山街道見聞録」南砺市観光協会、都市計画課、南砺市観光ガイドホームページ(写真ダウンロードシステム)、企画情報課

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76 計画編 計画の目標と施策の展開

市内には200を超える指定文化財がありますが、その保存や活用法の検討が必要となって

います。

計画-表3.11-1 市内の指定文化財 [平成23年度] 単位:件

区分 有形文化財 民俗文化財 記念物 計

国指定 8 1 4 13

県指定 17 4 7 28

市指定 104 8 86 198

計 129 13 97 239 備考1)有形文化財:建造物、美術工芸品(絵画、彫刻、工芸品、書籍・典籍・古文書、考古資料、歴史資料) 備考2)民俗文化財:有形民俗文化財、無形民俗文化財 備考3)記念物:史跡、名勝、天然記念物、名勝・天然記念物、史跡・名勝・天然記念物

国選定文化財 重要伝統的建造物群保存地区 2

国選択文化財 記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財 2

国登録文化財 有形文化財(建造物) 3

資料:文化・世界遺産課

市内には、豊かな自然と先人の知恵によって育まれてきたものづくりの技があります。

代表的なものとして、強靭さと優美さをあわせもった和紙として名高い「五箇山和紙」

や、北陸随一といわれる大伽藍を誇る瑞泉寺の歴史とともにある「井波彫刻」、安土桃山時

代からある「城端絹織物」があり、このうち、「五箇山和紙」と「井波彫刻」は国の伝統的工

芸品に指定されています。

また、近代ではアルミ建材や橋梁、機械分野において、全国的に有名な企業が存在する一

方、平成14年にはアザラシ型ロボット「パロ※1」が世界一の癒しロボットとしてギネスブッ

クに認定され、脚光を浴びました。このように、市内で培われたものづくりの技や知恵は、

伝統産業のみならず、新世紀の息吹となる新たな産業にも脈々と受け継がれています。 ※1独立行政法人産業技術総合研究所が設立した㈱知能システム(城端地域)が開発したアザラシ型ロボット

計画-写真3.11-4

主な伝統産業 (五箇山和紙[左]、井波彫刻[中]、城端絹織物[右])

資料:「南砺市勢要覧 写真編(平成22年7月)」市民協働課、井波彫刻協同組合「南砺里山街道見聞録」南砺市観光協会、観光課

市内では、生活感情を表した素朴な歌や踊りが伝承されています。

このうち、「むぎや節」や「こきりこ節」は、県内三大民謡(越中おわら節、こきりこ節、

むぎや節)に数えられており、全国的にも有名です。また、「といちんさ」をはじめとした

数々の民謡が残されている五箇山地方は「民謡の宝庫」と呼ばれています。

計画-写真3.11-5

アザラシ型ロボット「パロ」

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計画編 計画の目標と施策の展開 77

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

計画-写真3.11-6 市内の主な伝統芸能(むぎや節[左]、こきりこ節[中]、福光ねつおくり七夕祭りの民謡流し[右])

資料:南砺市観光ガイドホームページ(写真ダウンロードシステム)、福光ねつおくり七夕祭り実行委員会

市内は県内有数の米処として知られていますが、一方でこの土地ならではの郷土料理や

食文化も受け継がれています。

有名なものとして、昔は縄で縛って持ち帰ったといわれるほどに堅い「五箇山豆腐」や

福光・城端地域に300年以上も伝わる「富山干柿」、利賀産のそば粉を使った「利賀そば」、

米麹と鮮魚でつくるなれずしの一種の「かぶら寿し」が挙げられ、他にも赤かぶや里芋、

どじょうの蒲焼き、米菓、とちもち、がや焼き、地酒等の地場産物があります。また、浄

土真宗門徒の最も重要な行事「報恩講ほうおんこう

」に出される報恩講御膳も有名です。特に五箇山地

方では堅豆腐や山菜をふんだんに使った昔ながらの料理が現在も作られています。

計画-写真3.11-7 市内の主な郷土料理・食文化 (報恩講御膳[左]、富山干柿[右])

資料:南砺市観光ガイドホームページ(写真ダウンロードシステム)

本市で開催される各種芸術文化活動は、それぞれの地域の魅力を引き出すものである

とともに、豊かな人間形成やうるおいのある生活を実現させるものとして、なくてはな

らないものです。

市内では、四季折々の祭りやイベントが開催されており、優れた国際芸術文化事業と

して有名な「いなみ国際木彫刻キャンプ」や「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」等で

は、国内外を問わず集結した参加者と市民との交流が行われています。その一方で、伝

統行事においては後継者不足が深刻な問題となっていることから、今後も芸術文化活動

に対して、活動の場の充実や各種団体への支援等を進める一方、市民等に対して活動へ

の参加の呼びかけを進める必要があります。

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78 計画編 計画の目標と施策の展開

計画-表3.11-2 市内の主な四季の祭り・イベント [平成23年度]

四季 名称 地域 四季 名称 地域

春 いのくち椿まつり 井口 夏 福光ねつおくり七夕祭り 福光

四季の五箇山 春の宵 上平 太子伝会 井波

福野夜高祭 福野 いなみ太子伝観光祭 井波

井波よいやさ祭り 井波 善徳寺虫干法会 城端

利賀の春祭り 利賀 SCOTサマー・シーズン 利賀

五箇山春祭り 平,上平 スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド 福野

城端曳山祭 城端 市の里福野ビック夏の2・7市 福野

福光の春祭り 福光 福光イオックス・アローザ声楽サマー・セミナー 福光

秋 寺のまちアートinいなみ 井波 冬 福野歳の大市 福野

井波彫刻まつり 井波 越中一宮 高瀬神社 初詣 井波

城端むぎや祭 城端 雪国祭アイスフェス 井波

五箇山和紙まつり 平 ふくみつ雪あかり祭り 福光

五箇山麦屋まつり 平 IOX-AROSAウィンターフェス 福光

こきりこ祭り 平 南砺利賀そば祭り 利賀

ど~んと利賀の山祭り 利賀 こきりこ味祭り 平

南砺菊まつり 福野 つごもり大市 城端

雪恋まつり 福光 四季の五箇山雪あかり 上平

ふくの“市の里”アートフェスタ 福野 利賀の初午 利賀

福野のごっつお里いもまつり 福野 - -

資料:「南砺里山街道見聞録」南砺市観光協会、「南砺市都市計画マスタープラン(平成21年3月)」他

郷土の文化や歴史的景観を次代に継承する上で、とりわけ子どもたちが日頃から地域

の文化や芸術に親しむことが重要な要素となることから、歴史的価値のある景観や歴史

的・文化的遺産とのふれあい、祭りや伝統行事をはじめとする各種芸術文化活動への参

加を促すための働きかけを行っていく必要があります。

主 な 事 業

① 計画的なまちづ

くりの推進

「都市計画マスタープラン」を推進し、地域の歴史や文化、

自然環境等の特性を活かした個性あるまちづくりを推進し

ます

② 市民による景観

づくりの推進 景観づくり住民協定の締結を促進します ●

③ 景観づくりに関する意識高揚を図るため、PR活動を推進

します ●

④ 景観条例の制定に向けた調査・検討を行います

⑤ 世界遺産等の環

境整備 「五箇山世界遺産マスタープラン」を推進します ●

⑥ 「世界遺産サポーター」を確保するため、効果的な方策を検

討します ●

欄に「●」がある

ものは、リーディングプ

ロジェクトに選定した

ことを示します。

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計画編 計画の目標と施策の展開 79

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

主 な 事 業

⑦ 世界遺産等の環

境整備 (続き)

