802.11AX（WI-FI 6）とはそしてそれはなぜ必要なのか

目次

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はじめに

今日のWI-FIの課題を解決する

デジタル・ワークスペース（デジタルを活用したオフィス改革）とスマート・クラスルームの進化

802.11AXとは

なぜARUBAなのか

まとめ

はじめにユーザーにとって、無線アクセスは「あれば嬉しいもの」から「なくてはならないもの」に変わってきています。このため、ネットワーク・パフォーマンスは、ビジネスに欠かせない要件になっています。一般消費者をはじめ、従業員も信頼性の高いWi-Fi接続を期待するようになっています。その不在が、その施設に入るかどうか、または立ち去るかどうかの決定打となるかもしれません。

顧客や従業員を惹きつけて定着させるには、信頼性の高いWi-Fiと優れたエクスペリエンスを提供する必要があります。さもなければ、ビジネスさえも失うおそれがあります。また、モバイル・デバイスやIoTデバイスの増加に対応するために、ワイヤレス・ネットワークの効率を高め、過密状態や増加する一方のキャパシティ需要への対応を改善することは、成功を握る鍵となっています。

今日のWI-FIの 課題を解決する

多くのことが過去数年間で変化しました。クライアントやアプリケーション、生成されるトラフィックが増加し、多様化が進むにつれ、無線規格はそれに歩調を合わせて進化する必要がありました。遅延に敏感な音声およびビデオのトラフィックは、小さなデータ・パケットを送信するIoTデバイスとエアスペースを共有しており、無線ネットワークの速度を低下させます。

この問題を解決するために、無線ネットワークはより効率的な方法を提供して、増加し多様化するトラフィック、そして帯域幅のニーズに対応する必要があります。

新しい規格が必要 米国電気電子学会（IEEE）およびWi-Fi Allianceは、現規格（802.11ac）の改善点を特定するために協働してきました。結論は、「一般的な」条件下のパフォーマンスに注力することによって、ネットワーク全体のパフォーマンスを総合的に向上させるというものでした。これは、「完全な」条件下における高度なピーク・データ速度の観察に注力するという従来のモデルとは異なります。

802.11axと呼ばれる新規格は2018年初頭に発表され、最近になって、Wi-Fi AllianceがWi-Fi 6と改名しました。焦点のひとつは、アクセス・ポイントのデバイス同時処理方法の効率を高めることです。Wi-Fi速度の比較は重視されなくなり、すべてのクライアントに最適なスループットを提供するためのネットワーク・キャパシティに焦点が当てられるようになっています。

たとえて言えば高速道路に車線を追加し、それぞれが優先車線になったような状態です。相乗りやバスを使用することで、高速道路をより効率的に使用できるようになり、最終的に渋滞を緩和することができます。

本書では802.11axという専門用語を使用し、この新規格を最大限に活用する方法と、短期的および長期的な導入タイムラインにおける考慮事項について説明します。

802.11AXとは

この最新規格は、パフォーマンス、デバイスの過密化、およびアプリケーションの多様性といった、今日のWi-Fiにおける最大の課題を解決しようというものです。この課題に対応するため、802.11axでは、スループット・キャパシティを802.11acの4倍にまで増加させます。さらに、多数のユース・ケースで2.4 GHzおよび5GHzの両方の帯域幅を利用できることも利点です。

マルチユーザーのパフォーマンスおそらく、802.11ax規格の最も重要な新機能は、OFDMA（直交周波数分割多元接続)と呼ばれる、強化されたマルチユーザー機能です。複数デバイスがデータを送信しようと互いに競い合う既存のモデルとは異なり、帯域幅のニーズが異なる複数のデバイスに同時にサービスが提供されます。802.11axでは、各デバイスのデータ送信が同時に平行してスケジュールされるため、競争がありません。

この方法でデータ・パケットを処理すると、特に音声トラフィックなど遅延に敏感な多数のパケットが同時に送信されるため、パフォーマンスが向上します。高密度環境では、トラフィックを運搬するために車を1台使用する代わりに、相乗りモデルを使用するようなものです。トラフィックを集めて1台の車で運ぶため、複数の会話を同時に処理できます。これにより、アクセス・ポイントは複数の802.11axデバイスに由来するトラフィックをより効率的に処理できます。

1x 4x802.11ax802.11ac

送信＆受信

トラフィック

複数のデバイスから

1つのチャネル

同時

マルチユーザーMIMO（MU MIMO）は、複数のデバイスに由来するトラフィックを処理するためのもうひとつの方法で、802.11acで最初に導入されました。802.11axでは、デバイスごとに専用のチャネルを使用して最大8台のデバイスで同時送信を行えるようにすることで、この機能を強化しています。これにより、ストリーミングHDビデオなどの大きなパケットの処理効率が高まり、IoTデバイスや音声トラフィックからの短いパケットはOFDMAを使用して、より適切に処理されます。