五箇山合掌造りの屋根葺材料となる小茅の自給率を向上さ

せるため、茅場の整備に努めます ●

⑧ 五箇山合掌造り集落や周辺地域の環境を維持・保全します ●

⑨ 散居村景観の保

全 「散居景観を活かした地域づくり協定」の締結を促進します ●

⑩ 県と連携し、屋敷林の枝打ちや育成を支援します

⑪ 県と連携し、散居景観の保全や創造を目的とした研修会の

開催や活動を支援します

⑫ 田園景観の保全 遊休農地を活用する団体を支援します

⑬ 過疎地域対策の

推進 過疎地域振興事業を推進します

主 な 事 業

① 文化財の保護・

保全

「南砺市文化財保護条例」に基づき、指定文化財を保護・保存します。また、埋蔵文化財調査にも適切に対応します

② 開発行為に対し、文化財保全の観点から適切な指導を行い

ます

③ 文化財収蔵・展

示施設の整備 文化財の国登録制度の活用を検討します

④ 埋蔵文化財の保管・展示施設を整備します

⑤ 民俗資料館等の機能充実を図ります

⑥ 伝統文化保存団

体への支援 伝統文化保存団体の活動支援と後継者の育成に努めます

⑦ 伝統芸能や歴史資

料の保存と活用

歴史資料や古文書の調査研究や、埋蔵文化財の調査・保存

を推進します

⑧ 展示会やシンポジウムを開催します

⑨ 民俗文化財の保

存と継承 地域の民俗文化財を保存し、継承団体の活動を支援します ●

⑩ 民俗文化財を調査収集し、展示します

⑪ 伝統産業の振興

と活用の推進 伝統産業と観光産業との連携を強化します

⑫ 後継者の育成活動を支援します ●

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80 計画編 計画の目標と施策の展開

主 な 事 業

⑬ 伝統産業の振興

と活用の推進

(続き)

文化財の修理技術等の販路拡大を支援します

⑭ 時代のニーズにあった新商品の開発に向け、調査研究しま

主 な 事 業

① 芸術文化活動への

支援

芸術文化活動の質的向上や規模拡大を図り、交流を促進

します

② 美術展を定期的に開催し、芸術文化に親しむ機会を拡充

します

③ 市民が多彩な芸術文化活動に参加できる機会を拡充しま

④ 芸術文化団体の活動組織を支援します

⑤ 国際舞台芸術活動を支援します

⑥ 芸術文化活動を担う人材の育成活動を支援します

⑦ 文化ホール・美術

館等の事業の充実

文化ホールや美術館の主催事業や企画展等の充実を図り

ます

主 な 事 業

① 子どもの郷土意識

の醸成 郷土学習教材を作成し、活用します

② ふるさと教育を推進します ●

③ 伝統催事や神事の

保存と継承

伝統催事の開催を支援し、各地に伝わる固有の伝統芸能

や神事を保存し、継承します

④ 市民の文化や郷土

史への意識の醸成 図書館や公民館等を活用し、学習の場を提供します

⑤ 史跡や文化財巡りを開催し、郷土史を学ぶ機会を創出し

ます

⑥ 郷土文化の掘り起

こし

まだ知られていない南砺市の良き郷土文化を募集し、地

域づくりや催事に活用します

⑦ 郷土の食材や郷土

料理の継承と活用

市産の旬の食材を使った郷土料理の継承や、新しい郷土料

理の育成、家庭で食卓を囲むことの大切さを啓発する活動

を推進します

⑧ 学校給食に市産農作物を積極的に取り入れる等して、食

育の充実を図ります 63

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計画編 計画の目標と施策の展開 81

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

すでに多くの市民が、さまざまな機会の中で環境情報を得たり、環境にやさしい行動に取り

組んだりしています。このような環境にやさしい行動が浸透・拡大するには、まずは環境をよくす

るための正しい知識や情報を学び・理解しておくことが望ましく、これらを提供する環境教育や

環境学習の果たす役割は、これまでにも増して重要なものとなっています。

また、環境教育や環境学習に取り組むことは、環境を守る意識を醸成するだけでなく、郷土

を愛する心や自ら考えて責任のある行動がとれるといった人格の形成にもつなげることができま

す。このため、幼い頃からの環境教育は重要であり、学校教育のみならず、家庭や地域にお

いても環境問題を一緒に語ったり、考えたりしながら、行動していくことが求められています。

このような生涯を通じて環境に配慮した行動がとれる人が育つためには、地域が一体とな

って、正しい知識や情報が学べる機会や実際に環境保全活動を体験できる拠点をつくり出

していく取組みが必要です。

市民に対し、行政が正しい環境情報や環境保全に役立つ情報をタイムリーかつ繰り返

し呼びかけていくことは、協働体制で環境施策を進める上で大変重要なことです。

市では、これまでにも広報なんとやホームページをはじめ、市内各所にポスターを掲

示したり、各家庭にチラシを配布したり、住民説明会を開催したりして、環境に関する

さまざまな情報の提供や呼びかけを行ってきました。

しかしながら、市民環境意識調査では、「環境情報量の多さ」に満足している回答割合は

24.4%※1にとどまっており、他の環境要素の満足度と比べても著しく低くなっています。

一方、環境情報の入手手段をみると、79.1%が「広報なんと」を選択していることから、

環境情報の提供の場として、「広報なんと」をさらに工夫し、活用していくことが求められ

ます。また、入手したい環境情報として、最も多かった回答が「環境問題と生活との関わり

や、身近で役立つ工夫等の情報(49.3%)」であり、次いで「市の環境の現状や市が実施す

る各種施策・対策に関する情報(44.3%)」、「市の各種補助制度に関する情報(33.7%)」と

なっており、市民の間では、特に自らが主体的に取組みを進めていく際に役立つ情報に対

し、高い関心を寄せていることがうかがえます。

今後は、これらの要素を踏まえた上で、さまざまな環境情報の整理や体系化を進めると

ともに、市民が望んでいる情報の提供に努めていく等の工夫が必要です。

※1「満足」と「やや満足」を合わせた割合

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82 計画編 計画の目標と施策の展開

子ども環境意識調査では、54.8%※2が環境を学ぶことが好きと回答し、特に小学生での割

合(67.2%※2)が高く、多くの子どもが環境教育の充実を望んでいることがうかがえます。

市内では、「ギフチョウの放蝶会※3」や「田んぼの生き物調べ※4」といった、地域のフ

ィールドを活かした自然体験学習会が開催されています。また、市内の小中学校では、

各教科学習や総合的な学習の時間、特別活動等を通じて、さまざまな環境教育に取り組

んでいますが、学校間で取組みに温度差があることから、各学校や学年で行われている

環境教育の共有化を図るため、学校間での情報交換や連携体制の強化等が求められます。

なお、子どもたちが環境問題に関心を持って、環境と人との関わりを学び、理解してい

くためには、自分たちの住む地域の身近な自然や生活の場から、教わり・調べ・考え・

体験する学習過程が重要になります。このため、地域のフィールドを活かした学習活動

が充実するよう、保護者や地域住民、関係機関等が積極的に学校に協力し、支援する体

制を構築していくことが必要となっています。

一方で、市内では豊かな自然環境を活かしたさまざまなエコツーリズムやグリーンツ

ーリズムといった体験型の環境学習が開催されていますが、市民環境意識調査によると、

環境学習に頻繁またはときどき参加している人の割合は18.3%であり、環境保全活動の

参加割合(32.6%)の半分程度にとどまっています。また、「環境教育・学習の場の多さ」

に満足している割合も26.0%※5であり、「環境情報量の多さ」と同様、他の環境要素の満

足割合に比べて著しく低くなっています。しかしながら、市内の豊かな自然や文化を活

かした体験型の環境学習を通じて、全国に南砺市の自然や文化の素晴らしさを発信して

いくことは、地域の活性化にも繋がることから、体験メニューや活動の場を増やしたり、

内容を体系化したりして、参加者を募るための工夫や支援を進めていくことが求められ

ます。

※2「とても好き」と「どちらかといえば好きなほうだ」を合わせた割合

※3放蝶会は今年(平成24年)で12回を迎えます。このギフチョウは、「ギフチョウの里づくりの会」や「城端ナチュラリスト

研究会」の協力のもとで、子どもたちが総合的な学習の時間を活用しながら、卵からサナギになるまで育てたものです。

※4身近な田んぼや用水路、ため池等をすみかにしている生き物の調査や水温・水質の調査等をきっかけにして、農村独自

の生態系や自然環境、地域資源を学習することを目的として行われるもので、市内では平成19年度から行われています。

(富山県農村環境創造基金事業)

※5「満足」と「やや満足」を合わせた割合

市内では、市が主催する環境施設の見学会や自然・景観観察会の他にも、学校や公民

館、グループ活動、職場等が行う独自の活動や、一部のNPO法人やボランティア等が

中心となって行う講演会、棚田や里山の保全活動、農業体験、親子自然体験教室等があ

ります。これらの取組みはそれなりの成果は上げていますが、内容面や回数で更なる充

実を期待する声もあり、環境教育の体系化や実施主体間の連携が今後一層求められるこ

とが予想されます。

その一方で、環境教育を充実させる上での大きな課題として、市内には環境教育を専

門的に扱う機関がないこと、環境教育に精通した専門職員や核となる指導者が不足して

いること、そして体系的かつ継続的に学べるカリキュラムや教材が未整備であること等

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計画編 計画の目標と施策の展開 83

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

が挙げられます。これらの課題が克服できれば、環境教育が飛躍的に向上すると考えら

れます。また、これに合わせて、既存の公共施設等を活用する等して、市民や事業者が

気軽に集まって環境について学び、話し合う場(環境学習を行う拠点)を整備していくこ

とも求められます。

主 な 事 業

① 情報収集体制の

整備

自治振興会や各種市民団体が実施している環境活動の情報を

収集し、広報なんとや市のホームページ等で紹介します ●

② 情報の共有化の

推進

環境意識の高揚のため、市政出前講座「なんとセツメール隊」

を派遣します 84

③ 広報なんとや市のホームページ等を活用し、環境情報の提供

を促進します ●

④ マスメディア(新聞やラジオ等)を活用し、市内で取り組ん

でいる環境保全活動を市内外に発信します ●

⑤ 図書館の行政・郷土史コーナーにおいて、環境関連図書の充

実に努めます

⑥ 地域審議会や地域づくり談義、市政懇談会の場で市民が知り

たい環境情報や提案したい環境施策等の要望を聴取します

⑦ 庁舎の情報公開コーナーを利用し、環境情報の充実に努めま

主 な 事 業

① 子どもの環境教

育の充実

児童生徒の発達段階に応じた体験型環境学習の充実を図

るため、各教科学習や総合的な学習の時間、特別活動等を

活用します

② 県と連携し、「14歳の挑戦」事業において、地域の環境保

全メニューにも取り組みます

子どもの環境意

識を醸成する団

体への支援

県と連携し、「こどもエコクラブ」や「花とみどりの少年

団」の活動を支援します 68 ●

欄に「●」がある

ものは、リーディングプ

ロジェクトに選定した

ことを示します。

Page 16: 17.6 (ポ - Nanto · 山や川をきれいにする運動 河川・道路・市街地 5月29日~6月30日 1,089 なんと!ごみゼロの日 河川・道路・市街地 5月30日