デバイス間の競争とクライアントのバッテリー寿命は、Target Wake Time（TWT）という機能によって強化されています。これは、スケジューリング・スキームを使用して、データを送信する順番が来るまでデバイスを非アクティブの状態にしておくというものです。デバイスが非アクティブ・モードになるため、スマートフォン、タブレット、IoTデバイスのバッテリー寿命に間接的に貢献します。到着客を待ちながら延々と空港内道路を周回し続ける代わりに、一時待機スペースに駐車するようなものです。混雑が緩和され、省エネになり、全体的なエクスペリエンスが向上します。

センサー、オートメーション、医用機器といった低電力、低帯域幅のデバイスの動作モードにおけるIoT処理方法も強化されました。このモードでは、2.4GHz帯域と5GHz帯域のどちらでも動作する20MHzのみのチャネルを使用して、802.11ax APからこれらのデバイスが分離されます。自転車専用車線を用意するのと似ていますが、低帯域幅のトラフィックが遅延に敏感なトラフィックに干渉する心配はありません。

要約すると、802.11axにおける効率の改善点とは、ネットワーク上のすべてのクライアントのネットワーク・パフォーマンスが高速化し、ユーザー・エクスペリエンスが向上するということに尽き ます。

802.11AXの利点 802.11axの開発初期には、主要なユース・ケースとして大規模な公共施設などの高密度環境でWi-Fiの効率を高めるとうものでした。残念ながら、今日までに書かれた文献の大部分は、やや 誤解を招く内容になっています。高密度とは、必ずしも大きなホール、スタジアム、小売環境 に何百、何千ものWi-Fiデバイスがある状態を指すとは限りません。

使用されているデバイスとアプリケーションによっては、20台かそこらのデバイスでも高密度 と見なされる場合があります。オフィス、教室、倉庫が対象の場合、次のような事柄を考慮 すべきです。

• 使用されるデバイスとアプリケーションのタイプ、特にビデオ• 現在の802.11nまたは802.11ac配備と比較した場合のアプリケーションの応答性• 可視化されているIoTデバイスと可視化されていないIoTデバイスの数

過去にはビデオ・トラフィックといえば主に無線ダウンリンク・トラフィックを指しました。しかし今日では、ソーシャル、コラボレーション、遠隔医療、eラーニングのアプリケーションが膨大なアップリンク・トラフィックを生成するようになっています。ストリーミング・ビデオでは遅延を低くすることが要求されるため、ITは、最悪な「バッファ中」のメッセージがユーザーに表示されたり、それよりひどい事態にならないようにする必要があります。ネットワークが従来の802.11nや802.11ac規格をベースにしている場合、今こそ802.11axを導入するまたとない機会です。なぜなら802.11axでは2.4GHzと5GHzの両方のWi-Fiスペクトラムがより効率的に活用されるからです。

デジタル・ワークスペースと スマート・クラスルームの進化

ワークスペース（オフィス環境）では、ITが過去に見たことのないペースで、よりシームレスな接続と統合されたエクスペリエンスへの変革が起こっています。モバイルとBYODは「あれば嬉しいもの」ではなくなり、「なくてはならないもの」になっています。カンファレンス・コールに参加しているユーザーは、温度・照明・位置情報センサーや監視カメラ、AV機器と無線帯域幅を奪い合うようになっています｡

密度、IoTデバイス、そしてより小さく遅延に敏感なパケットが、キャパシティ増加の必要性を高めています。事実、新しいIoTデバイスの多くは、コストの制約により、2.4GHzの接続のみに対応している場合があります。従来の802.11nや初期の802.11ac APから802.11ax APにアップグレードすれば、後者の動作特性によってだけでも、ネットワーク・パフォーマンスを高めることができます。デバイスはトラフィックを同時に送受信し、帯域幅を大量に必要とするアプリケーションをIoTトラフィックが干渉しないようにするためのルールを定義できます。

802.11axは、以下のような場合に利点があります。

2.4GHz IoTデバイスが使用されており、認証のセキュリティが 懸念事項となっているスマートなオフィス・スペースや製造工場

モバイル、音声、ビデオのトラフィックが広範に使用されている学校やテクノロジー組織などの環境

予見不能な将来にわたって既存の医療機器で2.4GHzを使用し続 けるヘルスケア環境

今日、大部分の組織では、ユーザーはBYODデバイスやIoT機器にかつてないほど依存しています。このため、パフォーマンスの高いデバイスのためだけにネットワークを最適化することが困難なことがよくあります。また、ネットワークは古いデバイスと新しいデバイスに対応する必要があります。さらに、eラーニングやコラボレーションのためのアプリケーションの使用が増加するにつれ、Wi-Fiネットワークはクラウドとの間で行き来する膨大な量のトラフィックを処理できるようにならなければなりません。