84 計画編 計画の目標と施策の展開

主 な 事 業

④ 市民の環境学習

の推進 市民大学において、環境関連講座の充実に努めます

⑤ 地域資源(人材・施設)を活用した生涯学習を推進します ●

⑥ 環境学習の場の

充実

図書館や児童館、公民館等と連携し、世代に応じた環境学

習の機会を設けます

⑦ 「なんとセツメー

ル隊」の派遣

環境意識の高揚のため、市政出前講座「なんとセツメール

隊」を派遣します 83

主 な 事 業

① 核となる人材の把

市内在住の各環境分野の専門家や市民団体を把握するた

め、NPO法人や各種ボランティアの登録名簿を作成し、

活用します

② 核となる人材の育

地域づくりリーダーの養成事業「七転び八起き塾」にお

いて、地域の環境問題を研修します

③ 環境保全を対象としたまちづくり講座の開設を検討しま

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計画編 計画の目標と施策の展開 85

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

持続可能な社会を実現するには、私たち一人ひとりが環境をよくする知識や情報を正しく

理解するだけでなく、環境に配慮した行動を実践していく必要があります。

また、市内の環境保全活動を持続させるには、一人の千歩より千人の一歩といった発

想が必要であり、活動に参加する市民の裾野を広げ、市民一人ひとりの「地域環境力」※1

を底上げすることが必要となっています。また、さまざまな環境保全活動を通じて住みよさを

増すことが、郷土愛を育てることに繋がり、更なる「地域環境力」の底上げにつながるといっ

た、好循環を生み出す仕掛けが求められます。

※1地域全体でよりよい環境を保全・創造しようと取り組む意識や能力のこと

市民環境意識調査によると、環境保全活動に参加している割合は32.6%※2で、年齢別

では40歳以上、地域別では五箇山地方(平・上平・利賀)において特に参加割合が高くな

る傾向にあります。また、子ども環境意識調査によると、環境保全活動に取り組みたい

と回答した割合は63.8%※3と高く、学年別では小学生、地域別では五箇山地方(平・上

平・利賀)において特にその意欲が高まる傾向にあります。

これらの結果から、中学生から30歳代までの参加割合は低下するものの、時間に余裕

がある世代や地域活動に責任が求められる年代、あるいは自然豊かな地域においては、

環境保全活動に対する参加意識が高まる傾向がうかがえることから、特に若年層の子ど

もや中高年を対象にした環境保全活動の受け皿づくりを開拓していく必要があります。

また、参加しない理由では、「仕事や家

庭の都合で時間が取れない」や「どんな

環境保全活動があるのか、事前に分から

ない」の回答割合が高いことから、開催

方法や伝達方法を工夫すれば、更なる活

動の拡充が見込めることがうかがえます。

※2「頻繁に参加」と「ときどき参加」を合わせた

割合

※3「自分ができることは何か取り組んでみたい」

と「どちらかといえば取り組んでみたい」を

合わせた割合

挿絵:『 地球にやさしく暮らすための絵本 』高月絋(High Moon)

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86 計画編 計画の目標と施策の展開

市内では市街地と農村・里山に住む人々がお互いの地域の魅力を分かち合うため、人

や物の行き来を活発にするエコツーリズムやグリーンツーリズム、地産地消といった取

組みの輪が広がりつつあり、今後もこのような活動の展開が求められます。

また、市内では少子高齢化や核家族化の進展によって、家族や地域社会の変容が起こっ

ており、これまで家庭や地域で自然に行われてきた高齢者と若者の交流等が減少すること

でのジェネレーションギャップが顕在化しています。このような状態が続けば、市内でこ

れまで培われてきた伝統文化や技、自然を保全するための知恵等の継承が途絶えてしまう

ことから、世代間の交流を意図的につくり出す機会を設けることが求められます。

本市の環境保全に関する独自の規制条例は、「南砺市廃棄物の減量及び適正処理等に

関する条例(平成16年条例第153号)」のみであり、公害防止や環境美化、自然環境保護、

景観保護の観点からの規制措置は行っていない状況です。

規制の措置は、公の利益を守るために私権の一部を制限するものであり、規制の理由

や規制基準は合理的なものでなくてはなりません。市が独自に規制を課す場合には、公

の利益を守るため、国や県で規制がなされていない内容の中で特に規制が必要なものに

限られますが、市民のニーズを踏まえ、科学的な根拠や規制による効果も明確化した上

で定める必要があります。

国や県に比べると、市町村は直接苦情を受理し、現場対応するといった、より市民生

活に密着した行政運営を行う責務があります。このため、市民のニーズをつかみ、スピ

ーディにきめ細かく対応する点では優れていますが、国や県と比べて環境に関連する専

門職員が少なく、なかなか独自の規制に踏み込めることが少ないのが現状です。

しかしながら、今後、環境保全に対する市民の関心やニーズはますます高まることが

予想され、それに伴って、環境保全の最低限のルールを定めた規制措置もだんだん厳し

くなることが予想されます。そうした時代の流れに乗り遅れることがないよう、規制措

置に向けた調査や検討を進めておくことが必要です。

法律や条例等に基づく規制措置とは別に、環境保全のために市が市民や事業者と話し

合い、合意した内容を協定という形で文書に書き残すことは、規制措置を補完するもの

として、環境保全の観点においてかなりの成果を上げてきました。

最近では、公害防止協定といった法令の遵守を確認するような協定だけでなく、協働

体制の一環として、市が市民や事業者に環境施策に対する協力を求め、相互協力という

形で結ぶ政策遂行上の協定(自然環境保全協定、景観保全協定、農地・水保全協定等)

の締結が積極的に進められてきています。

規制措置を伴わない協定を締結するかどうかは市民や事業者の任意であり、その内容

も当事者や利害関係者間の話し合いによって決まります。このため、時に関係者に新た

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計画編 計画の目標と施策の展開 87

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

な負担が及ぶような内容が盛り込まれることが往々にしてあり、話し合いはそう簡単で

はありません。しかしながら、これまでにも住民や事業者との話し合いを重ねてつくり

上げてきた数々の協定によって、市内のさまざまな地域や場所で環境保全がなされてい

る実績もあることから、今後も長年の話し合いの実績が協定という形で結実できるよう、

息の長い取組みを進めていくことが必要です。

市に寄せられる最近の公害苦情相談の内容は、廃棄物の野外焼却や水質汚濁に関する

ものが多く、全体の7~8割程度を占めています。また、受理した公害苦情相談の特徴

をみると、利害関係者や近隣住民に限定されるような小規模なものが多く、即日解決で

きるものも少なくありません。以前であれば、関係者同士が話し合いで解決していたと

思われる内容も少なくなく、都市化の進展等で近隣住民の普段からの意思疎通が希薄化

していることが遠因の一つになっているのかもしれません。

今後、こうした内容の苦情相談はますます増えていくことが予想されることから、相

談内容を類型化した対応マニュアルの作成や研修を行う等して、職員の対応能力を向上

させていく必要があります。その一方で、企業活動に伴う公害苦情では、企業と地域住

民との間で地道な話し合いが続いているものもあることから、その情報収集にも努め、

市に相談があった場合にはスムーズに対応できる体制を整えておく必要があります。

市民との協働体制は、全ての行政運営において必要なことですが、とりわけ環境行政

においては、市民一人ひとりの環境配慮行動の多少が成果を大きく左右するため、特に

重要です。しかしながら、行政が決めた施策に対する参加や協力を、行動段階になって

市民に求めるだけでは、真の協働体制とはいえません。企画の立案段階から市民が参画

できるしくみ、例えば、市民の優れた発案を環境施策に反映し、市民とともに実行し、

その結果を評価・公表するといった、新たな協働体制を確立していくことが求められて

います。

そこで、市では「市民が主役の市政」、「常に市民目線の行政運営」、「市民と行政の協

働のまちづくり」を実現するため、そのしくみの根幹となる「南砺市まちづくり基本条

例」を平成24年3月26日に制定しました。これによって、地域性を踏まえた優れた環境

施策を立案する上で、市民からの発案が重要な役割を果たすことが期待されています。

市民から優れた発案を促す方法としては、優れた発案を市の環境施策に積極的に取り

入れていくことや、優れた発案が実を結ぶように支援すること、発案者を優遇したり、

表彰すること等が考えられますが、いずれにしても発案を出しやすくするしくみや、寄

せられた発案を正当に評価するしくみをつくり上げることが必要です。

また、日常生活で行える省エネやごみの減量化といった、他の市民に啓発できる発案

については、多くの市民に情報提供できる体制を整備していくことが必要です。

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88 計画編 計画の目標と施策の展開

今や世界規模でさまざまな影響が顕在化している地球温暖化問題は、本市の努力だけ

では到底解決できるものではなく、国内外を問わず、幅広い連携や協力が必要となる問

題です。また、市内には自然公園や自然環境保全地域等が多数点在し、絶滅危惧種に指

定された動物や植物の他、天然記念物も数多く存在しています。こうした自然の保全に

ついては、国や県まかせにせず、地元自治体として実情を踏まえた提案を行う等、主体

的に関わっていくことが求められます。さらに、里山や農地、ため池、用水等を保全・

活用するには、森林組合や土地改良区、農業協同組合といったさまざまな組合や団体と

の連携が不可欠です。

こうした広域的な連携は、本市の環境を守る上で直接的にも間接的にも活かされるべ

きであり、市が他からいろいろなことを吸収する機会としてだけでなく、本市の取組み

を広く発信する機会や協力を呼びかける場としても活用できることから、これらの連携

体制や協力関係を今後も積極的に構築していく必要があります。

また、市内では各種オーナー制度(棚田・赤かぶ・そば)による都市住民との交流や、

芸術文化活動による国際的な交流が展開されており、国内外から集まった参加者と市民

による交流が進んでいます。市では、こうした市民主体の交流活動を支援し、交流人口

の拡大を図っていくことで、本市の地域資源の魅力を高めるための環境保全活動に賛同

する応援者や参加者の拡大に繋げていくことが求められます。

主 な 事 業

① 市民による緑化

活動の推進

里山林の整備等において、市民参加型の植林・育林イベン

トを開催します 65 ●

② 「花と緑の銀行南砺支店」や「花とみどりの少年団」等が

行う事業を支援します

65

72 ●

③ 市民による美化

活動の支援

活動資材(ごみ袋や軍手)の支給や回収ごみの処分費減

免等で活動団体を支援します 72

④ ごみの減量化運

動の推進

市民や団体が取り組んでいるごみの減量化事例や効果を

調べ、優れた事例として紹介します

⑤ 資源ごみの回収

運動の推進

費用対効果を見極めながら、資源集団回収や分別収集によ

る資源ごみの回収を促進させる支援措置を検討します

⑥ 自然保護活動の

推進

市内の各種自然保護団体との情報交換を推進し、実情に即

した自然保護支援策を実施します

欄に「●」がある

ものは、リーディングプ

ロジェクトに選定した

ことを示します。

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計画編 計画の目標と施策の展開 89

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

主 な 事 業

⑦ 水質浄化対策

の推進

市民団体が行う水質浄化活動への支援や、下水道の未接続

世帯に対する啓発活動を継続します

⑧ 市民への省エネ

行動の呼びかけ

地球温暖化防止の国民運動「チャレンジ25」に呼応し、家

庭や事業所でできる省エネ活動や省エネ機器の情報等の周

知・啓発に努めます

39 ●

環境に配慮した

事業活動への支

国や県と連携し、中小企業の環境マネジメントシステム(エ

コアクション21)の認証取得に向けての情報提供を行いま

48

93

⑩ 国や県と連携し、事業活動における環境負荷が低減可能な

設備やシステムに関する情報提供に努めます

⑪ ボランティア

による環境活

動の推進

ボランティアセンター機能の充実を図ります ●

⑫ ボランティアコーディネーターの強化を図ります ●

⑬ 「こどもボランティアチャレンジ事業」を実施します

⑭ 企業によるボランティア活動を支援します

主 な 事 業

① 協働による環境

活動の推進

協働のまちづくりモデル事業において、環境活動を推進し

ます

② 協働のまちづくり支援センターにおいて、環境活動を支援

します

③ 各種環境活動に取り組むNPO法人の設立を支援します ●

地域間交流に

よる環境活動の

推進

市街地、農村、里山地域間の市民交流の促進につながる環

境保全体験メニューを検討します

⑤ 自治振興会等の

住民自治組織と

の連携による環

境活動の推進

地域づくり交付金事業において、環境活動を実践します

⑥ 地域づくり支援員「いっしょに頑張り隊」を派遣します

⑦ 協定締結による

環境保全の推進