組織に持ち込まれるIoTデバイスの数と種類も、ネットワーク・パフォーマンスに影響を与える可能性があります。ゲーム機、TV、医療機器は、環境制御、屋外放水、電力使用状況を管理するセンサーその他のIoT機器と共存しなければなりません。802.11axアクセス・ポイントなら、これらのデバイスで状況に応じて2.4GHzと5GHzの両方のWi-Fiチャネルを十二分に活用できます。

802.11AXで検討すべき事柄 キャンパス全体ですべてのユーザーに快適なネットワーク・エクスペリエンスを提供できますか?

導入する音声・ビデオ対応アプリケーションの数が増加していますか?

IoTデバイスの導入に伴い、ビジネス・サービスへの影響に対応する準備がどの程度できていますか?

ユーザーがあらゆる場所からネットワークへ接続中で、ネットワーク・アクセス・セキュリティについて懸念はありますか？

将来のスイッチングとPoEの要件をどのように織り込んでいますか?

ネットワークに接続するWi-Fi 6とそれ以前のデバイスの密度に対応する準備は整っていますか?

なぜARUBAなのか

組織が新しい建物で機材を整えたり、既存のWi-Fi配備をアップグレードしたりするタイミングでArubaの802.11axアクセス・ ポイントを導入すれば、この先何年にもわたって強固なサービスを提供するために必要なパフォーマンスを獲得し、将来を担保することができます。標準ベースの802.11ax機能に加えて、Aruba の利点は、ユーザー、IoTデバイス、使用するアプリケーションにかかわらずネットワークを自動的に最適化するAIと機械学習が提供できることです。

• RF最適化：Aruba無線ソフトウェアに含まれるAirMatchという独自機能では、機械学習を使用して、一貫したユーザー・エクスペリエンスの提供に必要なチャネル、帯域幅、および電力を最適化します。手作業による設定は不要です。

• インテリジェントなトラフィック制御：無線ソフトウェアに含まれるAppRFという追加機能では、ITは内蔵のディープ・パケット検査を使用し、トラフィック、ユーザー、デバイス・タイプに基づいてサービス品質を簡単に適用できます。

• IPM（インテリジェント電源監視）：スイッチがポートあたり30ワットを超えるPoE要件に対応しない環境では、IPMを使用すれば、802.11ax アクセス・ポイントの事前選択機能がスイッチング環境が更新されるまではインテリジェントにオフにされます。

• クライアント・パフォーマンス最適化：Arubaの特許取得ClientMatch機能により、802.11ax対応デバイスが、利用可能な802.11ax AP無線上でグループ化されるため、OFDMAとマルチユーザー機能の利点を最大限にパフォーマンスに活かすことができます。

• 高度な認証セキュリティ：802.11ax規格では新しいセキュリティ強化は仕様に含まれていませんが、Arubaの802.11axアクセス・ポイントにはWPA3およびEnhanced Openが含まれているため、ゲスト・アクセスと共有パスワードを使用するオープン・ネットワークの安全性が高まります。

まとめ組織の中でモバイル機器やIoTデバイス、ビデオ・ストリーミング・アプリの密度が増加しているならば、将来に向けて802.11axアクセス・ポイントを検討することをお勧めします。802.11acと比較して利得が4倍に増加するだけでなく、下位互換であるため既存の802.11a/b/g/acクライアントにも対応します。また、新興の802.11ax（Wi-Fi 6）クライアントがネットワークに加わったときにも対応する準備が整っています。

最新の規格では速度が向上するだけでなく、以下のような新しいビジネス・サービスとユース・ケースが可能になります。

• IT/IoTの融合とスマート・ビルディングの導入• エンタープライズ・グレードのビデオ・コラボレーションと拡張現実や仮想現実のリアルタイム・アプリケーション対応• 企業内およびオープン・ネットワーク内でのセキュアなWi-Fi

Arubaは、今日の最新テクノロジーのための新世代ネットワーク、つまりAIによる、セキュアで、モバイルとIoT用に設計されたネットワークを顧客に提供することで、イノベーションが牽引するエクスペリエンスを提供するための変革を起こしています。驚くべき体験と驚くべき簡単さという2つの利点を同時に実現しているのです。

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詳細については、 arubanetworks.com/802.11axをご覧ください。