自然環境や景観の保全、公害防止に関する相互協力を促進

するため、協定の締結を促進します

⑧ 条例制定に向け

た調査・検討

市内の環境を保全するため、環境基本条例や景観条例、環

境美化促進条例、空き家等管理条例等の制定に向けた調

査・検討を行います

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90 計画編 計画の目標と施策の展開

主 な 事 業

⑨ 市民等からの発

案の促進

環境の保全や創造に関する市民の意見や発案を市政懇談会

等を通じて、広く聴取します

⑩ 公害苦情処理体

制の充実 公害苦情処理体制の充実を図ります

主 な 事 業

① 国や県、広域圏

との相互連携

広域的な対応が求められる環境問題※1においては、国や県、

砺波広域圏と相互連携します ●

② 他市町村との相

互協力

近隣自治体や先進的な取組みを推進している自治体との情

報交換を推進するため、協力や交流を働きかけます

③ 各種組合や団体

との相互協力

森林・農地・水辺の公益的機能の保全のため、森林組合や

土地改良区、農業協同組合等の各種組合や団体との相互協

力を推進します

④ 都市住民等との

交流

市友好交流協会を通じ、文化芸術や自然保護に関連する交

流を推進します

⑤ 各種農林体験やイベントを通じて、都市住民との交流を促

進します

※1広域的な対応が求められる環境問題の主な内容は、P.88の「(3)広域的な連携・交流体制」における現況と課題で示して

います。

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計画編 計画の目標と施策の展開 91

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

平成18年に策定された国の第三次環境基本計画では、新たに「環境と経済の好循環」

という考え方が盛り込まれました。具体的には、「環境保全の観点から性能が優れた技術

や製品をいち早くつくり出すことにより、新たな経済活動が生み出されるといったような、むしろ、

環境を良くすることが経済を発展させ、経済が活性化することによって環境も良くなるような

環境と経済の関係」と定義づけされています。

こうした考え方に基づく「環境と経済(産業)」の関係は、互いに刺激し合ってより良い方

向に共に歩んでいくという関係であって、両者は決して相反するものではありません。このよう

な関係こそが、本市が目指している「環境と産業の好循環」の姿となります。

平成16年5月に中央環境審議会総合政策部会の環境と経済の好循環専門委員

会で示された「環境と経済の好循環」のビジョンを紹介します。

コ ラ ム

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92 計画編 計画の目標と施策の展開

全国的な流れとして、行政自らが率先して環境配慮活動を推進し、また環境に配慮し

た人が適切に評価されるしくみを設けることで、社会全体の環境負荷がより低減される

とともに環境に配慮した人が報われる社会を目指す動きが広がりつつあります。

こうした中、企業の環境配慮活動が活発化しており、環境報告書の公表やISO14001等

の環境マネジメントシステムを取得する企業が増え、市内においても一部の企業におい

てそうした動きがみられるようになってきました。このような活動を市民や事業者によ

り一層浸透させていくには、市による率先的な行動や普及啓発に力を注ぐだけではなく、

環境に配慮した人達に何らかの経済的なインセンティブが働く(得する)しくみを導入

することが有効な手段とされています。

市町村が行う経済的なインセンティブの効果は、国や県レベルと比較すれば小さく、

限定的なものかもしれませんが、きめ細かなものを数多く実施できるという強みがあり

ます。このため、今後は他市町村の先進事例や市民からの発案を活用しながら、本市な

らではの効果的な施策を打ち出し、それを複合的に組み合わせて大きな効果に結び付け

るための工夫が必要であり、それと同時に立案した施策を条件が整い次第実行に移して

いくといった姿勢で取り組むことが必要です。

グリーン購入法は、国や地方公共団体、事業者、国民に環境負荷が低減される物品や

サービスを選択するように努力義務を課す法律です。このような考え方を一般的に「グ

リーン購入」と呼んでおり、具体的には、購入の際に品質や価格だけでなく環境保全の

ことも考えて、環境負荷が小さい製品やサービスを優先して選択することをいいます。

市内の取組み状況をみると、市庁舎の「グリーン調達購入計画」が未策定であること

に加え、市民・子ども・事業者に行った各環境意識調査をみても、市内におけるグリー

ン購入の普及はまだまだこれからという状況であることから、今後は普及に向けた啓発

や取組みが必要となっています。

本市が目指す「環境と産業の好循環」の実現には、環境関連産業の振興に加え、社会

経済活動の中で環境配慮の考え方が浸透していることが重要です。

市内の第2次産業や第3次産業においては、規模の大きな事業所を中心に環境マネジ

メントシステムの導入や、従業員に環境教育を行う動きがある他、環境関連産業に参入す

る動きもみられます。しかしながら、規模の小さな事業所ではなかなか環境配慮まで手

が回らないのが実情であり、浸透に至るまでには、今しばらく時間がかかりそうです。

また、全国的な環境関連産業に比べ、市内の環境関連産業では生産力や技術開発力の面

等で立ち遅れがみられるところもあり、今後一層の成長や発展が望まれるところです。

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計画編 計画の目標と施策の展開 93

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

一方、市内はもともと農林業が盛んな地域であり、豊富なバイオマス資源に恵まれてい

ます。このため、未利用バイオマスを活用した環境関連産業を立ち上げる上で優位である

他、特に農業生産分野においては環境配慮活動の先駆的な地域でもあることから、これら

の産業を振興する素地も十分に整っているといえます。さらに、東海北陸自動車道の開通

等によって、物流面の課題も解消されており、豊富なバイオマス資源や農林産物を軸とし

た環境関連産業を育てあげる大きなチャンスを迎えています。これらのことから、新たな

環境関連産業に参入しようとする企業に対し、積極的に支援や誘致をするため、関係機関

(大学や研究機関を含む。)と連携しながら全庁を挙げたスピーディな対応が求められます。

また、市内には、ミシュラングリーンガイドジャポンで最高評価の3つ星観光地とし

て高い評価を受けた「五箇山」をはじめ、県内の代表的民謡である「こきりこ」や「麦

屋節」、伝統工芸の井波彫刻や五箇山和紙、四季折々の祭りやイベントといった、歴史や

伝統に裏打ちされた観光資源が豊富に存在しています。また、豊かな自然や多彩な文化、

農林業、商工業等の地域資源にも恵まれており、このような地域資源を活かし、グリー

ンツーリズムやエコツーリズム、産業観光、文化観光といった体験型・滞在型の観光を

開発し、磨き上げていくことが必要とされています。しかしながら、受入体制等の面で

解決しなければならない課題は多いことから、環境行政と観光行政がタイアップして課

題解決に向けた条件整備に努めていく必要があります。

主 な 事 業

環境配慮につな

がる各種優遇制

度の検討

市民等の環境配慮につながる動機づけとして、報奨金や補

助金に頼らない工夫に富んだ優遇制度を検討します

環境に配慮した

事業活動への支

国や県と連携し、中小企業の環境マネジメントシステム(エ

コアクション21)の認証取得に向けての情報提供を行いま

48

89

③ 環境にやさしい

農林業への支援

環境保全型農林業から生み出された農林産物の価値が市場

で適正に評価され、消費者に受け入れられるよう、理解の

促進や支援に努めます

地場産の環境配

慮物品の情報発

市内で生産・販売されているエコ商品や環境保全型農林産

物等の情報発信を積極的に行います

欄に「●」がある

ものは、リーディングプ

ロジェクトに選定した

ことを示します。

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94 計画編 計画の目標と施策の展開

主 な 事 業

① グリーン購入の推

エコマーク等の環境ラベリングやグリーン購入対象商品

リスト等、購入者に役立つ情報の発信に努めます

新エネルギー機器

等の利用促進のた

めの情報提供

太陽光発電機器をはじめとする各種新エネ機器の導入

に関する補助制度の紹介に努めます

省エネルギー機器

等の利用促進のた

めの情報提供

低燃費車や省エネルギー型の電化製品の導入に関する

補助制度の紹介に努めます

リサイクル製品

(再生品)の利用促

進のための啓発

商品選択時にリサイクル製品を選んでもらえるよう、リ

サイクル製品の意味や価値への理解を深める啓発に努め

ます

環境にやさしい農

林産物の消費拡大

のための情報提供

環境保全型農林業を営む農林業団体と連携し、市産農林

産物の消費拡大のための情報提供に努めます

市における率先的

な環境配慮活動の

実行

市の事務・事業活動に要する物品(役務を含む)を購入(リ

ースを含む)する際の環境配慮指針を定めた「南砺市グ

リーン購入調達方針」を策定します

主 な 事 業

① 環境にやさしい農

作物の販路拡大

JA等の農業団体と連携し、環境負荷の少ない生産技術

の開発を進めるとともに、消費者に対するPRや販路拡

大に努めます

バイオマス資源を

活用した農業の調

査・研究

JA等の農業団体と連携し、地域内に残る農業系の廃棄

物バイオマス(もみ殻等)を有効活用するための調査・

研究を進めます

③ 適切な森林整備の

推進

木材生産の低コスト化や林内路網の整備で作業を効率

化し、林業生産活動の活性化を図ります

④ 市産材の利用促進 市産材の利用促進のため、住宅や公共建築物への販路拡大

に努めます 62 ●

⑤ 森林施業のあり方

の検討

森林所有者や林業関係者の理解のもと、本市にふさわし

い林業のあり方(長伐期施業や複層林施業、針広混交施

業等)を検討します

バイオマス資源を

活用した林業の推

林地残材(未利用間伐材、枝打ち、下刈り、端材等)の

利活用を推進します ●

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計画編 計画の目標と施策の展開 95

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

主 な 事 業

① 南砺里山博の開催 「南砺里山博」の開催を継続します 68 ●

グリーンツーリズム

やエコツーリズムの

振興

グリーンツーリズムやエコツーリズムを推進するた

め、滞在型・体験型観光を開発し、育てます 68

③ グリーンツーリズムやエコツーリズムに取り組む人

材や団体の育成に努めます

主 な 事 業

① 新エネルギー産業の

育成

地域特性に応じた小規模分散型の新エネルギーを導

入するための調査・研究を進めます ●

② 中小河川や農業用水等を利用した小水力発電(マイク

ロ水力発電)を調査研究し、整備に努めます 39 ●

③ 廃棄物の循環ビジネ

スの支援 民間のリサイクル施設を積極的に活用します 44

④ 新たな環境ビジネス

の誘致・支援

豊かな環境に恵まれた本市の立地条件をアピールし、

企業の誘致活動や支援を行います

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96 計画編 計画の目標と施策の展開

本市の環境像を実現するため、今後、市では、市民や事業者との連携を図りながら、

前節(「3.施策の展開(取組みの方向性)」)に示した各種施策を展開していきます。

その一方で、これらの施策を着実に推進していくためには、実施主体の機運を醸成し、

高めていくための仕掛けが必要になります。このため、これまでに取り上げた各種施策

の中から、計画全体を先導するもので、重要度が高く、かつ波及的効果が期待できる事

業を横断的に抽出し、本計画のシンボル的な役割を果たす「リーディングプロジェクト」

として位置づけることで、計画の効率的かつ効果的な推進に努めていきます。

なお、リーディングプロジェクトは、①本計画が本市において初めて策定する環境基

本計画であること、②本計画の上位計画である「南砺市総合計画」の計画期間の最終年

度が平成28年度であることを踏まえ、本計画の基礎固めの期間(平成25~28年度の4年間を

想定)に実施するものを対象とした上で、次の観点に配慮し、定めます。

上記を踏まえ検討した結果、次の5つの「リーディングプロジェクト」を定めます。

リーディングプロジェクト キーワード

清らかな水辺再生プロジェクト 生活排水対策、健全な水循環、水辺環境の保

全等

COコ ツ

2COコ ツ

2はじめるエコの環わ

プロジェクト 地球温暖化の防止、循環型社会の構築、環境

産業の育成等

なんとの森づくりプロジェクト 森林や自然公園等の整備、自然災害防止、有

害鳥獣被害対策等

エコの学び場の輪拡大プロジェクト 環境情報の共有化、環境学習機会の充実、人

材把握・育成等

我がまちLOVE・住みよさアッププロジェクト 協働によるまちづくり、清掃活動、緑化活動、

マナーの向上等

①市民や事業者の関心が高く、市としても重要度が高い取組みであること。

②南砺市らしさ(地域の環境特性)を活かせるものであること。

③取組みの実施による波及的効果(成果)が大きいものであること。

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計画編 計画の目標と施策の展開 97

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

5つのリーディングプロジェクトの内容は、以下のとおりです。

リーディングプロジェクト② 【地球温暖化の防止・循環型社会の構築】

リーディングプロジェクト① 【水環境の保全と再生】

本市には多くの名水や水辺スポットがあり、これらの水辺は市民の暮らしを

支えているだけでなく、憩いの場としても活用されています。

しかしながら、環境基準を超過している中小河川もみられ、水質の改善が必要と

なっているところもあります。また、市民からは下水道への接続徹底を望む声や、

河川や用水へのポイ捨てをやめて欲しいといった声が少なからず寄せられており、

水環境の保全と再生に向けた取組みを今後も根気よく続けていく必要があります。

そのため、最終的には市内の水辺が清らかさを取り戻し、私たちの誇りとな

るような水辺の再生を目指し、まずは優先課題である生活系排水対策を中心と

した「清らかな水辺再生プロジェクト」に取り組んでいきます。

施策目標 施 策 参照頁

2 水環境の保全 2-(2) 工場・事業場対策の推進 P.29

2-(3) 生活排水対策の推進 P.29

2-(5) 健全な水循環の確保 P.30

森林・農地・水辺の

公益的機能の向上 8-(3) 水辺環境の保全・活用 P.64

地球温暖化は、身近で起こる地域の環境問題に比べると、何か遠い世界の

話のように感じられますが、温暖化の進行が人間活動に起因することはほぼ

断定されています。

このため、温暖化防止策を多方面から着実に実施することが不可欠であり、

その対策の中には、当然のことながら、私たち市民一人ひとりを巻き込んだ

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98 計画編 計画の目標と施策の展開

地域全体による持続的な取組みの展開も含められます。

一方で、市内は自然にあふれており、私たちはこれらの自然からたくさん

の恩恵を受けながら、暮らしが成り立っていることを肌で感じています。ま

た、その自然には太陽光や風力、小水力、地熱、バイオマスといった再生可

能なエネルギー(新エネルギー)が潜在しますが、今のところその利用はご

く僅かです。市では、これらの新エネルギーを積極的に活用することでエネ

ルギー自給率を高め、さらに農林業を含めた地域産業の活性化に繋げること

を目的とした「エコビレッジ構想」の展開を目指しています。

このため、最終的には、市内で生活や事業を営む全ての人が、あらゆる暮

らしの場面の中で出来るところから温暖化防止策をコツコツと積み上げてい

くことを目指し、まずはその取組みの基盤づくりを目的として、「コツコツは

じめるエコの環プロジェクト」に取組みます。

施策目標 施 策 参照頁

4 エネルギーの有効

活用の推進 4-(1) 省エネルギー化の推進 P.39

4-(2) 新エネルギーの普及・活用 P.39

5 3R・適正処理の推

進 5-(2) ごみの減量化の推進 P.43,44

5-(3) ごみの資源化の推進 P.44

5-(4) 適正処理・不法投棄対策の推進 P.45

地球温暖化防止対

策の推進

6-(2) 低炭素型のまちづくりの推進

[1-(3) 移動発生源対策の推進]に同施策掲載

[10-(3) 交通環境の整備] に同施策掲載

P.48,49

6-(3) 二酸化炭素の吸収源対策の推進 P.49

8 森林・農地・水辺の

公益的機能の向上 8-(1) 森林・林地環境の保全・活用 P.62

8-(2) 農地環境の保全・活用 P.63

13

環境を守り育てる協

働・連携体制の整備 13-(3) 広域的な連携・交流体制の整備 P.90

14 環境と産業の好循

環の推進 14-(5) 環境関連産業の育成 P.95

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計画編 計画の目標と施策の展開 99

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

リーディングプロジェクト③ 【森の公益的機能の保全】

本市の8割を占める森林地帯では、現在、必要な手入れがなされない森林が

増加しており、森林が持つさまざまな公益的機能の低下が危惧されています。

また、「市民環境意識調査」の今後推進すべき施策では、自然災害防止対策や

有害鳥獣による被害対策を望む声が多く寄せられていますが、そもそもの発端

は森の公益的機能の低下です。

このため、最終的には、「なんとの森」が私たちの誇りの森であり続けるこ

とを目指し、まずはあらゆる世代・立場の人が「なんとの森」の大切さを学ぶ

とともに、森林の保護活動や森林資源の循環的利用を推進する機会や場をつく

り出すことを目的として、「なんとの森づくりプロジェクト」に取組みます。

施策目標 施 策 参照頁

7 貴重で優れた自

然の保全

7-(1) 自然公園・自然環境保全地域等の保全 P.53

7-(2) 生物多様性の保全 P.53

8 森林・農地・水辺

の公益的機能の

向上

8-(1) 森林・林地環境の保全・活用 P.62

8-(4) 野生生物との共生 P.64,65

8-(5) 自然災害の防止 P.65

8-(6) 市民による自然保護・育成活動の推進 P.65

13

環境を守り育て

る協働・連携体制

の整備

13-(3) 広域的な連携・交流体制の整備 P.90

14

環境と産業の好

循環の推進 14-(3) 環境にやさしい農林業の振興 P.94

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100 計画編 計画の目標と施策の展開

リーディングプロジェクト④ 【環境情報の共有化、環境教育・環境学習の推進】

今日の環境問題には、私たちの日常生活や事業活動が深く関わっており、

その解決のためには、私たち一人ひとりが意識改革し、環境に配慮する行動

を自発的に進めていくことが求められます。

生涯を通じてこのような行動がとれる人が育つには、正しい環境知識や情

報が学べる機会や体験学習ができる場をつくり出すとともに、核となる指導

者やリーダーを育成していくことが必要です。

また、「市民環境意識調査」でも、環境情報量や環境教育・学習の場の多さ

に満足している割合は、他の項目に比べて著しく低くなっており、満足度を

改善していく必要があります。

このため、最終的には、全ての環境保全対策の出発点にもなる環境教育や

環境学習が推進され、正しい知識や裏付けのもとで、自発的な環境保全活動

が展開されていくことを目指し、まずはその取組みの基盤づくりを目的とし

て、「エコの学び場の輪拡大プロジェクト」に取組みます。

施策目標 施 策 参照頁

自然とのふれあ

いの推進 9-(1) 自然とのふれあいの基盤整備 P.68

9-(2) 自然とのふれあい機会の創出 P.68

12

環境を守り育て

る人材の育成 12-(1) 環境情報の共有化 P.83

12-(2) 環境教育・環境学習の機会提供・支援 P.83,84

12-(3) 核となる人材や団体の把握・育成 P.84

14

環境と産業の好

循環の推進

14-(4) 自然や歴史的文化的遺産を活かした

観光の推進 P.95

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計画編 計画の目標と施策の展開 101

序論

計画編

環境像・

基本目標等

分野目標Ⅰ

〔健康・安全〕

分野目標Ⅱ

〔低炭素・循環〕

分野目標Ⅲ

〔自然共生〕

分野目標Ⅳ

〔快適・心豊かさ〕

推進機軸

〔人・しくみ〕

リーディング

プロジェクト

行動編

推進編

資料編

リーディングプロジェクト⑤ 【協働による環境保全活動】

市内では、市民団体や企業による清掃や緑化活動等が進められていますが、

一方で、一部の心ない人により、不法投棄やポイ捨てが後を絶たない状況です。

「市民環境意識調査」では、これらに対する不満の声やマナーの低下を嘆く声

が多く寄せられており、改善策を速やかに講じていくことが求められます。

また、環境保全活動を持続させていくためには、活動に参加する市民の裾野

を広げ、市民一人ひとりの環境保全力を底上げしていくことが必要です。この

環境保全力の底上げには、まちや郷土への愛着心や誇りを育てることが重要で

す。愛着心を育むことで環境保全力が底上げされ、住みよさが増すことで、更

なる愛着心を育むことに繋がるといった好循環が生み出されます。

このため、最終的には、愛する私たちのまち・郷土を私たち自らの手で守り

育てることを目指し、その取組みの基盤づくりを目的として、「我がまちLO

VE・住みよさアッププロジェクト」に取組みます。

施策目標 施 策 参照頁

3 その他生活環境の保全 3-(4) 空き家・空き地対策の推進 P.35

10

快適でうるおいのあ

るまちづくりの推進

10-(1) 花と緑豊かなまちづくりの推進 P.71,72

10-(2) 美しく清潔なまちづくりの推進 P.72

10-(4) 雪に強いまちづくりの推進 P.73

11 特色ある景観・文化の

保全・創造

11-(1) 魅力的な景観の保全・創造 P.78,79

11-(2) 歴史的・文化的遺産の保全・活用 P.79

11-(4) 郷土意識の醸成 P.80

13 環境を守り育てる協

働・連携体制の整備

13-(1) 市民等の自発的な活動の促進 P.88,89

13-(2) 市民等の参画・協働の促進 P.89

Page 34: 17.6 (ポ - Nanto · 山や川をきれいにする運動 河川・道路・市街地 5月29日~6月30日 1,089 なんと!ごみゼロの日 河川・道路・市街地 5月30日